前回の記録はこちら。
Pauper Challenge参加記録
http://85160.diarynote.jp/201710250129426824/

この時トップ8に残ったことでそれなりに満足したため特段参加するつもりはなかったが、翌日たまたま休みかつ日曜昼間に寝こけてしまったのでついつい参加ボタンをぽちっ。
人数85人、多いよ!

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-challenge-2018-02-26
https://www.mtggoldfish.com/tournament/pauper-challenge-11192652#online

入賞リストはこちら。金魚によれば6-0表記だが、前回と同じくスイスでは6-1である。この回に限らず、最近のPauper Challengeの6-0表記はほぼ6-1なのだと思われる。7-0のデッキがあればちゃんと7-0って書いてるし。5-1は5-2、4-2は4-3と読み替えた方が恐らく実際の結果に近いのではないだろうか。

結果はタイトル通り、望外の優勝という幸運に恵まれた。リプレイを見返すとちらほらミスプレイがあったので「これが今の俺の全力だ!」という達成感は正直ないが。もっと練習が要る。ただし相手より相対的に上手くプレイした回はそれなりに多かったとは思うことと、デッキリストは1年弱使った上での集大成なのでその点の満足感はある。

R1:エルフ
https://www.mtggoldfish.com/deck/961754#online

G1:こちら先手ながら相手が超ドブン。

G2:ダメな所に単体除去を当て続けて、ドローはカンスペで弾いて勝ち。

G3:相手が《散弾の射手/Scattershot Archer》や《蜘蛛糸の鎧/Spidersilk Armor》を基準にキープしたようで速度が遅く、《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》を1体焼いて《暴走の先導/Lead the Stampede》に対抗呪文を当てた後は大した動きがない。並ぶのを待ち、《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》で一掃して勝ち。

R2:エルフ
https://www.mtggoldfish.com/deck/961746#online

G1:先手2Tに《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》が出てきてこれはもう負けですねとげんなり。しかし相手のそこから先の引きはそう芳しくなく、ドローをカンスペで弾けたのもあり微かな勝機を掴めた。

対戦直後は上手くやれたと悦に浸っていたが、リプレイを見返すとガバプレイも混じっていてう、うーん?と微妙な表情に。攻勢に転じるタイミングの見極めは上手く行ったとは思う。

G2:《電謀/Electrickery》で2体流して、後は余裕を持って進めてカンスペを構えつつ《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》、そこから忍者で圧倒して勝ち。

R3:ボロス(準優勝の人)
https://www.mtggoldfish.com/deck/961734#online

G1ボロス相手の一番きついパターン、先手を取られて《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》を連打されて:《金切るときの声/Battle Screech》が通る、で圧敗。

*ごめんここ嘘だった、リプレイ見返したらときの声撃たれてないので記憶が混ざっていたっぽい。こんなん勝てねぇよってブンブンだったのは確かだけど。

G2:火力の当て方を間違えたのと、土地を6枚位引いてる間に2/2や2/3飛行がずらずらずら。

R4:ボロス

G1:相手の土地が(RW)+Wだった所でRWをタップして2マナファクトを出してきた所をありがたくスプライトでキャッチする。その後ときの声にカンスペを当てられたので勝ち。

G2:アーティファクトを引かなかったようで大量6枚の手札を抱えたまま相手が身動き取れない状態に。多分《虹色の断片/Prismatic Strands》がいっぱい。こちらは土地がやや詰まり気味だったものの《水流破/Hydroblast》のお陰でどうにか回り、相手が手札を上手く消化できない間に盤面の優位を作って勝ち。完全にボードで勝っている状況での《虹色の断片/Prismatic Strands》は単なるフォグなので全く怖くない。

R5:青赤氷雪
ドレイクが入ってた。

G1:後手マリガンスタートで相手が7枚スタート。この時点で結構厳しい。今見返すと攻勢に出るタイミングにミスがあったようにも思う。最後にデルバー→カンスペ→ライフ3を削りきる稲妻、と大変綺麗な順番で相手のトップからスペルが降ってきたのもあり負け。

G2:先手ながら赤マナが出ない色事故の状態。ここで実質終わりかと覚悟したが、相手がお手伝いプレイをしまくってくれて拾えた。この人ならもしかしてこれに《紅蓮破/Pyroblast》当ててくれないかなとダメ元で苦し紛れ風に《噴出/Gush》を使ったら本当に使ってくれて、
手札の《対抗呪文/Counterspell》のバックアップで《渦まく知識/Brainstorm》を通して赤マナに辿り着いて勝ち。

G3:初手の中に山と《紅蓮破/Pyroblast》。相手の2T《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》を弾き、ドローを打てず土地が2枚で止まった相手を尻目にキャントリップ連打で4マナ、スプライト2枚、忍者の組み合わせに辿り着いて勝ち。

R6:青単デルバー
https://www.mtggoldfish.com/deck/961747#online

G1:相手のデルバーを即焼きしてこちらのデルバーが殴り続けて勝ち。メインのゴーレムを犠牲にして他のスロットを作っているようなので、受けに回った時脆い形だったのが相手に災いしたと言える。

G2:相手が暫く落ちていた。その間に急いで朝食(この辺で朝8時)を取った。ゲーム的には相手先手2T忍者からの速攻をどうにか凌いでライフ1で食い止められる!と思ったがトップ《対抗呪文/Counterspell》に阻まれる。

G3:相手ターン中にカウンター合戦が発生、相手のスプライト連打で負ける最悪の状況に陥る。しかし相手のマナが起きる前の自ターン中に虎の子の火力を2枚、相手の使用済みの《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》を焼くために使う判断が功を奏し、(翌ターン忍者トップデッキで悪党が忍者になった。スプライトを焼いていなければ当然スプライトが戻っていたのでほぼ負け)そこからの攻撃をギリギリライフ1で食い止めてボードの完全優位を確立。相手の時間切れが近かったので安全優先で少数だけで数ターン殴り、ライフを削りきる前に時間切れで勝ち。

見返すとこの時の選択が良かったから勝ったってことでいい気はする。《電謀/Electrickery》を引ければG2もG3ももっと楽だったんだけれども。2回もライフ1で!とか言ってるけど青単相手の1は《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》でも《はらわた撃ち/Gut Shot》でも死ぬラインなので、別にライフは1点あればいい~系の思想ではない。


R7:青単デルバー
https://www.mtggoldfish.com/deck/961758#online

G1:こちら先手。デルバーの鏡撃ちから始まり、相手がアップキープに《渦まく知識/Brainstorm》で反転して《思案/Ponder》を公開。そして土地を出せない。次ターンの《思案/Ponder》を《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》でキャッチして土地2枚目を出すのが更に1ターン遅れた分で勝ち。メインまで待てば1枚掘れる枚数多くて島に辿り着いてたのに勿体無いねという話に。その結果論を抜きにしても、青赤相手にはさっと焼かれてしまうデルバーを敢えて即変身させる意味は然程ない。

G2:デルバーがブロッカーとして大活躍。《はらわた撃ち/Gut Shot》を忍者をブロック後の《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》に打たれるというやり取りを3回やったこともあり、アドバンテージはこちらが得つつ、相手のライフは勝手に削れていく。その後こちらはデルバーに嵐縛り2、相手はゴーレム2にデルバーに嵐縛りにフェアリーいっぱい、という形でお互い攻撃を通せない膠着状態に入った。完全に動けなくなる前に強引に嵐縛りで突撃してライフを削っておいたので、ゆったり構えてカウンターを引き込んだ上で稲妻をポイッ。


以上、6-1でトップ8のシングルエリミネーション進出。基本的に6-1まではほぼ確定で、5-2の場合オポ最上位か2番ならというラインのようだ。

準々決勝:ボロス
https://www.mtggoldfish.com/deck/961739#online

G1:ボロス相手の一番きついパターン、先手を取られて《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》を出されて《金切るときの声/Battle Screech》が通る、で圧敗。文章をほぼ使いまわしたが実際これが一番きついパターンなので仕方なし。

G2:嵐縛りを巡るカウンター合戦に敗北してもうダメだぁ……と絶望しかけるが、そこで出てきたのが《道の探求者/Seeker of the Way》。白統治者なら完全敗北していたがこれならまだなんとか。とは言うもののドローが思わしくなく、最終手段としてカウンターを2枚構えた上で忍者を素出し。嵐縛りのカウンター合戦の際に相手のハンドの火力が消耗していたこともあり、これが生き残って攻撃を通し続けて勝ち。

G3:《紅蓮破/Pyroblast》を避けつつ占い師と嵐縛りを通してアド差で優位に立って忍者まで繋げて勝ち。

MOでは滅多に見ることのない"gg, gl next"というチャットを送ってくれるナイスガイだった。

準決勝:青黒コン
https://www.mtggoldfish.com/deck/961736#online

平均的リストとはかなり変わった構築であるのが分かると思う。《はね返り/Recoil》3枚、《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》1枚、そしてメインの《払拭/Dispel》2枚。《払拭/Dispel》は実際計算が狂ったので非常に強かった。他2種類は見てないが、ここまで来れたのならば効果的だったのだろう。Recoilが一気に値上がりしてて笑う。

G1:いい感じに占い師が繋がったこともあり、残り1マナでのアンコウに対しての《対抗呪文/Counterspell》を《払拭/Dispel》で消されるサプライズもあったが勝利。

G2:相手は占い師スカ、こちらは《噴出/Gush》を打ったら手札に土地が6枚(場には3枚)となる盛大なマナフラッドでお互い息切れ。次のターンに土地を引かれて《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》のFBで忍者が殺されてもダメ、もちろんブロッカーや除去でもダメ、もう駄目だぁ、という局面で忍者で引き込んだ《渦まく知識/Brainstorm》はレガシーを青く染めるに相応しいカードパワーを発揮して勝ち

決勝:ボロス
R3の相手へのリベンジなるかという所。

G1:相手が3マナでストップ。その間に悪党を引いたことで手札のスプライト2枚が俄然使いやすくなる。ただし、キャントリップアーティファクトを打ち消して遅らせてはいるものの、こちらは盛大にマナフラッドしていて決め手を欠く間に土地に辿り着かれてしまう。その後はお互いグダグダやっていたが、占い師でライブラリを掘ったお陰で忍者に辿りつき、アドバンテージを活かして勝ち。

G2:相手がアーティファクトを引かなかった&赤マナがタップインだらけだったので、《紅蓮破/Pyroblast》が来ない内に殺意の嵐縛り連打。片方が残った所に相手がダメ元で《宮殿の歩哨/Palace Sentinels》を出してきたので、ありがたく統治者は貰いつつ《雪崩し/Skred》でそれ自体は除去。土地を戻しつつの飛行連打も両方処理、で勝ち。

リストを見るに《錬金術師の薬瓶/Alchemist’s Vial》を1枚減らしてその分を《虹色の断片/Prismatic Strands》や電謀に充てている、安定性をやや犠牲にしてエルフへのガードを上げた形のリストのようなので、その悪い所がよりによって決勝で出てしまったのが彼の不運だろう。R3と逆でなくてよかった。






そんなこんなで優勝賞品の500 Play Points, 100 Treasure Chests, and 1 non-foil set of the most recent Standard-legal setをゲット。チケ換算で350チケ相当。ちなみに準優勝だと240チケ。

大会の所要時間は7時間半。スイスドローだけなら5時間半。長いのも辛いが時間帯が辛すぎる。Wotcの本社がある西海岸時間を基準として考えるのは仕方ないが、「Challenge面白かったよ、日本人プレイヤーにも興味持ってる人沢山居るし、第何週は何時開催、翌週はその6時間後とかっていった風にして地球上の様々な地域から参加できるようにするわけにはいかないのか、もちろんプレイヤー数に応じての重み付けはしてくれて結構」と前回の参加後に意見投書した所、「意見ありがとう!開発部に伝えておくね」と返信が帰って来たものの、その後「あの件はどうなったの」というメールを送っても返信がないので残念ながら時間帯が変更される見込みはないだろう。悲しい。むしろ午前2時(当時)から午前3時になって悪化してるし。どの道日本からはよほどの気合を入れないと参加できないという点では差がないとも言えるが。

優勝で満足したし、大会自体にも、その後睡眠を立て直すことにも大変疲れたので次回参加は当分先にたまたま都合が合って気が向けばという所。




終わりに謝辞を。

数々のプレイミスをしながらも決勝まで連れて行ってくれたデッキである青赤氷雪デルバーについてまず3人、デッキの基礎を構築したkungfutressさん、そして調整の過程で大変参考になった、ichusukaさん、夏目さんに感謝します。

また、Pauperについての記事がある数々の個人ブログの著者の方々にも感謝致します。とりわけシミてくさん、すずくまさん、surucucuさんのお三方のブログはPauperを始めた頃に熱心に読み、大変勉強になりました。

本ブログの記事は読み手として想定しているのが僕自身になっているため、説明不足の雑文が多いかと思いますが、そんなものでも読んでくださる方、参考になったと仰ってくださる方にもとてもありがたく思っています。

今後ともよろしくお願いします。
一番肝心なのがこの話だ。土地を引きすぎた、よしブレストで戻そう。
ここまではいい。問題はここから先だ。

残念ながら、MTGにおける勝利条件は相手より多量のハンドを抱えてニコニコしていることではないので、

・ 優位な手札の質をボードに還元する
・ コンボに繋げる

だいたいこのどちらかが求められる。

後者の使い方ができるのがウィー=ゼロックス、不屈の部族コンボである。これらのデッキは、前項で挙げた参考記事の使い方3. より引用すると

「この局面さえしのげば返しで勝てる!」と言う瞬間において、《渦まく知識/Brainstorm》は《Ancestral Recall》とほぼ同じカードと化す。返しで勝てるのだからライブラリーの質が落ちようとライブラリートップが無駄ヅモになろうとどうでも良い訳で、間違いなくその瞬間こそが《渦まく知識/Brainstorm》の「旬」だと言えるだろう。


こういう局面をPauper環境のデッキには珍しく能動的に作り出せる。故に《渦まく知識/Brainstorm》を強い形で使いやすいと言えるだろう。


では、前者の使い方をすることになるフェアデッキではどういう形にすれば強いのか?以下が筆者の考える条件だ。

1. ハンドに引きすぎた土地を温存したいので、展開に多量の土地を必要としない
2. 《渦まく知識/Brainstorm》を使う過程でテンポを失うために劣勢になりやすいボードを捲れる軽くて強い除去がある
3. シナジーを上手く発揮するとデッキパワーが飛躍的に高まる構成になっている

3. は一見話が飛躍しているように見えるため説明すると、1.の制約上デッキ全体が押しなべて軽くなるが、相手より弱いカードを並べているだけでは勝てないので何かしらで上回る工夫が要るということ。そのためにPauperで現実的なのがこれだ。シナジーを分断されてしまいそうな時は《渦まく知識/Brainstorm》でライブラリに戻って貰う選択もできる。

黒の軽い除去は汎用性が低くて弱いため、青黒デルバーには2. が欠けており、テンポデッキなのにテンポが悪いという致命的な構造になっている。123を全て満たすのが青赤氷雪であり、故にこのデッキはフェアデッキとしては相当に《渦まく知識/Brainstorm》を強く使える。

単純に「引きすぎた土地を戻せてブレスト強いよね」もいいのだが、Pauperでは《渦まく知識/Brainstorm》に関係してくる様々な制約の都合上、全てのデッキで使って同じ強さを発揮できるわけではないということを意識しておくとより《渦まく知識/Brainstorm》を活かした構築をできるだろう。
レガシーブレスト論は数あるが、Pauperだと組み合わせられるカードの問題で気を使った運用を要求されるので正直読んでもあまり参考にはならない。

そもそもの使い方からして、Pauperでは相手選択式のハンデスは滅多に飛んでこないのでハンドを隠す役割はないも同然、奇跡は環境に1種類しかないし組み合わせて使うかと言われると疑問、というわけで特定のカードをトップに置く使い方はそう強くはないのでそうそう実行するプレイではない。

ただし、この記事はカードとしての本質について大変秀逸な説明をしているので必読。以下はこの記事を読んでいることを前提として進める。

渦まく知識の使い方 ネタ蒔きの徒然草
http://43458.diarynote.jp/200905100158003828/



さて、Pauper環境でのこのカードの最大の問題点は前借りした未来の返済を踏み倒す手段が弱いということ。より詳細に言えば、


返済の踏み倒しにはマナ消費を要求されて、その分ボードに干渉できない


ということだ。

フェッチによるシャッフルとしてタップインの《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》系を使う場合、アンタップインの土地と比較した時はそのターンに1マナ支払っているのと等しいため実質的にはこれにもマナは必要とされている。

これにより発生するテンポロスはPauper環境では無視できないものがある。
具体的なデッキを例として挙げよう。

《渦まく知識/Brainstorm》を4枚使う数少ないデッキの一つが青黒デルバーだ。このデッキは以下2つの要素の採用によってライブラリーをリフレッシュしている。

・トップに積んだ不要牌を《思考掃き/Thought Scour》、《留意/Mental Note》で墓地に送る
・多色故にフェッチランドを採用しておりシャッフルする

そして青黒デルバーが4枚《渦まく知識/Brainstorm》を採用できる理由は、これらの動きがアンコウに向けてのマナ加速となるためテンポロスを擬似的に無視できるという点にある。

このデッキ構造は本当に良くできているのだが、2018年2月現在、青黒デルバーはメタの一線上には居ないデッキである。

それは何故かと考えると、このテンポロスの無視はあくまで擬似的なものに過ぎず、

・毎回そう都合よくアンコウが駆けつけてくるわけもない
・アンコウを出すことがそこまで有効でないデッキもある
・アンコウに何らかの手段で対処されることもある

等で、現実的にはこのテンポロスは結構な頻度で展開の遅れとして響き、序盤に強烈な展開をするデッキ(主にアグロ)への勝率の悪さの原因となってしまうからだ。

というわけで、《思案/Ponder》や《定業/Preordain》のような打ちっぱなしでいいキャントリップと違い、《渦まく知識/Brainstorm》は強く使うのに一手間かける必要がある。その「一手間」がPauper環境では弱いため、《渦まく知識/Brainstorm》をデッキの中核に据えてしまうと最終的なデッキの完成形はさして強くはなくなる。

では何故使うのか?

Pauperは低マナ域におけるやり取りに相当程度比重を置いたデッキが多く、それらはゲームが長引くと余剰マナの使い道に困る。また、コモンはマナ域が上がっても相応に強くなってはいかず、1枚で強烈にアドバンテージを稼ぐようなカードもあまりないので、とにかく軽くて強いカードを詰め込んだ構造のデッキが多い。

自然、そうしたデッキは中盤以降マナフラッドに苦しむことになる。これを1枚で劇的に解決できる(こともある)《渦まく知識/Brainstorm》は、いくら相方となるフェッチが弱かろうが、テンポが悪かろうが、採用に値するカードだと言える。
調べたら面白かったので記録。

http://www.mtgsalvation.com/forums/the-game/legacy-type-1-5/legacy-archives/183310-official-thread-faerie-stompy
での製作者Eldarielの弁によれば、

・Type1.5がレガシーに移行した時、掲示板(The Source)でこの新しいフォーマットの禁止カードに添った新デッキのコンテストが行われた

・前々からカジュアルデッキとして温めていたが合うフォーマットがなかったデッキアイデアがレガシーでは良さそうなのでコンテストに投稿した

・最初期はフェアリーの大群、シー・スプライト、フェアリーの集会場といった小粒なフェアリーを使っていたことと、ローウィン以前なのでフェアリーはほんの数枚しか存在しない極めてマイナーな種族であり、他のデッキと混同される心配は全くなかったことから、デッキ名でフェアリーと名乗るのは極めて適切であった

・「ストンピィ」を名乗るのは、「小さく可愛らしいフェアリーの群れが、自らの3倍はある剣を担いで対戦相手の顔を踏みつける」ことでの対戦相手の屈辱はこの上ないものだろうとのことから

以上の過程でフェアリー・ストンピィが誕生した。

このデッキの根幹である2マナランド+チャリスで相手を封殺し、中マナ域クリーチャーで相手をビートダウンする部分は他の色にも応用された。代表例がドラゴン・ストンピィとエルドラージ・ストンピィである。

更に、エクステンデッドやモダン等、2マナランドが使えないフォーマットでも(無理やり)儀式系マナ加速を用いる等で再現を試みたデッキが使われることがあり、「~ストンピィ」というデッキ名は、マナ加速によりアドバンテージを損失してでも高速に中マナ域パーマネントを展開するデッキの名前としてしばしば使われるようになった。
青赤氷雪デルバーで使う際の話を書くが、ある程度はPauper環境の他デッキでも共通すると思われる。

先に結論だけ要約すると、3枚目以降の土地としてははっきりと強さが感じられ、2枚目の土地としては弱めで、1枚目だと土地として換算できずどうしようもない、という所だ。

具体的説明は以下。

《灰のやせ地/Ash Barrens》がわかりやすく弱い局面は3つある。

1. 初手にある土地がこれのみでマリガン

特にこれだけが2枚あるハンドで辛さが際立つ。

2. たまに1ターン遅れる原因になる

島+キャントリップ複数枚でキープ、1ターン目に操作しても引けず、2ターン目の操作で引き当てた土地がこれというケース。起動するマナがないので手札に抱えることになる。1ターン遅れるわ、7枚キープならディスカードになるわで目も当てられない。

3. たまに1マナ無駄になる

使える土地が島+これで、1ターン目と2ターン目に連続して青マナを使いたいという状況において、フェッチ系では普通山をサーチしなければならない都合上2ターン目に島を使って山をサーチしてエンドとなり1マナ無駄になる。例えばこれ+島+キャントリップ+悪党みたいなハンド。このケースは山を死ぬまで引けないリスクを呑めば一応無視できる。クリーチャーではなくキャントリップ2枚目を打ちたいのなら島サーチもなくはないだろう。

要するに初手付近でこれを使わざるを得ないハンドだと辛い。

逆に、強い局面は以下。

a. 除去が1ターン早い

アンタップインの山を調達できるので、すぐ除去を打ちたい!という時に1ターン早い。これは弱い局面の3. と表裏一体。島→島山→山からサーチして島島山(タップ)で《対抗呪文/Counterspell》を構える、というパターンも。青赤では島島と出した上で3ターン目メインに山をサーチしたことによって対抗呪文が構えられない!というジレンマはそこまで強くない。サイド後は《紅蓮破/Pyroblast》があるからむしろ赤を構える方が大事だったりするし。スプライトも《紅蓮破/Pyroblast》もない青黒では無視できない。

b. 《渦まく知識/Brainstorm》と相性がいい

島1立ててブレスト→アップキープにシャッフルや、2マナ立ててカウンターを構える→相手が動かなかったのでブレスト+シャッフル、等。特に《噴出/Gush》と合わせるケースでは、島を出し直して構えつつ、相手ターンエンドや自ターンアップキープにシャッフルできるので《進化する未開地/Evolving Wilds》との差が顕著である。

c. デルバーのトップを見る能力と相性がいい

特にトップの土地を弾くケース。デルバーが出ていてフェッチ系が手札にある時点でもう土地は要らないことが多い。

d. 3ターン目の3マナを出しやすい

割と気づきにくいポイントなので赤字に。島からキャントリップを唱えるよくあるスタートの後、ハンドの土地が未開地系2枚の場合は3ターン目に3マナ出ないが、《灰のやせ地/Ash Barrens》が混ざっていれば3マナ出せる。これにより3ターン目に相手のマナが寝ている隙に《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》を叩きつけられるかどうかが変わるので結構大きい。

e. たまに積極的選択として無色マナとして出すこともできる

中~終盤、スプライトや忍者に使う無色マナとしてアンタップインする選択肢がある。勿論基本的に非推奨ムーブ。やる条件は、既に島3山1以上あり、5,6枚目の土地を出す必要があって、相手がアンコウを使っていないので《雪崩し/Skred》への支障がなく、できれば《噴出/Gush》を1枚位は消費した後という感じ。



これらを受けて何枚採用するかはまぁ好みだが、少なくとも青赤氷雪みたいな土地枚数のデッキで手放しに4枚積むようなカードでは無いのは確かだと思う。高いリスクのある選択だと認識した上でリターンを求めるならいいが。

ラヴニカブロックのバウンスランドを一定以上採用するデッキの場合は、無色土地として出した後回収可能なので弱い部分を無視でき、純粋に強さを受け取れる。

故に、ある程度マナが伸びることを必要とするデッキにおいて、タップイン2色ランド+《灰のやせ地/Ash Barrens》+バウンスランドというマナベースには合理性がある。そういうデッキを組むならe. のメリットも活かしやすいので是非使おう。


最後に余談。《進化する未開地/Evolving Wilds》ばっかり再録するせいでこっちばっかり使われてるけど、《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》のが先輩だしこれも再録してよと思う。未開地のイラストだけ5種類もあっても使い切れないんだよ!
2018/1/11現在のPauperリーグは青赤氷雪デルバーにとってかなり良いフィールドと言えるが、1/10メンテ以降、忍者がブロッカー指定ステップで忍術できない(ダメージステップではできるが意味が薄い)紙切れと化しているので、これが解決されるまで使用するべきではないことに注意。

https://www.mtggoldfish.com/deck/887392#online

4-1ばかりでくさくさしていたがようやく5-0出来た回が掲載から弾かれなかったので。確か11回プレイして、4-1が8回、3-2が1回、2-3が1回、5-0が1回。

①エルフを確実に殺すため除去を8枚体制にしたい

というのがまず一つ。他に不満はなかったので従来のリストの土地を少しいじったもので何リーグかプレイしていた所、

②流行の白単英雄的や、呪禁、エルフも一応、の「カウンターを構える、あるいは構えるブラフをすること」の意味が大きいデッキに対して、ソーサリータイミングでキャントリップを打つ動きがかなり弱い

という感触があった。

これを受けて、《定業/Preordain》を1枚、4枚目の《渦まく知識/Brainstorm》に変更。伴って1枚《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》に差し替えていた3枚目の《灰のやせ地/Ash Barrens》を戻した。

流石にブレスト4はやっぱなかった。《定業/Preordain》に戻し。

元の差し替えの理由は《灰のやせ地/Ash Barrens》のみが初手に2枚ありただの無色土地として使うかマリガンするかの嫌な二択を選ばされるハンドがどうにも我慢出来なかったので。

サイドの《残響する真実/Echoing Truth》は白単英雄的対策になる丸いバウンスとして。このカードのサイド後の使用感については、ichisukaさんのDNが詳しい。

特に対呪禁の項は最重要。

青赤氷雪フェアリー対呪禁オーラ
http://ichisuka7.diarynote.jp/201709280923055839/

*1/12参考用リスト等追記

参考用リスト

(IMA期)
https://www.mtggoldfish.com/deck/874874#online

(MM3期)
https://www.mtggoldfish.com/deck/730749#online


サイド変更無しが最も有効である。

というのも、白黒ペストのデッキとしての難点は
1.多色かつバウンスランドもあるのでテンポが悪い
2.それを補う軽量除去もたいしてない
3.安定性を補うための軽量ドローもないので結構事故る

というものだ。これらから導き出される対処は、デルバーで殴れ!という話になる。

また、、2ターン目アップキープ《渦まく知識/Brainstorm》でデルバーを反転させる行動も肯定され得る相手である。勿論ディンローヴァトロン相手のように手放しでやるべきではないが。

中盤までに殴り殺してしまうのが理想で、基本的にサイドボードで何かを変えると速度が落ちていくため好ましくない。《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》も速度的には遅いので不要。

ただしもし《無効/Annul》があるならサイドインは一考に値する。

以前は《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》という、カード単体としてのデルバー、デッキ戦略としてのデルバー、その両方を否定するためのカードが採用されていたので不利を承知で長期戦に臨む必要があったが、最近は他カードが優先されてか採用されていないので殴りきれる目が十分に出てきている。

ボロスがどう強いのかを確認できるデッキだと言える。4ターン目以降の全体除去が有効なメタゲームであればという感じ。

全体除去が豊富で理屈上ではエルフに強く、本来は青赤氷雪にも圧倒的に強く、豊富なライフゲインでバーン耐性も高い、とIMA期のメタゲーム上で悪い理屈は無いが大して勝てていない不思議なデッキ。多分構築が微妙なせいだと思うので自分でも試してみたいが、どう見てもバブルな白統治者を今掴むのもなぁとも思うので……
DNは画像がロクに貼れない化石サービスなので何か他の手段をと考えた時手軽そうなのがTwitterだった。とりあえずモーメントを試してみるが見た目はうーん……編集は楽、というかTwitterなので書くのが楽。画像サイズ調整出来ないのかな。

一応書いてみたものがこちら。

https://twitter.com/i/moments/949656254799953921

前項
http://85160.diarynote.jp/201711121131197407/


*2018/02/16追記あり

https://www.mtggoldfish.com/deck/869280#paper

最近の流行は忍者全抜きで、その枠に占い師を入れたこのタイプの模様。忍者が残ってても2枚位とか。青単だと忍者を出せてもその後殴れないことが多いので妥当といえば妥当。

島16でゴーレムをちゃんと出せるかどうかは傍目には不安だが、占い師の当たり率を高める方を多少事故るより優先という感じだろうか。

ともあれ、こういうタイプの青単デルバーへの雑感としては、

・こちらの忍者は占い師の分通らない可能性が高いので全抜き

という位で、忍者で即マウントされて負け、残ってしまったスプライトが回収されて負け、というパターンがないので体感楽になっている。

《雪崩し/Skred》でゴーレムをどうにかすれば勝ちと言って過言でないので、相手の忍者がなくともブロッカー用にデルバーは残した方がいい。結果、悪党を抜いて、忍者を抜いて、嵐縛りを入れて、《電謀/Electrickery》や《紅蓮破/Pyroblast》を入れて、それぞれ何枚取っているかで調整という形になる。

プレイしている間はDazeケアをできるならば意識するといいだろう。相手は土地が伸びづらい分、本格的なカウンター合戦になるとこちらが有利。また、ゴーレムのマナ軽減が不十分になりがち。忍者での即マウントを防ぐという理由で除去を急ぐ必要は薄くなったので、土地が十分伸びたと判断してから仕掛けるのが理想。


*2/16追記



https://www.mtggoldfish.com/deck/932196#online
https://www.mtggoldfish.com/deck/930545#online
https://www.mtggoldfish.com/deck/929087#online


結局減ってることはあるものの忍者を0にする人はあまり居ないという位で落ち着きそうだ。

仮に忍者0構築が主流になるようであれば、フェアリーを安定してブロックする必要がほぼなくなるので、悪党を入れたままにしてデルバーを抜く(減らす)のもありだったが、現状ではデルバーを優先した方がいいだろう。両方残すのはスロットが足りないはず。

整理しておくと、デルバーの役割は

・相手のデルバーと相討ちしてライフを守る
・相手の忍者と相討ちする
・相手のフェアリーから忍者への変身を防ぐ

こう。悪党の持てる役割は

・スプライトが2マナをカウンターしやすくすることでカウンター合戦に強くする
・たまに悪党連打でアドバンテージを稼げる

こんな感じ。

《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》最大の難点は、相手のスプライトに引っかかるのでプレイに相当気を使う割にリターンが大きくないという所である。
青単デルバー全体に対しての原則論としては、
・ブロッカーとしてのデルバーは重要(ただしアタッカー性能は弱いので枚数4は疑問)
・忍者の攻撃を通すのは結構困難で、手札に貯まると序盤に撲殺される可能性もある。忍者が出てしまった後、根本的な除去はあまり喰らわないので多少なら枚数を減らしてもOK
・だいたい悪党いらない

・序盤戦はマナの安定度と速度の都合で青単有利、お互いマナフラッドした超長期戦もカウンターの量の都合で青単有利。その中間は青赤有利。中盤戦まで生き延び、そしてそのまま勝負を決めることが求められる。


最近は青単側のリストの更新が進んでいて、どう対応するのが最適かよくわからなくなってきている感がある。番号は僕が「多分このリストが将来主流になるのでは」と予想した順。

①《縫い合わせのドレイク/Stitched Drake》採用型
https://www.mtggoldfish.com/deck/806953#online

・デルバーはブロッカーとしても強くはないので0~2でいいかも知れない
・《雪崩し/Skred》の重要度が物凄く高いので極力温存したい
・結果的に《雪崩し/Skred》温存のためにデルバーが弱いのに多少残らざるを得ない気もするがなんだかんだ抜いた方がいいのかもしれない、本当にここの所はよく分からない、結局デルバーが受けになるのは相手のデルバーに対してだけ(でもそれが重要)なので。

*フェアリーの忍者への変身を防ぐのも重要だが、そもそもサイド後は《電謀/Electrickery》の存在により牽制するなどでスプライトで一切カウンターされないのが理想

《ウーナの寵愛/Oona’s Grace》も矛槍も採用していないので、長期戦に持ち込めばアドバンテージ量が多く、《渦まく知識/Brainstorm》で多少マナフラッドに強いこちらが有利な気がする

後手時の《噴出/Gush》は正直使いづらいので、後手時はこれの枠をブロッカーとしてのデルバーに差し替え、先手時はカード引きたいし噴出を残してデルバー全抜き、あたりがいいのかな?


②《海賊の魔除け/Piracy Charm》採用型
https://www.mtggoldfish.com/deck/811164#online

・デルバーが魔除けでやられるので弱い
・悪党のサポートがスプライトに必要かも?
・超長期戦は明確に不利。《ウーナの寵愛/Oona’s Grace》があり、矛槍があり、とうっかり負けになる可能性がちょいちょい転がっているので。

三番目の要素の都合で、相手に占い師があろうが忍者はこのマッチでは重要度が高い。

青単対青赤での対戦において青赤にだけ軽い除去があるというのは非常に大きな要素で、ゲーム中盤までお互いがそれなりに回れば青赤側が優位に立つ瞬間が訪れやすい。そこで有利を固定するカードとしての忍者はやはり強い。




③《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》型
https://www.mtggoldfish.com/deck/816414#online

*11/14追記:この人がその後標準っぽい型デルバーで5-0しているので、多分一度5-0はしたものの感触良くなかったんじゃないかなと邪推。
https://www.mtggoldfish.com/deck/825690#online

デルバー入ってないけど金魚がデルバー枠に入れてるので一応。率直な感想はこれフェアリー部分要るん?とか、青単じゃなく素直に色足して除去入れれば?になってしまう。

ただ、ドロー力が高いので、《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》+《鋸刃の矢/Serrated Arrows》が揃うと忍者が占い師で止まらなくて辛かったりはした。

デッキの軽い部分と重たい部分の間に凄まじいギャップがあり、ブロッカーとしてのデルバーが不在なため、こちらのデルバーはともかく悪党は残すのもいいかも知れない。スプライトだけだと多分あんまり役に立たない。

除去がとても回らない《海門の神官/Sea Gate Oracle》4+ゴーレム4で、こちらの忍者の攻撃を通すのはまず無理なのでこの相手には忍者を全抜きして良いと思う。

カウンターに乏しいので、がしがし《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》を叩きつけていくのが多分正しい。


全くまとまっていないし、サイドプランが形になっていないが、とりあえず最近出てきているリストへの対戦数が少ない時点での感想を書いておいた。そのうち対戦数が増えれば何かしら対応を意識できるかも。

現時点でこのデッキを使っている人にとっては「そんなの常識だろ」レベルの話である可能性が高い。このDNの記事は基本的に「今考えてることを忘れた半年や1年後の僕自身」を読者として想定しているので。思いついたらそのうち追加される。


・《思案/Ponder》+《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
・忍者を忍術
・《噴出/Gush》+《渦まく知識/Brainstorm》+フェッチ
・《渦まく知識/Brainstorm》+《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》


・ダメージ後に忍術
・忍術で複数回収





・《思案/Ponder》+《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》


特に1ターン目、思案を撃って土地土地スペルとか土地クリーチャースペルとめくれ、スペルを3番目に積んで翌ターンに《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》で確実にアドを稼ぐ動きは強い。

3ターン目以降、そこそこ欲しいカード+土地+適当なスペル、とめくれた時に土地を弾く動きも強い。青単で思案を打った後漫然と3枚ドローする世界には戻れなくなってしまう。

《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》との相性を考えると、《思案/Ponder》>>>>>>《定業/Preordain》と言いきっていい差があるので多色デッキでフェッチを採用でき、単体の性能として互角程度ならば思案を優先すべき。

2枚の間での直接的な相性もそうだが、《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》では土地が伸びないため、キャントリップによる土地へのアクセスの重要度が高いという間接的な面もある。土地の探しやすさは当然ながら思案>定業。

よってこの2種類のカードで6枚スロットがあるなら4-2にするべき。《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》はスペル22~23では8割程度しかヒット率がないカードであることを常に意識しておくこと。2回使って全てヒットするのは6割4分、3回使えば5割。僕がやたらとクリーチャーをサイドアウトしたがるのはゲームプランの変更もそうだが、これも理由の一つ。

メインではなるべくキャントリップでお膳立てをしてから使いたい。

・忍者を忍術

コントロール相手に実行する。忍術を実行した後に飛んでくるインスタント除去をこれで躱すと、1U:手札消費無し、これへのカウンター不可、という凄まじいカウンターになる。相手のマナがオープンな状態で忍術をするなら、理想的には2枚+4マナを揃えてからにしたい。まぁ自分でカウンターを用意するだけでもいいが、自ターンにタップアウトするリスクを背負う割にリターンがそこそこ程度でしかないのは嬉しくないよねとは。

《青の防御円/Circle of Protection: Blue》への抵抗としても重要。これのお陰でターボフォグが使う青円程度なら然程の問題ではない。除去できないから並べればいずれ限界が来る。トロン揃ってると流石に無理だが。

・《噴出/Gush》+《渦まく知識/Brainstorm》+シャッフル手段
要するに戻した島がスペルになってうひょーつえー、みたいな話。

・《渦まく知識/Brainstorm》+《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
あまり効率的ではないが、死ぬほどマナフラッドしている場合で渦巻く知識が2枚目以降ならば、トップに土地を2枚とも置いて、流すことを最優先、運が良ければスペルが当たる、位の使い方をすることもある。1枚目ならばとりあえず2枚目に重要度の低いスペルを置いて手札を減らさないことを重視した方がいいかと。

また、相手が《霊魂放逐/Remove Soul》系カウンター、特に《除外/Exclude》を使うことがわかっている場合、2マナオープンで《対抗呪文/Counterspell》を構えて《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》をとりあえず通してからcipに対応して《渦まく知識/Brainstorm》という手もある。勿論《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》が来ない場合限定。


以下は狙いたい動きというか覚えておくともしかしたら役立つかも?レベルの動き

・ダメージ後に忍術

既存の忍者でダメージを与えてドローしたら忍者をトップデッキして、場にスプライトがあるので、返しのターンをこれで凌げば勝利

という状況でスプライトを回収する目的で行う。300マッチ程やって多分2~3回実行したことがある。一応、これのためにMOの設定で戦闘終了ステップをスキップしないようにしている。

・忍術で複数回収

Ctrlキーを押しっぱなしにしないと出来ないので忘れずに。
正直こちらはマナの捻出が難しい上、回収のためにマナが寝て忍術後に忍者が除去されてしまっては本末転倒なので、実戦で実行したことはない。*追記あり

行える条件は確かに厳しいのだが、マナフラ気味の消耗戦で成功した時の決定力が凄まじいので、覚えておくと~レベルではなく、ある程度意識して狙っていっていい動きかもしれない。

現実的に行える条件を考えてみると、ボロス相手にお互い盛大にマナフラッドしていて除去がないと見込め、かつ相手に《コーの空漁師/Kor Skyfisher》や《宮殿の歩哨/Palace Sentinels》など、2/3以上のブロッカーが居て忍者が殴れず、返しのターンに守る必要が薄い場合、あるいはそもそもカウンターを持ってない場合に、3体位並んだ《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》のうちブロックされなかった2体を回収したいという時だろうか?

後は青単の《尖塔のゴーレム/Spire Golem》の前に停止していて3枚位並んだ占い師を~みたいなのはあるかも。この場合は《稲妻/Lightning Bolt》での除去範囲に入ることを恐れてゴーレムがブロックしない可能性も多少あるので2体でも成り立つ可能性はある。

*2018/1/9追記
実戦で青黒デルバー相手に実行した。占い師のアドを活かして相手のデルバーとアンコウを処分、ただしお互いマナフラ気味でこちらはガス欠、相手は雰囲気的にカウンター1枚位あるかな?という状況。忍者をトップデッキした所で、土地セットで6マナ、占い師*2+スプライトが居たので全回収して次ターンからの連打で勝利。

直後のマッチでまた同じ人にあたり、お互いの残りライブラリが10枚代に突入するロングゲームになったが、相手の《綿密な分析/Deep Analysis》+占い師2体のアドにも負けないアドバンテージを《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》3体出し→忍者で2体回収&そのターンのうちに消化のエンジンが稼ぎ出し、どうにか勝ち。

それはそうと、やはり青黒デルバーのDeprive+《亡骸のぬかるみ/Mortuary Mire》のエンジンは非常に優秀だと思った。Deprive自体が強いかと言われるとそんなことはないが、長期戦を意識するなら積んでおきたい。短期戦を目指す形ならDaze山積みみたいな構成になるだろうから共存不可だろうが。


*2/17追記

変則的な理由だが、黒コン相手に実行した。
相手にクリーチャーなし、こちらは《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》を2体並べて殴っている時、タップアウトで《黒死病/Pestilence》をプレイされて通る。

返しのターンに、この状況を受けて忍者で2体とも回収し、

①忍者を除去してくるなら、相手が維持のために出してくるクリーチャー(マナ的に1体が限度)を焼いて黒死病を排除。
②クリーチャーを出すだけで忍者を除去しなければ忍者で殴り、ブロックされて忍者が死ぬなら①と同じ
③忍者を除去せず、クリーチャーも出さなければドロー

の3択のどれになっても黒死病自体で1:1交換以上はされない状況に持っていった。
実戦では《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》が出てきたので、忍者で殴る→ブロックされる→稲妻で焼いて雪崩しを温存し、かつ黒死病を生贄に、と進んだ。
4点吸われたライフを除けば忍者(1U)と稲妻(R)の合計3マナで、黒死病(2BB)、灰色商人(3BB)の合計9マナと2:2トレードできてお得感満点。
■ミラーマッチの不毛さ

①、②、③で如何に良いデッキであるかを述べた後でこんなことを書くのもなんだが、《象の導き/Elephant Guide》型がどうというよりも、ストンピィというデッキタイプの今後の展望はそこまで明るくない。

既にストンピィとのミラーマッチの頻度が高く、(リーグでの遭遇率11%)スカージ無しには決定的な有利のつかない引き&先手ゲーであるとなれば、一部のプレイヤーが《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》の採用へと舵を切り始めるのも当然と言える。


ただでさえマリガン判断以後、プレイングで左右される余地が大幅に減って面白みの少なくなった*使者以後のストンピィのミラーマッチで、ストンピィ本来の展開と絶望的に掛け離れたスカージをめぐるゲームをやり始める**ことになると、これはもう不毛という言葉以外では形容できない。

*筆者個人の感想。使者以前のストンピィは半分クロックパーミッションのようなデッキだったので展開がかなりプレイで左右された。特にミラーマッチは互いの手札を読み、数ターン先に削りきるための最適解を探す、戦闘とデッキの理解度を問われる熱いゲームになることが多かった。

**スカージゲー下では、スカージを除去するために《散弾の射手/Scattershot Archer》をサイドインするのが基本のような情勢になっていた。ちなみに現状既にスカージゲーになりつつあるので対空サイドは恐らく射手を採用する方がベター。最低限クリーチャーとして頭数になりつつ、恒久的にスカージを牽制できるのは大きいので。

もしお互いスカージと射手とを大量投入する不毛さの極みにまでストンピィミラーを意識してメタが進むならば、《象の導き/Elephant Guide》型が1枚のカードで勝てる可能性が高い分やや有利かもしれない。ただそういうデッキ状況だと地上を支える戦力の枚数的に《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》をサイドアウトするしかなくなり、《象の導き/Elephant Guide》のエンチャント先に困り、結果として《リバー・ボア/River Boa》を採用する従来型の方が有利な可能性もある。細かい所は実際にやってみないとよく分からないが楽しくなさそうなのでやる予定はない。


■アイコニックマスターズ後に伸びるデッキ達

使者以前よりもゲームスピードが増したためかなり相性が改善したものの、勝率1割の世界から3~4割の世界へ変わった程度で、依然として当たりたくはない相手であるエルフが、11/15に訪れる《暴走の先導/Lead the Stampede》のコモン落ちで強化されて数が増えると、当然ながらストンピィは少し苦しくなってくる。

ただし、エルフの増加に伴い勢力を再び拡大するであろうボロスに有利がつく点は従来型との大きな違いと言えるし、そのままボロスに入るだけかも知れないが、《道の探求者/Seeker of the Way》が採用される白系中速デッキに対しては、ライフゲインに対抗するために《象の導き/Elephant Guide》の類のカードによる継続的ダメージ増加及びブロック性能による自ライフ維持は重要度を増す。

これらのことから、長期的には《象の導き/Elephant Guide》型が主流、他は好みで使われる亜種、という位になって行くだろうと思われる。もしPauper環境のストンピィに興味があってまだ使ったことがない人が居ればアイコニックマスターズ直前である現環境のうちに、要は1週間以内に《象の導き/Elephant Guide》型を試しておくことを勧める。ミラーの不毛さはともかく、まだ旬は過ぎていないはず。

■終わりに

ストンピィを半年以上使っておらず、(対デルバーを除き)「あっ今の負けプレイミスのせいだな」というゲームがちらほら発生した筆者が使ってもリーグで勝率70%を出せるので、デッキパワーは疑いようがない。

あくまで上の予測が当たればという話なので気が早いかも知れないが、Pauper環境に確かな足跡を残したということに祝辞を述べて一連の考察を終えたい。

_DissonancE_さんはおめでとうございます。


https://www.mtggoldfish.com/deck/437806#paper
Pauper League 5-0デッキにおける《象の導き/Elephant Guide》の初出

https://www.mtggoldfish.com/deck/690444#paper
金魚で確認できる、《象の導き/Elephant Guide》4積み構築の初出

https://www.mtggoldfish.com/deck/746232#paper
現在の型が確定したリスト

《象の導き/Elephant Guide》型ストンピィ③何故勢力を伸ばしたのか――メタゲームから
《象の導き/Elephant Guide》型ストンピィ③何故勢力を伸ばしたのか――メタゲームから
*一部追記あり。親和のサイド後についてと、書き忘れていた呪禁について。(11/9)

■ボロスとの相性の大幅な改善

参考リスト:
https://www.mtggoldfish.com/deck/428050#online
https://www.mtggoldfish.com/deck/516724#online

https://www.mtggoldfish.com/archetype/pauper-kuldotha-boros-21706#paper
(リスト単体というよりは右側の結果の量)

《金切るときの声/Battle Screech》と《農民の結集/Rally the Peasants》を採用したアグロカルドーサの登場以前、ストンピィからボロスに対して最も有効な攻撃手段は《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》+《怨恨/Rancor》だった。地上クリーチャーによるブロックを許さず、除去も許さず、飛行ブロッカーは巨大化系で退ける。

《金切るときの声/Battle Screech》の採用以降、《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》は強化呪文を1/1飛行のブロックに対して逐一使うか、《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》を運良く引けるかしないと意味がないカードとなり、使いづらくなった。

しかし、この型のストンピィでは《象の導き/Elephant Guide》を4枚と大量に投入することでシラナの問題点をほぼ解消し、相手に対応を許さない攻撃力で迅速にライフを削りきることが可能になっている。

もし地上クリーチャーにつけた場合でも火力の範囲外に逃げられ、《未達への旅/Journey to Nowhere》でさえなければ対処されたとしても3/3が残ってアド損しないのも大きい。Pauper Challengeでの凄まじい入賞数でも明らかなように勢力を増しているボロス統治者に対し有利が付く点は従来型のストンピィとは一線を画した魅力がある。


■メタゲーム上の立ち位置

「何故象ストンピィが今勢力を拡大したのか」の理由は多分これが全てなので、後は個別のマッチ成績の数字と簡単な相性分析で見て欲しい。実際に対戦しないと気づきにくい点は赤字にしておいた。

ストンピィミラーマッチ(4-6)

・象の導き型完全ミラー
互いにスカージ非採用の場合、当然だが五分。そしてインスタントタイミングの行動が少なく、プレイングで差がつく余地はほぼ無いので純粋に引きゲー&先手ゲーである。このタイプに《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》を(多めに)採用すると、相手のenc/art破壊の対象が増えるデメリットがある。両方入れている相手と当たったら《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》をサイドインしていい。枚数はよく分からない。ダブると恐らく辛いので2枚位が適正か。

・従来型ストンピィ
スカージを採用しているケースが多く、その点で不利。《リバー・ボア/River Boa》はこちらに強化が多く、スカルガンでもシラナでも回避が容易なので然程の脅威にはならない。タフネス強化が多くない分《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》がかなり有効。3枚は悩むが2枚は確実に入れていい。


対ストンピィ全体
《象の導き/Elephant Guide》は単純に巨大なクリーチャーを作り出せて、対処してもストンピィの基本サイズを越える3/3が出るため、有効か有効でないかなら有効なカードだが、先手2T目《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》経由のブン回りの圧倒的テンポの前には無力なので、後手時に覆す程の力は持っていない。自分が先手で3Tに貼り付ければ強いが、結局それは先手ゲーである。よってスカージゲーの次のステップに訪れるのは引きゲー&先手ゲーである。《象の導き/Elephant Guide》の勝敗寄与度は3番手に過ぎず、多分そこまで高いわけではない。

細かくは集計していないのでどちら相手に何戦勝って負けたかは不明だが、対戦成績は4-6。

恥を偲んで白状しておくと、使者以降のストンピィはプレイで差がつかないとか書いている癖に、《勇壮な対決/Epic Confrontation》を《巨森の蔦/Vines of Vastwood》でカウンターする際に「相手のクリーチャーを対象に取らないと+1/2修正だけは有効になる」ことを完全に失念していて、その1点分のダメージにより、「《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》での完全制圧が目前だが、どう調整しても相手のラストドローで+2以上の強化カードを引かれると死ぬ」という局面になってしまい、めでたくその通りに引かれて死んで負けた回はある。この負けは結構落ち込んだ。デルバー戦程の差はつかないのは確かだと思うが油断は禁物。

・親和(9-1)

圧倒的有利。5/5作成によって4/4をビタ止まりさせることが可能で、かつシラナを4/4にして迅速に上から殴れる確率が高まっている。最悪、強化を重ねてデカブツ+《怨恨/Rancor》ビートという選択肢を取ることもできるのも強みと言える。サイド後は使者以後のストンピィの長所である、《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》用のクリーチャーを展開しやすい点で更に有利にと言いたいが、データを良く見るとメインは先手後手問わず4-1、サイド後は先手7-0, 後手5-5だった。使者が初手にないと、デッキ判明後に親和が先手でブン回りを意識してキープした場合やはり間に合いづらいのかも知れない。

・青赤デルバー(7-2)

実はもの凄く有利というわけでもない。《リバー・ボア/River Boa》でのイージーウィンが無い分従来型よりもプレイの質――相手の手札状況を読んで最適ルートを辿れるか――が強く問われる。対戦していて非常に楽しい。

《象の導き/Elephant Guide》型は《散弾の射手/Scattershot Archer》が《空への斉射/Aerial Volley》へと入れ替えられがちな点をついて《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》がサイド後も残っているケースが多いようなので、《散弾の射手/Scattershot Archer》があると戦いやすい。単純に《象の導き/Elephant Guide》の前に除去を釣る意味でも有益。

・ボロス(5-3)

シラナ&+3/3パッケージが完成する確率が高まっており、基本的に有利である。従来型は明確に不利がつくことと比べると非常に相性が改善していると言っていい。《緑の防御円/Circle of Protection: Green》や《虹色の断片/Prismatic Strands》複数枚が無ければ負けることはそう無いだろう。ただしそれなりにドロー力が高く、結構来てしまうので《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》は用意するべき。《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》は疑問。

《軍旗の旗手/Standard Bearer》、《きらめく鷹/Glint Hawk》、《金切るときの声/Battle Screech》の3種類を睨むことが可能な点で、《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》がそれなりに有効だと考えられる。

対空枠のサイドボードは、除去を釣れる《散弾の射手/Scattershot Archer》と、特に《コーの空漁師/Kor Skyfisher》を焼ける《空への斉射/Aerial Volley》とで一長一短だが、地上クリーチャーを強化してもチャンプブロック及び《未達への旅/Journey to Nowhere》に悩まされることを考えると、シラナによる突破に注力するのが恐らく良いため、ボロスを強く意識するならば《空への斉射/Aerial Volley》の方がベターだろう。

・青単デルバー(4-0)

このデッキの特徴であるシラナと象の導きは、対青単では上手くセットで揃ってカウンターを掻い潜れない限り全く有効でないカードなので、従来型より明らかに相性は悪化している。ただしデッキのベースの相性自体は有利なままであるのが結果に幸いしているのかと。プレイを一つでも間違えると負ける可能性は高く、これもプレイしていて楽しい。《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》は極めて有効である。古典的な《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》の2~3枚サイドインは忘れずに。

・青黒アンコウコントロール(7-0)

シラナ&+3/3パッケージが強すぎるので相性はいい。メインは事故以外楽勝、サイド後はプロ緑2/2の存在により地上がビタ止まりする危険性が高くなるのでシラナへの依存度が上がり、こちらから有効なサイドボードは特に無いので多少負ける可能性が出てくるが有利なことは変わらない。

・ウィーゼロックス(5-2)

正直不利だと思うが勝ち越している。メイン先手となった4戦中、4戦全てを取りきれているのが大きいのではないだろうか。《象の導き/Elephant Guide》によるパワー+3はクリーチャーで殴るよりも1ターン早いので、1ターンを争う戦いでは大きな影響力を持つし、《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》を使って《象の導き/Elephant Guide》がついたクリーチャーをアンタップすればブロッカーとしてタフネス7程度なら用意することが可能になり、相手が《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》で削りきるのに必要なストームカウントが1枚増えるのも大きいのかも知れない。

・ディンローヴァトロン(3-4)
・ファミリアコンボ(1-2)
・エルフ(1-2)


ストンピィでは基本的に運良く先手で押しきれない限り勝ち目がない。従来型より少しだけ速度が早く、チャンプブロックされにくい所を強化できるため、理論上多少はマシなのが多少の勝ち星に繋がっていると思われる。マッチアップ全体として勝ち越せるわけはないのである程度は諦めも肝心。

・バーン(1-1)

負けた回は相手先手2T《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》からのパーフェクトハンド+G2でダブマリ&事故。勝った回はこちら先手ブン回り+後手で《灰の殉教者/Martyr of Ashes》でリセットされてから《象の導き/Elephant Guide》で立て直して勝ち。特にプレイに選択肢があったシーンは思いつかないので回った方が勝ち。

・呪禁(4-2)

理屈の上では、メインにおいて強化の量が多いため、「一瞬相手のサイズを上回る瞬間を作れる」可能性が高まっている。これにより従来型より多少分がよくなっていると考えられる。まぁそれでもメインは2-4だが。サイド後は《象の導き/Elephant Guide》はサイドアウトされるため特に従来型との差はない。《リバー・ボア/River Boa》よりはシラナの方が多分強いねという位。
《象の導き/Elephant Guide》型ストンピィ②《象の導き/Elephant Guide》である理由
《象の導き/Elephant Guide》型ストンピィ②《象の導き/Elephant Guide》である理由
■使いやすくなったオーラ

《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》が標準装備されて意識されるようになると何が起こるかというと、コントロール側が使う除去の裏目の発生だ。わかりやすいケースを提示しよう。

ボロス(あなた)対ストンピィで対戦していて、ストンピィ側が2/2を3体並べている。ボロスの手札にもボードにも頼れるブロッカーとなる2/3や2/4が居らず、放置していると早晩ライフが尽きる。幸い手札には火力があるので、これで1体除去しようとあなたは考えた。現在はあなたのターンで、ストンピィは展開のためタップアウトしている。除去に使えるのは1マナのみ。

ここで考えられるプレイは3通り。

1. 《怨恨/Rancor》を待ち、プレイされなかったら戦闘中に焼く
2. 《怨恨/Rancor》を待ち、プレイされなかったら戦闘後に焼く
3. ストンピィのタップアウト中に焼く

1. は言わずもがな巨大化系での盛大な裏目が発生しうるし、吼え群れで結局除去で軽減した分の2点よりも多い3点のダメージを追加される危険がある。

2. はかつて、特に青黒コンにおいて半分定跡であった手法で、巨大化系での本体ダメージまで喰らう最悪ケースは防げる。ただし、そもそも《怨恨/Rancor》を無防備にこちらのマナが空いている時にプレイしてくる可能性は低い*ことを考えると、《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》が増えた現状、「ただ単に2点ダメージを貰う上に、吼え群れのケアも出来ない」という選択になってしまう可能性がある。

所持しているかも分からない怨恨の牽制のためだけに払うには高い代償だ。《怨恨/Rancor》で増えるダメージは2なのだから、0マナ&カード消費無しで《怨恨/Rancor》をプレイさせているようなもの。

こう考えていくと、3. を選ぶ理由がそれなりにある。《怨恨/Rancor》の装着は許してしまうが、そもそも引いていないかも知れないし、手札の(あるなら)2枚目以降の火力やそのうち引くカードで対処すればいいだろう。

以上のように考えて3. を選択した上でターンを返した所、《象の導き/Elephant Guide》が装着されてそのままあなたは負けた。

この例では説明のため単純化したが、《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》の影響によりストンピィが単純に高速化しているため、いくつかのやり取りを経た後これに近い状態になることは割と起こる。

要するに、《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》ケアのために相手がタップアウトないしそれに近い状態でストンピィ側のマナがアクティブになる機会が増えたのだ。①で述べたように、ストンピィは本来的には巨大化系よりも恒久的な強化を使いたいので、着ける隙さえあるならオーラによる恒久的な強化は魅力的だ。

*ストンピィ側としてこの選択(怨恨をプレイせず攻撃)が許されるのも使者の恩恵と言える。必ずしもリスクを背負って《怨恨/Rancor》をつけずとも速度で押し切ってダメージが足りると見込めるケースが増えた。相手はいずれ已む無く除去を消費、あるいはメインフェイズでブロッカーを展開し、出来た隙に、という流れ。


■何故他のオーラではなく《象の導き/Elephant Guide》なのか?

まずは、Pauper環境での火力除去の範囲が理由だ。ボロスや親和の使う《感電破/Galvanic Blast》、赤を含む重コントロールが使う《炎の斬りつけ/Flame Slash》の存在により、タフネス4まではカード1枚で処理される可能性がそれなりに高いが、タフネス5以上を除去できるカードとなるとぐっと選択肢も、採用枚数も減る。布告を除き、入っているデッキでも2枚程度なのが普通。

また、親和が4/4を出してくることは多く、タフネス5のクリーチャーはマッチアップ相性を大きく左右する。

この2つとストンピィの基本サイズが2/2であることを合わせると、恒久的な修正としての+3/3は強いが、+2/2は非常に弱く、リスクを背負ってまで使う価値がない

ここで殆どのカードが採用候補から消え、残るのは《象の導き/Elephant Guide》《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》の2枚。修正値こそ同じであり、どちらも強力な効果を持つが、Pauperのストンピィで使う場合はその特性は大きく違う。


《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》の最大の特徴は、オーラのエンチャントに対応除去されようが、相討ちになろうが、カウンターされようが、クリーチャーの頭数さえ居れば重大な問題とはならないということだ。場のクリーチャーの数だけ4/4~5/5を生成できる。クリーチャーが死ぬたびにアドバンテージを失いつつも、生物の弾幕の分厚さで敵を圧倒するという戦い方に適している。

《象の導き/Elephant Guide》は装着時に対応されると何一つ残らない悲惨な状況になる。しかしそのタイミングさえ乗り越えてしまえば、残る脅威は追放系除去/バウンスのみだ。横のクリーチャーが次々に殺されていってついに強化したクリーチャーを布告で殺される厳しい展開となってさえ、3/3が出て殴り始める。全体除去、要は《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》にもある程度耐性がある点は重要。

筆者の考えとしては、使者以前では《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》の方が明らかに強かった。環境にはバウンスをメインの除去とする青単が跋扈していたのでこのカードのカウンターに非常に強い性質が活きたし、巨大化系で自分のクリーチャーを守るのが基本だったことから、一定ターンが過ぎても自軍のコントロールするクリーチャーの頭数は多いままでエンチャント先に困ることはなかった。また、中盤以降突破力に欠け、「もう熊も土地も要らないんだ、強化をくれ!」と祈るケースがそれなりに発生するデッキだったので、何度でも確実に強化をトップデッキさせてくれるこのカードのデッキとの噛み合いは非常に良かった。

使者以後のストンピィは
・自軍のクリーチャーが除去されたら死ぬに任せるのが普通になった
・そのため最終的にクリーチャーが全滅する危険性が増した
・代わりに展開速度がかなり上昇した
・初手付近以外で引いた《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》のマナの使い途に乏しい

という特性を持っている。これらの点と、エンチャントした先が死んでも3/3が出て一応アド損せず、かつ攻め手が続くという《象の導き/Elephant Guide》の特徴は綺麗に合致し、デッキパワーを高いものへと押し上げている。
《象の導き/Elephant Guide》型ストンピィ①そもそも何故オーラ?
《象の導き/Elephant Guide》型ストンピィ①そもそも何故オーラ?
《象の導き/Elephant Guide》型ストンピィ①そもそも何故オーラ?
一連の記事では、2017年11月初頭現在、何故《象の導き/Elephant Guide》を4枚積みしたストンピィが勢力を拡大しているのかについて述べる。

何項目かに分かれるので先に全体を三行で要約しておくと、

・ストンピィというデッキタイプの特性上、オーラでの恒久的強化が強いのは当然
・高いリスクを伴うので使いづらかったが、ストンピィの高速化の影響でかなり改善された
・現状のメタゲームにがっちりと嵌った上で地力が高いデッキなので勢力を伸ばした

となる。

この①では前史を整理する。

■継続的打撃力という観点

緑の速攻デッキであるストンピィと、赤の速攻デッキであるバーンとを分かつ最大の要素は、ライフゲインへの耐性だ。クリーチャーは火力と違い、毎ターン継続的にダメージを生み出すことに手札消費を要求しない。ライフを回復されても苦しくはなるが詰みはしない。

MTGの全時代を通しての緑の最強コモンと言って過言でない《怨恨/Rancor》が強い最大の理由は、1マナにして毎ターン2ダメージを追加する、しかも即効性がある砲台という圧倒的なダメージ効率の良さにある。これがいかに強いかはバーンが使う《貫かれた心臓の呪い/Curse of the Pierced Heart》が2マナで毎ターン1点であるのと比べれば一目瞭然。勿論、その代償として幾つかのデメリットがあるのだが。

■《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》以前における《巨大化/Giant Growth》系の役割

ストンピィのこの性質と本来対極的なのが《巨大化/Giant Growth》系*呪文だ。本体火力として使うと当然手札からなくなり、ハンドアドバンテージを失う。また、ストンピィは基本的に常に攻撃側に回っているデッキであるため、相手のクリーチャーにブロックされる機会が多い。そこで疑似除去として巨大化系を使うケースがしばしば発生するが、この使い方は

・対応除去されて目も当てられないことになるリスクがある
・無事に通った場合でも、純粋な除去呪文と違いクリーチャーの攻撃分のダメージを吸われてしまっているためリターンが微妙

という二点の都合でほんっっっっっとうに弱いので可能な限り避けたいものだった。したがって、巨大化系は攻撃時に使う呪文ではなく、もっぱら相手の除去へのカウンターとして使われるのが主だった。

*この記事で言う巨大化系とは、ターンエンド時に消滅する修正や能力を与えるカード群を指す。要するに《巨森の蔦/Vines of Vastwood》は含むが《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》は含まない。

■攻撃力の不足

《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》以前のストンピィは、デッキ中20枚がマナ関連(土地+レインジャー)、8枚は最低入る巨大化系は基本的に防御用、残りは22枚程の2/2前後の攻撃用クリーチャー、4枚の怨恨、4枚フリースロット。こういうスロットの割り方をしていた。

この数字を見ると、攻撃力が実は不足気味ということが分かる。《怨恨/Rancor》を引けなかった時の突破力の不足は明らかだった。このため、使者以前のストンピィはタフネス3以上のブロッカー、特に2/3以上で2/2が討ち取られてしまうブロッカーの突破に難渋していた。

ストンピィ側から見て手強いクリーチャーの具体例は、《尖塔のゴーレム/Spire Golem》、《コーの空漁師/Kor Skyfisher》、《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》、親和の4/4クリーチャー群+エイトグなどなど。星になって消え去った《流浪のドレイク/Peregrine Drake》の強い要素として、昔のクリーチャーの癖に何故かタフ3あった点は決して小さくなかった。


■恒久的修正を求めて――《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》

この攻撃力不足を補うために強化が必要で、しかし巨大化系は攻撃に使うと弱い。であれば場に残る強化だ。その点、上手く嵌まれば圧倒的マナ効率を誇る《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》は期待株だった。

このカードは使者以前から一部の人はメイン4枚当然でしょという顔でプレイしていたが、本格的に標準装備となったのは使者以後だ。

詳しくはこの記事を。


【Pauper】MM3後の緑単ストンピィの変化について
http://suzukuma1954.diarynote.jp/201704170108362690/


補足すると、このカードがもたらす恒久的+3/+3修正は単なる2/2に使ってさえアンコウ相当のフィニッシャーとなり、ストンピィが有する回避(&除去耐性)持ちに使えば必勝と言っていいものだった。

では何故使者以前ではせいぜい添え物程度の枚数(1~2枚)しか使われていないリストが多かったのかというと、このカードが有効に機能するためには、《巣の侵略者/Nest Invader》のトークンを除き、

・相手が除去を打ちたいレベル(最低2/2)のクリーチャーが出る
・更にそれが死んだ場合でも殴り役になれるクリーチャーが横にいる
・自分が1マナ構えている
・対応除去あるいはカウンターをされない

の全てを満たす必要がある。見て分かるがハードルとして相当高い。最初の項はブロッカーとの相討ちでもいいが、その場合最後の項を満たすのがやや難しい。

《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》のマナ加速つき2/2という性能はこの条件成立を大きく楽にしてくれたため、効果の大きな《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》は標準装備として受け入れられたと言える。
対戦数が少ないのであまりアテにはならないが、一応サンプルとしてデータを。

メインが先手4-2, 後手4-2の8-4。サイド後が先手4-5, 後手4-6の8-11。
マッチ全体としては6-6の五分。

ただし詳細は後述*するが不利なデッキと考えていい。

メイン勝率は見た通り悪くない。ムラーサトロンと異なり、相手は《幽霊のゆらめき/Ghostly Flicker》によるクリーチャー使い回し戦略への依存度が高い=除去が必ずしも無駄牌とはならないことが理由の2割位を占めると思われる。残り8割はデルバーが除去されないこと。

さて、完全な無駄カードではないにせよ、引いてそこまで嬉しくはない除去が減ってカウンターである《紅蓮破/Pyroblast》が入った、よしサイド後はこちらのものだ、と行きたいがそうはならない。

このマッチのサイド後を難しくするのが、即死カードである《青の防御円/Circle of Protection: Blue》だ。

これが出た瞬間勝ち目は非常に薄くなるので、それより前に勝つために強引にでも展開せざるを得ず、結果、序盤数ターン全力でクロック展開する青赤側VS全力でマナブーストするディンローヴァ側、みたいな展開になる。そして結構負ける。

だからといって展開を控えてマナを残したらそれはそれでライフを詰められずにいずれ防御円が出るなり、大量マナを背景にしたアドバンテージで圧死させられるのを待つだけ。上手いことデルバーがさっさとひっくり返れば構えつつ削ることもできるが。《渦まく知識/Brainstorm》が初手付近にデルバーとセットであれば迷わずひっくり返すために使うべき。


基本的なサイドボード:

-1 《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
-2 《稲妻/Lightning Bolt》
+3 《紅蓮破/Pyroblast》

相手は基本的にクリーチャーを除去して来ないので、クロックとしては相当遅い上、デッキ内にクリーチャーが多いままでヒット率が良くはないボーラスの占い師は減らして良い。まぁ忍者の変身元としては優秀なので完全に抜いてしまう必要もないけれど。

また、経験上、
・《青の防御円/Circle of Protection: Blue》を出されたが忍者を駆使する等でどうにかライフを詰めて稲妻でフィニッシュ

・稲妻を雪崩しより優先したせいでタフ4勢を除去できず制圧されて負ける

この2つを比較すると後者の方が発生率が高い印象なので《雪崩し/Skred》を優先して残している。《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》の存在もあり、青円下でライフを稲妻圏内に落とすのはかなり困難だ。

*冒頭に挙げたデータの中には、サイドに対ディンローヴァ専用カードを採り、それが活躍して青円を貼られた上でも勝ったマッチが含まれている。

https://www.mtggoldfish.com/deck/803589#paper

そのマッチでは2-0で勝ったので、これが不採用の場合の仮定では勝敗は5.5-6.5となる。
正直戦いにくいデッキだと思っているので、こういうのがいいんじゃないのという意見は是非聞きたい。

このデッキはコントロール系トロンであり、「除去で凌いでドローを重ねてたらそのうち勝手に揃うだろ」という形になっている。トロンをサーチする系統のカードはあまり採用されていないのが普通。入っていても2、そもそも入れていない人も多い。5ターン目以前に《熟考漂い/Mulldrifter》が来てカウンターできずゲームセットとなる心配は然程しなくて良いと思われる。

サンプルデータとして、僕のムラーサトロンとの対戦成績を。

メイン:先手時1-4, 後手時2-4、合計3-8 で勝率27%
サイド:先手時8-4, 後手時4-3、合計12-7で勝率63%。
マッチ全体としては5-6で負け越し。

改めて集計するとメイン勝率の凄まじい悪さが明らかになり衝撃を受けた。サイドの勝率は
・そもそもサイドプランが固まっていない
・サイドの構成を時々弄っている
という二点によりあまりアテにならないが、メインの構成はほぼ変えていないのでそれなりに信憑性はある。

この数字から分かることは、メインのビートプランを継続すべきではないということだ。ただでさえ勝率が悪いのに、ムラーサトロンは軽量除去にもなる《紅蓮破/Pyroblast》をサイドに3-4枚取るのが普通なのだから同じことをやっていて良くなるはずもない。


さて、理屈で考えていくと、

1. 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》は、相手には1マナ除去が豊富なためドローがしづらく、かつ《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》にあまり補助が必要ではないので、《電謀/Electrickery》で一掃されたり、たまに《鋸刃の矢/Serrated Arrows》が出てきたりする都合上残すべきではない。

2. 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》は扱いが難しい。入れておくと1枚除去を釣れるのは大きい感もするが、これで削りきるというのはかなり困難。そこまで期待はしない方がいい。

一応の結論としては、

-4 《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
-4 《雪崩し/Skred》
-1 《稲妻/Lightning Bolt》

+3 《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》
+3 《水流破/Hydroblast》
+3 《紅蓮破/Pyroblast》

忍者の攻撃が通ることが何より重要なので、特に後手時はデルバーを4枚ではなく3枚位にしておいて除去を抜きすぎないようにするのも一考には値する。先手時はデルバーをたまたま固め引いたら削りきれるかも&相手クリーチャーをカウンターする余裕があるのでこれで良いと思う。
末尾に11/5追記*あり
サンプルレシピ:
https://www.mtggoldfish.com/deck/739076#online

Pauperスレを見たら赤黒コンについて書いてくれとあったので。リーグでは滅多に見ないがトナプラには居るんだろうか。

記録を見るに、リーグで過去3回当たったことがあり全勝している。メイン3-0, サイド後5-2。負けたのはアンコウが即出てきて除去できなかったゲームだったような……?

実行していたサイド:

+3《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》←最重要
+3《水流破/Hydroblast》
+3《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》

-4《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
-4《フェアリーの悪党/Faerie Miscreant》
-1 なんか適当、とりあえず《稲妻/Lightning Bolt》ってことで

砂嵐は多分あるだけ入れていいので、3枚取ってるなら代わりに適当に何かを抜けばいいんじゃないかと。稲妻かな?

対戦回数が少ないので経験的にこれが良いと断言することは出来ないが、以下は背景の理屈として。赤黒コンは採用カードの都合上、サイドをどう弄ろうとも中速ボードコントロール以外にはなれない。そしてサイド後は除去が増える。

これに対抗するにあたり、自分が「中速ちょっと手前位のアグロ」であるべきか、それとも「中~低速位のちょっとクリーチャー多めのパーミッション」であるべきかなら、後者である。

この理屈は、青赤対ボロス(統治者含め)で明確に有効だと感じているものであり、青単デルバー対カルドーサボロスでも恐らく有効だったものでもある。今は青単は殴る側の方がいい気がするが。

青単対カルドーサの頃の記録:少なくともメインのアグロ路線を継続するよりは100倍マシだと感じた。体感的にメイン勝率3割位、サイド後勝率6割位(当時)。
http://85160.diarynote.jp/201612171833026729/


目論見としては、相手が除去満載なら除去が手札で腐るように仕向けてロングゲームを志向し、クリーチャーを並べて来たらまとめて吹き飛ばし、相手より多いドローで最終的に勝つというもの。それに、相手は除去が手札に一杯なのだから、それらをなかなか使わせないことでアンコウの早期プレイを防ぐというのもこの種のサイド案を実行するべき理由になるだろうか。

書いていて思い出したが、アンコウが出てきて砂嵐で吹き飛ばそう、と思った次の瞬間何気なく《ボジューカの沼/Bojuka Bog》を出されて墓地が吹き飛び、再度墓地を貯めても6枚が限界で負けたゲームはあった。

もしサイドインが《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》じゃなく他のカードなら勝ってたかと言われるとそんなわけもないのでそういう裏目は発生しうるということだけ記憶しておけばいいかと思われる。

*書いたら実際にリーグで当たったが、問題なく勝ったのでこれでいいと考える。相手は上記のリストの本人だったので、相手がプレイを間違えた可能性も薄いだろうし。ただし、このサイドプランではG2G3は超ロングゲームを目指しているので、プレイングをG1から早くしておかないと時間が尽きる危険あり。

また、G2では相手が意識的にクリーチャーを1体のみ場に出すようにプレイ(=砂嵐での一掃回避を意識)していると感じた。

ただ、
・《甲虫背の酋長/Beetleback Chief》に後出しでも1:1が取れる点は貴重

・相手はサイド後クリーチャーを減らしほぼ「除去だけコン」と化しているので、こちらの地上クリーチャーが巻き込みを躊躇する程並ぶことはまずない

・アンコウに雪崩しをあわせられるとは限らない

等、一掃目的以外でもそれなりに砂嵐を稲妻よりも優先すべき理由はある。
久しぶりに戦ってふと思い出したのでまた忘れてしまわないうちに。


ストンピィに勝つ!!!! 青赤パズルはどうですか?

http://mtgsugarless.hatenablog.com/entry/2017/04/26/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%94%E3%82%A3%E3%81%AB%E5%8B%9D%E3%81%A4%21%21%21%21_%E9%9D%92%E8%B5%A4%E3%83%91%E3%82%BA%E3%83%AB%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B%EF%BC%9F


こうした紹介のおかげか、実績の割に案外知名度のあるデッキであるようだし紹介しておくことに多少の意味はあるだろう。

初出はこれ。製作者はmlovboさん。
https://www.mtggoldfish.com/deck/533387#online

当時の最終型がこれ。非常に重要な変化なので是非こちらのリストも見て欲しい。
https://www.mtggoldfish.com/deck/551549#online

さて、このデッキがノンクリーチャーなのには明確な理由がある。当時のメタゲーム状況から僕が推測する分にはだが。というのも、2016年夏以降のPauperリーグのメタゲームは、

青赤ドレイク VS 他の雑多なデッキ(主に高速なアグロデッキ)

ドレイクが禁止で消滅

ドレイク環境の名残でアグロが多数を占める環境となる

そこをメタったアグロカルドーサが覇権を握る

カルドーサを食い物にするため生まれた2つの新デッキ、青黒ネズミと青赤コントロールが興隆

という流れで展開していた。この時点で2016年末。


参考:
青黒ネズミ(青黒フリッカー)
https://www.mtggoldfish.com/deck/521412#online

リーグの結果から観測する分にはこのアーキタイプはこの人が祖。

青赤コントロール
https://www.mtggoldfish.com/deck/539939#online
*メインから《本質の散乱/Essence Scatter》を2枚採用している



ここで起こったのが、2つ(カルドーサも含めると3つ)のデッキに共通する、「重めだがcipでアドバンテージを獲得するクリーチャーを持つ」という特徴を意識して、《霊魂放逐/Remove Soul》系のカウンターの採用が増えるという変化だ。

そこへ殴り込みをかけたのがこのデッキで、

・青くて遅めのデッキなら必須採用だった《熟考漂い/Mulldrifter》を不採用
・フィニッシャーには当初《オジュタイの召喚/Ojutai’s Summons》、後に《双角の連続襲撃/Flurry of Horns》を採用

という、クリーチャーを中心に回るPauper界では革新的な構造で《霊魂放逐/Remove Soul》系を腐らせていた。

それでいて、自身が潤沢に《除外/Exclude》を使うことで、ソーサリータイミングのcipクリーチャーによるアドバンテージ獲得を許さないという方向性を持っているのは当時の最終型のリストが雄弁に語っている通り。

青赤パズルは元々、cipクリーチャーに偏った環境を制するために作られたコントロールメタのコントロールだったと言っていいだろう。





Q. ところで今使うならどういう形に?

A. 正直2017年10月末現在では《除外/Exclude》や《霊魂放逐/Remove Soul》が大量積みされていることはまずないので、ノンクリにする必要が全くない。《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》の存在もあるし、《熟考漂い/Mulldrifter》の場に2/2飛行を出しつつ2ドローという頭おかしい性能を捨てる程の魅力が今《パズルの欠片/Pieces of the Puzzle》にあるかというとそうでもないだろう。コントロールなのに赤の防御円で即詰みする致命的な構造からも脱却できるし、素直に青いアドバンテージクリーチャー達を採用していい。

ただし、《除外/Exclude》大量積みという方向はそれなりに有望だと見ている。統治者型になったボロスはクリーチャーのカウンターによる対処が今までよりも更に重要になったし、そのボロスをマナベースで押しつぶす多色トロンはやはりcipクリーチャーに激しく依存している。それらを狩る方向性としてパーミ系のコントロールは悪くないと思う。

ただ一つ残る問題は、その方向性は青黒でやるべきことだということだ。理由は別の話になるのでまた別項で。
一度参加したいと常々思っていたので、時間が取れた10/23に前日昼寝をした上で参加してみた。73名参加のスイス7R+8名での決勝シングルエリミネーション。6Rで終わるものだと完全に思い込んでいたので、7R目が始まった時点で大変驚いた。

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-challenge-2017-10-23
https://www.mtggoldfish.com/tournament/pauper-challenge-10942638#paper

金魚の方はプレイヤー名を「pilot」と表記してくれていて少し嬉しい。

結果としては予選6-1でシングルエリミネーションに進出するも、初戦で切られて敗退、ベスト8止まり。負けた2つはともにボロスで実に悔しい。

当たった相手は、

R1:(見た範囲では)青赤黒トロン
https://www.mtggoldfish.com/deck/795479#paper
恐らくこれのコピーもしくは多少のアレンジ程度。

R2:黒コン(昔からある信心型)

R3:ボロス(シングルエリミにも進出したmlovboさん、この人は予選ラウンド6-0からの最後6-1なのでトップだった)
https://www.mtggoldfish.com/deck/803587#paper

ここで一つ負け。G1で最近《電謀/Electrickery》はメインに無いからとケアを怠って壊滅して負け、G2は《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》で負け。今後標準搭載されるなら極めて厳しいサイドカードだと感じる。


R4:青赤パズル

G1で、ブロック指定後停止するのチェックが外れていて、折角前ターンにカウンター合戦でタップアウトさせたにも関わらず忍術し損ねる痛恨のミス。G2,G3は取ったものの際どい勝利になってしまった。

R5:ボロス
ボロスキティ相手は、サイド後も含めるとカルドーサ時代なら60-40、統治者型が主になってやや苦しくなった現在でも55-45位には青赤側が有利だという認識。

R6:青単デルバー
https://www.mtggoldfish.com/deck/803604#paper

G1はダイスロールで勝った上でスプライトが2枚手札に居たので勝ち。G2では以前書いたサイドを実行し、忍者抜きのメリットで序盤の防戦は安定。ただし中盤優位に立った所から勝ち切る点には少し課題を感じたので、やはり全抜きは良くないかな?とも思う。

元々、お互いが土地とクリーチャーをずらずらと並べた上で盛大にマナフラッドするようなゲームになると青単の方が少しだけ有利(カウンターの枚数、ゴーレムの存在、《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》の存在)な気がするので、忍者2程度は後手でも欲しいかも。このマッチではゴーレムの対処に成功し、最後のライフをデルバーと一緒に殴って削りきり。

R7:青黒フリッカー
いつの間にか全く入賞しないデッキになっているが、青赤デルバー的にはあまり当たりたくはない相手。G1はたまたま対抗呪文を3枚引いた所相手の《熟考漂い/Mulldrifter》連打と噛み合って勝ち。G2は《水流破/Hydroblast》+《払拭/Dispel》でテンポ良く神官を守られて忍者の攻撃を通せずに負け。G3は飛行で殴りきり。ラストターンに《見栄え損ない/Disfigure》を喰らうリスクこそあったが、《死の重み/Dead Weight》を既に見ていたので採用枚数は多くないと見て、1マナオープンの相手にスプライトを素出し×2で飛行2点を追加して勝ち。

実際採用数は1枚のみだったようだ。
https://www.mtggoldfish.com/deck/803591#paper


準々決勝:ボロス
https://www.mtggoldfish.com/deck/803586#paper
G1で長引いた上で負け。G2で統治者を崩せず、「無理に統治者を奪っても相手ライフを削りきる前に自ライブラリが尽きる可能性高」という状況に。しょうがないのでライブラリアウトを狙うが、G3で時間内に勝たないといけないプレッシャーに追われてミスして負け。状況が既に厳しいのでミスがなくとも負けていた可能性も高いが、寿命が縮んだのは間違いない。

AM2時開始、準々決勝終了時点で9時。長丁場で疲れた。

当たり運はまぁ悪くない部類だったのだろう。ストンピィや親和の類も出場は当然していたようだが、大量に居るボロスが序盤でそれらを喰ってくれた結果、オポ上位にはそれらが来なかったようだ。

上位リストの中では、mlovboさんのリストが最もPauper Challengeに合わせて洗練されたものと感じた。《赤の防御円/Circle of Protection: Red》を切っている分バーンには弱いが、そもそもわざわざ25チケを費やした上でバーンを回す単調な6時間を過ごしたい人はそう多くはないだろう。リーグで活きる回転が早い利点が完全に死ぬし。

このリストは、メインの《電謀/Electrickery》、サイドの《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》により、ミラーを強く意識していることが伺える。まぁ準決勝でミラーで負けてるんだけども。

前回Challengeでの優勝といい、今回の入賞数といい、ボロスがメタゲーム的に良いポジションに居るのは確かなようだ。ボロスのミラーマッチを意識して、今後のボロスで《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》のサイド採用が増えていくならば、青赤デルバー側不利に傾いていくため、何かしらの対抗策が必要となると思われる。

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