https://ch.nicovideo.jp/Iridescent_Null/blomaga/ar1704599

ある敗北者のMTG考
「このゴミは、人を殺すよ」 〜レガシーURニヴメイガス録〜 その1、前提と出逢い



青赤ニヴメイガスの話を読んで、昔このカードを青赤以外の色で使いたいと考えていたのを思いだしたのでいじってみることに。前置きとして、この記事でのスペルという語はinstant/sorceryのみを指し、enchant/artifactは置物と表現することとする。ルール用語と被らないでins/sorだけ上手く表せる略語ってないんだろうか。

さて、このカードは基本的に不要なスペルを食べさせれば大きくなるという設計になっている。実際に色の話に進む前に、まずはカードの能力と相性が良い要素を考えていくと、

フラスター:たまに大量パンプ
デイズ:持っていれば相手が何マナ出ようが稲妻を回避できるし腐りやすいので変換できることが嬉しい
本体火力ではない除去:除去対象が居なければ役に立たないが打点へと変換可能
ハンデス:中盤以降腐りがちだが変換できる
ピアス:賞味期限があるという点で。ただしフラスターとマナ域も仕事も被るので入るかが怪しい

逆に相性が悪い要素は、
墓地利用(特に探査):これで食べたスペルがリムーブされてしまう。

ここまでを見ていくと思うことが一つ。このカード、色は確かに赤いが、青赤で使うカードではないのでは?

採用するとして受け皿になれるのはいわゆるデルバーの亜種になるが、この種のデッキで使われるタッチカラーからのスペルというのはほぼ除去のことだ。そして、赤の除去である火力、というか稲妻は除去範囲こそ狭いものの、最後にプレイヤーに打ち込めるので一応腐らないという特徴を持っている。一方で白や黒の除去は対象が居ないデッキ相手にだと腐ってしまう難点こそあるものの、稲妻よりも除去できる範囲が広い。その難点をニヴメイガスによって克服できるのならば、敢えて除去範囲が狭い色を選択するべき理由*はあるだろうか。もちろん、理屈の上では青赤だと巨大生物に弱いからニヴメイガスで対抗するんだと言えなくもないが、そんなに安定して大きくなれるわけでもないし。

*まぁ話の都合上こうは書いてるが、メインはともかくサイドのパイロだとか、月メイガスを簡単に除去できるとかを考えだすと赤は強い。青白(&ピアス減)だとジェイスが死ぬほどきついので。

というわけで黒か白を相棒にする方向で考えることに。 RTRでこれが刷られた当初、
・終盤のハンデスを変換できる
・いまいち使いづらい上に本体にも打てない黒の除去*を有効活用できる

という点に着目して、青黒で使えば強いんじゃないのかこのカード!と考えてリストに起こそうとしたが、ハンデスを大量に積んで、除去も大量に積んで、ただの地上アタッカーに過ぎないニヴメイガスもいっぱい入れて……とやると枠が60枚にとても収まりそうもない上、「一番強いハンデスであるヒムを大量に積んで相手を黙らせてからゲームを決める、中盤以降で腐ったヒムは何かで活用する」とコンセプトを設定した時の「何か」って、ニヴメイガスと神ジェイスはどっちが強い?という現実に気づいてしまってやる気が無くなった。

*当時黒の軽い除去は《恐ろしい死/Ghastly Demise》/《見栄え損ない/Disfigure》/《殺し/Snuff Out》位が選択肢でかなり弱かったのでこの点がかなり重要だった

今ならハンデス特盛型の死の影が近いだろうか。ちなみにこんなデッキ。

https://www.mtggoldfish.com/deck/1475543#online
噛み合わなかった時のしんどさはありそうだが、2色で纏まっていて、その割に基本土地を採用しづらくて、という死の影の性質と、ヒム(早期に撃ちたい、でも黒黒がきつい)が噛み合ってるようには思える。

話を現代に戻そう。久しぶりにニヴメイガスのことを考えて、折角今はそれっぽいのがあるんだから死の影にニヴメイガスを入れてみるか?と思ったものの、ニヴメイガスと死の影は

・地上の高マナレシオ生物
・単に出しても強くない
・CMCは1なのでチャリスや《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》、《漸増爆弾/Ratchet Bomb》で一網打尽

と、性質がかなり被っている。最後の点がかなりの問題に思える。さらに、ニヴメイガス関連のカードを入れるとペイライフ手段を入れるスロットが残らない。だいたい折角黒いのに探査使いづらいのってどうなの?というわけでまたもや断念することになった。

まぁ、死の影ではなく純粋に青黒のデルバーで使う手はあるかも知れないが、ハンデスが強いのは手札に残るスペル、フラスターが当たるのもスペル。ということでスペルに対して過剰に強くなり、その分青黒のどちらでも触れない置物に対してのガードが相当下がる。ピアスの枠がフラスターに食われる分減ることを考えると、これはかなりの問題だろう。ならば緑を足して衰微を入れれば……とも思ったが、ハンデスと併用する前提で考えて、ニヴメイガスとタルモでニヴメイガスの方が本当に強いか?と言われると非常に怪しい。

https://www.mtggoldfish.com/deck/1395510#online
青黒デルバーの例としてはこんなデッキ。最近人気の苦花と、それを通すためのコジレックの審問を使っている。審問は割と腐りやすいスペルなので合うといえば合うかもしれない。


そんなわけで青黒案は没。じゃあ白で試してみるかと、最近ちらほらリストが上がっている青白の石鍛冶デルバーの追加のクリーチャーとして採用してみることにした。以下次項。

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mw

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