プレイで悩んだ場面の記録用。


対ANTG2後手。自分はURデルバー。

初手は島、デルバー2, Daze,FoW, ギタ調、パイロブラスト。
秒でキープ、とりあえずデルバースタート。T1のドローはブレスト。

相手の初動は島から思案、シャッフル。


疑問1:相手の先手T2の行動は土地を置く前に定業。これはDazeするのか否か。

実戦ではFoWあるしコンボ開始時に迎え撃つ方がいいのかなとスルーした。トップトップで1ドロー。フェッチセット、ギタ調で積んだカードを回収、更にフェッチ前にもう1回ギタ調。フェッチ前に2回目ってことは土地がもう1枚欲しいっぽいのかな?

疑問2:何事もなく後手2Tのアップキープを迎えた時、ブレストを使うべきか否か。

使ったほうがいいかも知れない理由:デルバー2枚目をFoWの餌にするのでいいなら、ナチュラルドローが土地でない場合はT2メインにブレストは使う。ならば1枚見られる枚数が減るがANT相手だしアップキープに使って確実に変身させ、早いクロックをかけるべきではないか。

使わない方がいいかも知れない理由:デルバー2体目も出せば、早ければ後手4Tに削りきれる。1枚で即変身の場合は後手5~6T目位。

ならば2T目に使える青マナはデルバーを出すことに使い、土地や変身は自然に任せる方がいいのではないか。ブレストを使うとしても、カードの性質上3枚引いて土地がなかった場合はかなり辛いので、当然1枚多く見られるメインの方がいい。

実戦ではこの場面は訪れなかった。もし訪れていたらうーん。とりあえずデルバー2体目を出す方がいい気がする。

疑問3:そんなことを考えていたら、アンシーフェッチから残りマナなしで儀式を使ってきた。これはDazeで打ち消すべきなのか。

打ち消さなかった時、ハンデスでFoWを抜かれて儀式連打から1マナ浮いたまま悠々とコンボスタートされるのが最悪パターン。打ち消した時はとりあえず1ターンの安全が買えて、次にブレストで何かを探しに行ける。実戦では存在を知られたのなら、とDazeを使った。

この後は、都合よくFoW2枚目がトップから降ってきてデルバーが変身。喜んでデルバー2体目を出し、強迫でブレストを抜かれ、4Tに儀式→LED3連打からストーム4の触手を撃たれるなどがあったがデルバー達が迅速に殴りきった。結果を見るなら使って正解っぽいのかな。
DN界でなんちゃらからレガシーを~が流行ってるみたいなので折角だからと。

と言いつつも、正直全然オススメできる選択肢ではないので、クロパが好きな方でもとりあえず青単を使ってください。

青単はマナベースでストレスを抱えることがなく、やることに一貫性があり、何をされるとまずいのかが明確で、デッキ相性での有利不利がある程度はっきりはしてしまうものの十分に強力なデッキです。MOだとDazeがちょっと高いですが、一応なくてもなんとかならなくはないですし、氷雪土地という汎用性皆無のパーツにチケを費やすことになる青赤氷雪よりも損した感は少ないはずです。

青単でPauper環境に存在する各種デッキの強みと弱みに慣れ、自分の使うカードの特性を把握した上で青赤氷雪に移行すれば、氷雪のG1におけるメインプランであるDelver-Go戦略の運用は予習済みなので問題なく使えますし、その他のプランを選択すべき状況が見えやすくなります。

氷雪はマナベースを凄まじく弱体化させて、必然的に速度を落とすことと引き換えに対応力を増し、プランを相手次第で選べるようにしたデッキなので、実質的にはテンポデッキの殻を被ったコントロールデッキです。マッチごとに何をすべきかを把握していないと、極めて不出来なテンポデッキとしか感じられないでしょう。

これはMTG自体への習熟度が高く、他環境で極めて優秀な成績を残せるプレイヤーでも例外ではないと思います。

サンプル:
A Pauper Adventure by Pascal Maynard
https://www.massdrop.com/talk/3508/a-pauper-adventure?utm_source=linkshare&referer=undefined

>I was seriously disappointed by the manabase here, you lose lots of tempo by not being able to cast Counterspell or Lightning Bolt on curve and by lacking the mana to chain cantrips.
(リストを使ってくれたのは嬉しいです、結論はともかく)


このブログで紹介している、サイド後に大きく速度を変えたりするプランは、何度かメインそのままの構成でサイド後も対戦してみて、相手の何がきついのか、どこを意識しながらプレイするといいのかを把握していないとあまり役に立ちません。

結論として改めて述べると、青単で環境と自分のカードに慣れてから青赤氷雪を使うべきです。更に言うなら、青単の前にワンクッション、ストンピィを経由しておくのがいいです。Pauperは他構築環境と違い、デッキが安いので乗り換えが非常に簡単です。その点を活かさない手はないと思います。

------以下は体験談------

Pauperリーグ実装を受け、僕が本格的にPauperを始めようと思った時に最初に手に取ったのは青黒デルバーでした。「このデッキだけ明らかに使ってるカードがレガシー級で超強そうじゃん!」という理由での選択でしたが、見事に負け散らかし、減りゆくチケットに凹みました。

ゴブリンに当たるたびに負けていたので、当時のメタにあっていなかったのも原因の一つでしょうが、僕自身の腕、具体的には環境の理解が全然足りていなかったのが最大の問題だったと思います。そしてクロックパーミというアーキタイプはそういうプレイヤーが使うと無限にミスを連打し、勝ちは夢物語になってしまいます。

そこで方針を転換し、まずは自分のやることが明確なアグロ、ストンピィを選択。さらに、自分のプレイミスが発生しうる局面を減らすことと、入ってないのに警戒してもらえるのが一番効率いいという八十岡プロ理論を意識し、当時標準採用だったジャイグロ系を減らして、代わりに扱いが明確な《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》を大量投入しました。

この調整が青単とストンピィが2トップだった当時のメタに非常に良く適合していたのもあり、勝てる→勝って得たPPでリーグをはしご→やってるうちに環境の理解が進む→他のデッキを使っても勝てる、と好循環を形成して今に至ります。

「環境の理解」と「自デッキの理解」が足りていない状態で、マナベースに不安を抱え、発生する選択肢の量が膨大な青赤氷雪を使ってしまうと、程度の差こそあれ、これと似たようなことが多分起こります。

この話は別段氷雪に限らず、オリジナルデッキでPauperをやろうという人にも応用可能です。まずそれなりに実績があり、やることが分かりやすいデッキで環境に慣れておかないと、いざ自作デッキで挑んで負けた時に、デッキに問題があるのか、自分の腕に問題があるのかの区別が付きません。

ストンピィは、《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》以後はプレイで悩む必要性がかなり減っていますが、それでもかつての対話デッキの残滓はあります。程々に悩み、ぶっぱでも結構勝てる、そしてされると嫌な相手の動きが明確で、かつその知識に応用が効きやすいという環境把握の練習用には極めて良いバランスのデッキだと思います。

第2.5回原稿その1

2018年4月24日 動画
【青赤氷雪デルバー】雪ん子テトさんとゆかりさん2【Pauper】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm33002518


動画の第2回で予告しておいたプレイ検討編です。ひたすら喋り続けるだけなので特に動画にするメリットなくない?と気づいてしまったので省エネでこちらに。

ゆかり

さて、前回チェックしておいたのは3つのポイントでしたね。

5ターン目、電謀で流された返しに何をするかがポイント1。
6ターン目、思案でクリーチャー3枚が見つかった後どうするかがポイント2。
相手の7ターン目、悪党に未達を使われた時がポイント3。

テト
まずはポイント1について。ただ、これ実際どうするのが良かったのかってのがいまひとつわかんないんだよね。いくつか案を上げて、それぞれのメリットとデメリットを提示していくね。

A案は、実戦でやった、島サーチ+スプライトの2枚構え。

これのメリットはなんと言っても相手が1マナスペルを使ってくれれば確実にアドが取れるし、ほぼカウンターもできる所。

ゆかり

鷹→スプライト→火力→スプライト、と進むと、もう1枚火力を使って2枚目のスプライトが焼かれたとしても、最初の鷹と火力1枚目はいずれもカウンターされますからね。対抗するには火力をさらに1枚使って合計3枚使うか、電謀で薙ぎ払うか、紅蓮破で2枚目のスプライトが場に出る前にカウンターするかですが、後ろの2つは電謀を使用済みのメイン戦では不可能です。火力3連打プランは、結局1枚目の火力を完全に無駄にさせているので、鷹は通りますがアドバンテージは確実に取れています。

テト

デメリットは、相手が1マナスペルを使わなかったら構えたマナを丸損して1ターンを無駄にする所。

ゆかり

実際そうなってしまったのは敗因として無視はできない割合を占めていそうですね。


テト
次にB案、やせ地で島サーチからの定業。

これのメリットはまぁ分かりやすいことだね。定業でドローが見つかったら繋げていけばいいし。デメリットは、相手が火力を持っていそうな現状でスプライトを1枚だけ構える意味は薄いから、定業でマナを有効活用できる何かが見つからないとやっぱりマナが無駄になるってことかな。それと、1枚目が焼かれてるんで、占い師2枚目が見つかった場合はできればスプライトを構えて出したいからこのターンには使いづらい。つまり定業で引いて嬉しいものが実は結構狭い。



最後にC案。まず定業から入って、ドローの結果次第でやせ地の島サーチで3マナか、通常プレイで4マナかを選ぶってプラン。

ゆかり
メリットはこのターンの定業とスプライト構えを両立できること。デメリットは、まず見つかったもの次第では、定業で不要カードをボトムに送った後にやせ地でシャッフルする非合理的なプレイになること。もう一つのデメリットは、やせ地通常プレイで4マナ立ててゴーは、流石に怪しすぎるのでスプライトを最低1枚+何かを構えてますよってのがはっきり分かるところですね。

スプライト2枚か、スプライト+対抗呪文か。どちらにせよ1マナカードを持ってても使っては来なさそうです。結局、構えるマナが無駄になる可能性は最初のプランより高そうに思えますね。

整理してみるとどれも一長一短ありますね……実戦で最初のプランを選んだ決め手ってありますか?

テト
割と追い込まれてるから逆転を狙ってリターンが一番大きいやつを選んだ。

ゆかり
ああ、一か八かって感じですか。大抵裏目に出ますよねそういうの。

テト
うぐぅ。

ゆかり
とまぁ、何が正解だったのかは正直よく分かりません。

強いて今何かを選ぶならば、最初のプランで負けていますし、相手は検査官を2枚、鷹を1枚既に使っていますから、メインでの1マナアクションを取る確率は低いと見て、スプライトを構えるのを諦める2番目のプランを選ぶべきだったかな、という感じです。ただまぁこれはこれで手札の2枚のスプライトが死に札になっているので、そんな状態で本当に逆転できるのか?と問われたら疑問ではあります。

ゆかり

次のポイント2は、忍者はボトムに送るべきって話ですかね。自分が死にそうならば攻めるカードの忍者の価値は低い、という。

テト
ただねぇ、二枚目の忍者って普段のボロス相手ではもの凄く嬉しいんだよ。体感かなり勝率が上がる。

そもそも悪党を薙ぎ払われちゃってる現状、もう相手のハンドが濃かったら勝ち目薄いし諦めて、実はハンドが微妙だった時に勝てる行動を取るべきって説も一応考えられなくはない。実戦ではここまで考えてなくて、普段の感覚で上に残しちゃっただけだからミスなんだけどね。そもそも~の所まで考えたのならばOK。


ゆかり

忍者をボトムに送り、占い師のヒット率を上げた上でタップアウトで出す選択も一応ありましたが、占い師をできれば守りたかったので、という話はポイント1のBと同じです。占い師が2枚目も即焼かれてしまうと検査官を止める術がいよいよ乏しくなってしまいますから。

ゆかり

ポイント3は未達にスプライトを使わなかった判断の是非。

テト
火力持ってたら焼かれるだけで、実際ほぼ持ってたわけだけど、結局ボク本人が焼け死んだよね。なら1%火力がなくてカウンターできることを祈る方が、勝ちを目指すプレイとしては正しかったのかも?って。

ゆかり
まぁ実戦ではほぼ持ってましたからどちらでも負けですけどね。ただ、これでスプライトは無いと相手が判断してタップアウトで歩哨が出てきましたから、結果的にはこの判断で微かに勝機が増えたとも言えるのでは?

テト
結果論な気もするけど、実際コンマ単位では逆転の目が出た気がしないでもないし、例によって逆転のための勝負手って意味ではスプライト温存が明確に勝るプレイだったと言えなくもないのかな?うーん、これも対戦中はとてもここまで考えられてなかったなぁ。これ絶対焼かれるから出せないよってだけ。

ゆかり

ゲームの最中は、検査官連打スタートだし、電謀まで引いてるし、相手ブン回り過ぎなんだけど位にしか思っていませんでしたが、探してみればプレイを考えるべきポイントはありましたね。

第2.5回原稿その2

2018年4月24日 動画
第2回冒頭(つまり第1回の終わりの)《虹色の断片/Prismatic Strands》をめぐるあれこれです。

ゆかり

あ、前回の補足というかコメント返しみたいな感じですが、相手が敢えて統治者を奪還せず防戦に徹する選択が本当にあり得るかどうかについて。9ラウンドかけてやってきた決勝で、メインで負けていて、墓地にときの声があり、通って殴れれば統治者を奪還できる状況でFBせず、32枚もあるライブラリが尽きるのを待つという選択をする人はまず居ないと思います。普段のゲームなら、こういう選択も一つの実験として試すこともあるかも知れませんけれど。テトさんに、実際やるかって~と補足して貰ったのもそうした理由ですので、無意識に消していたというのもきっとそうでしょう。

ただ、過去に多少似た状況がありまして、10月に参加したPauper Challengeのシングルエリミネーション1回戦。ここでボロスに当たって、メインで長引いて負け。サイド後、消耗戦の末に宮殿の歩哨が通ってしまい、かなり頑張ってライブラリを掘って除去にたどり着いて、総攻撃すれば統治者を奪える状況になりました。ただし、その代償としてライブラリは薄くなってしまい、こちらの攻め手がそれまでの過程で消耗していることも合わせると、統治者を奪って2ドローし始めると、相手のライフを削り切るまでにこちらがライブラリアウト負けするという予測が立ちました。ここで私は悩んだ末、統治者は奪わず、ドロー呪文でカウンターをかき集め、相手のライブラリアウトを待つという選択をしました。結果としては相手ライブラリ残り2まで粘ったものの敗北、そこで敗退となりました。

詳細はリプレイが既に消えているので見返せませんが、G1,G2ともに長引いて時間が押していて、しかも自分はG3で勝たねばならないというプレッシャーに追われて、粘る途中でミスをしたような苦い記憶が残っています。統治者を奪わないという選択が正しかったかは負けた翌日真っ先に検証したので、ライブラリーが尽きてしまうという判断自体は確かなんだろうと思います。結果も踏まえて今ぼんやり考えると、とりあえず攻撃しておいて追加ドローを稼ぎ、相手がこちらのライブラリアウトの可能性に気づかず統治者を奪還してくれることを祈るのが唯一の勝機だったのかなぁとも。

勿論、その時とこのケースではライブラリーの残り枚数も、攻めに回って統治者を奪える可能性の見た目上の高さも違うでしょう。なのでこれ自体は全然応用の効かない話です。ただ、自分が過去にしたプレイを完全に忘れてしまっていて、気づいていない所でリスクが実は増えているのに、素直で、裏目のないプランよりもひねったプランに飛びついてしまったのは良くなかったな、と。より詳細にするとこういう感じです。

前回紹介したのは、この「良くなかった」部分とその理由は他の場面でも応用が効く話だと思ったからです。
mw

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