《罰する火/Punishing Fire》カナスレ調整日記
2018年10月15日 Legacy
https://www.mtggoldfish.com/deck/1395514#online
自作デッキが労苦のかいあって、自分の腕としてはそこそこ勝てるものに仕上がったので記録。
■1. タルモが弱い
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》の禁止で復権なるかと思われたカナスレことCanadian Thresholdは、確かに一ページ目に表示されるレベルのデッキにこそなったものの、結局デルバー系の中での一番手にはなれないままだった。じゃあ今これの何が弱くて、どこをいじれば良いんだろうかと興味を持ったので調整してみることに。
さて、スタートラインは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が弱いことだった。高タフネス+マナ否定の組み合わせはかつては実質的な除去耐性として機能していたが、《致命的な一押し/Fatal Push》がある今はそうはいかない。
更に、環境には《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》や《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》、《悪意の大梟/Baleful Strix》等のタルモが突破できないクリーチャーが溢れており、「戦闘において最強」というタルモゴイフ最大の長所はもはや完全に失われたと言っていい。多分そんな理由で最近のカナスレにおけるタルモの採用枚数は顕著に減少している。
■2. 緑である意味の模索
そうなって来ると気になるのが、「RUGというカラーパターンである意味はあるのか」という点だ。
https://www.mtggoldfish.com/deck/1254549#online
有名人なのでこんなリストも見たが、「緑切って黒入れて、もみ消し入りのグリデルにした方が良くない?」としか思えなかった。《森の知恵/Sylvan Library》のアンチ奇跡性能は高いが、黒でも苦花を貼るなり、リリアナを使うなりでやりようはある。そして対コンボ性能は明らかに黒でハンデスを採用した方が高い。まぁ《古えの遺恨/Ancient Grudge》が強いのは間違いないのだが。
ただ、マングース抜きのRUGという方向性をすぐに切り捨てるのも良くないかもしれないなと思い、《ボーマットの急使/Bomat Courier》の自発的に墓地に落とせるアーティファクトであるという点と、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》との相性の良さに着目して、こんなリストを組んでみた。
4 デルバー
4 ボーマット
2 ラバマン
4 タルモ
スペルと土地 普通のカナスレ風
渋面の溶岩使いはタルモとボーマットの道をこじ開けるため&カードの性質上探査との共存が難しいが、タルモとなら共存可能な点を買っての採用。綺麗なコンセプトになった気がするし、これはいける!と思ったが、サイド後も含めれば現在本当に採用率の高い、《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》にタルモ以外が完封されることに気づいてしまったので実戦前にお蔵入りに。
■3. マングース論
というわけで緑である意味は《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》に求めることになった。しかし、マングースにはマングースで問題がある。デルバー(デッキ)の速攻戦略とは別に相性が良くないという点だ。
序盤数ターンはどう足掻いてもただの1/1なので、全く速攻に適したカードではない。このカードが真の強さを発揮するのは、お互いのリソースを交換しあって墓地が溜まって3/3被覆になった上で、これに対処できる全体除去は《もみ消し/Stifle》で土地を縛るなり奇跡を消すなりで間接的に対処して無人の荒野を駆け抜けている時であって、それは速攻というより中盤戦での強さという方が正しいはずだ。
■4. 宿敵の導入
クロックとしては遅いものの、除去耐性が高いクリーチャー。レガシーで比較的よく見る生物にはもう1枚似たようなカードがある。《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》だ。この2種類を主軸に据え、除去無視ビートダウンを敢行するのはデッキ全体の構造として一貫性があって良いように思えた。
■5. 中速への方針転換
マングースは硬いが遅い。宿敵も遅く、そして土地14+4の構成では重い。これらをデッキの柱に据えるなら、旧来のテンポ特化のカナスレの構成を墨守する必要は無いと思った。速度で押し切るなら別の構成、というかもっと言うならカナスレなんて放り投げて別のデッキ(死の影とか)を使う方がいいので、相手の防御手段を機能不全にして勝つことを目指すことにした。
■6. 罰する火について――カナスレ側の視点
さて、2. で採用しかけた《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》でもそうだが、除去色に赤を採用する利点として、「繰り返し使える除去」の性能は黒に比して高いことが挙げられる。その観点から、テンポを一旦忘れて高マナ域まで目を広げて採用候補を探した時、思い至ったのが《罰する火/Punishing Fire》だった。
環境に溢れていて、かつマングースにとって天敵たりうる《悪意の大梟/Baleful Strix》、複数の《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、更にはコントロールのフィニッシャーであるPW、これらに対して極めて効果的でありつつ、他の繰り返し使える除去と違ってエンジン自体が除去されることがないのは魅力的だ。宿敵の運用のための追加のマナソースになりつつ、マングースが苦手とする一部小型クリーチャーを気兼ねなく焼ける《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》+《罰する火/Punishing Fire》パッケージは、テンポ特化という固定観念さえ抜きにすれば相性が良かった。
■7. 罰する火について――罰する火側の視点
このパッケージは小型クリーチャーの全てを否定できる強さがあるが、
とまぁ、三重の意味で不毛に対して弱い。
https://www.mtggoldfish.com/deck/1365252#online
最後のケースの例としてはこんなデッキ。
更に、マナの消費が激しいのでカウンターを構えにくく、自分のクリーチャーを守れないという難点がある。前者の問題をもみ消しで、後者を除去されないクリーチャーで、それぞれカバーできるカナスレ、というか赤スレショの構成は罰する火側から見た時望ましいものだと言える。
■8. サイドの《罠の橋/Ensnaring Bridge》について
以上のようにメインの骨子が決まった。《もみ消し/Stifle》は防御手段を兼ねるので必須として、スロットの都合上、他に採用できるのは《呪文嵌め/Spell Snare》か《呪文貫き/Spell Pierce》を合計で3~4枚程度だったが、罰する火で小型クリーチャーを処分できる前提の作りである以上、非クリーチャーに対しての防御手段が多い方が良かろうということで《呪文貫き/Spell Pierce》を3枚使うことにした。
さて、サイドにコンボ対策を無難に詰め込むのは良いとして、URGカラーで避け得ない問題になるのが相手の巨大クリーチャーである。《四肢切断/Dismember》や《水没/Submerge》を使うのが既存の例だったが、自分はどうにもこれらのカードが好きになれなかった。確定4点ペイの前者はライフレースで勝てるか怪しくなるし、後者は森を使わない相手に使えないので用途が狭い。たまに《死亡+退場/Dead+Gone》や《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》といったバウンスを使う例もあったが、カードアドバンテージを損失しつつ攻めるのは、中速化したデッキの方向性と合致しないのでこれも無理。
では相手の巨大生物への対処をどうすれば良いのか考えた時、決定力の高さに惹かれて使いたくなったのが《罠の橋/Ensnaring Bridge》だ。RUGというカラーパターンでこのカードが使われるケースはほぼないのだが、それはこのカードの仕事が相手の攻撃を止めるだけであるため、その後に除去できないRUGだと本当にただ止めただけになってしまうからだ。ブロッカーとして存在する限りこちらから殴ることができないので止める意味が薄い。
このデッキでは、その問題を《罠の橋/Ensnaring Bridge》を置いた後《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》で一方的に殴るという形で解決することにした。出てしまうと対処手段が無い相手の宿敵も自分のターンの間だけ手札3枚にしておくことで一応誤魔化すことができ、装備品で大きくなった生物は無理に手札を消化しなくとも勝手に止まる等、応用範囲が広い。本来のターゲットであるスニークやデプス等の大型生物系コンボ相手に有効なのは言うまでもなく。
また、青いデッキで罠の橋を使う時問題になるのが、ドロースペルやカウンターを連続して引いてしまい、手札を消化できずに相手の小型クリーチャーの攻撃が通ってしまうことだ。サイド後に《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》によるゾンビトークンが出てくる死の影相手、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》や《苦花/Bitterblossom》によるトークンが出てくるグリクシスデルバー相手でこの問題は大きいものとなる。筆者はグリコンで死の影相手に罠の橋を入れた時そういう死に方をした。
このデッキでは罰する火でそれらを焼き払うことによる予防に加え、最悪罰する火を回収して適当に唱える→そこにカウンターを使って無理やり手札を消化、とすることで問題の解決を図っている。勿論手札の消化に役立つというだけでなく、相手エンド時に墓地から罰する火を回収→1ドローと合わせて宿敵の攻撃前に手札3に→戦闘後に手札を吐き出して相手の攻撃を封殺、という動きもできて極めて相性がいい。
最初は1枚だったが、使ってみるとデッキとの噛み合いが非常に優秀なことに気が付いたので、サイド後のメインプランにできるように2枚に増量した。
■9. データ
添付した画像に各マッチアップごとの勝率(簡易版)を記載した。5-0の3回目で掲載されるまでに129戦, 勝率は65%だった。
今後の課題はプレイ技術を上げて取りこぼしを減らすことと、サイド後の先手勝率が72%に達する一方で後手番勝率は54%と低いことの改善。特にテンポ相手の後手番は構造上どうしても厳しく、死の影が1勝4敗、グリデルが4勝5敗と負け越してしまっているのが足を引っ張っている。
先手でクロック設置からの不毛というテンポデッキの黄金パターンに対して、相手の攻撃を受け止める手段が3マナの宿敵、罠の橋、2マナの罰する火と重いせいで為す術なく死んでいくのが一番ありがちな負け方だったので、テンポを苦手とするデッキが使うカードから何か良いものがないかと、最近導入した《花の絨毯/Carpet of Flowers》で改善が見込めないかなと期待している。
■10. 細かい枚数について
アンコウが出ると一瞬でライフを溶かされて負けることがまぁあるので、最初は《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》を3枚に押さえて《四肢切断/Dismember》を1枚入れていた。ただしアンコウへの対処としては必要に応じて宿敵で受け止める方が、適切なタイミングで引いていないと意味がない除去で対抗するよりも良い選択だと思ったので宿敵4にした。
《罰する火/Punishing Fire》を3枚に抑える案もあるにはあったが、《罰する火/Punishing Fire》-《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》は、両者が揃わないとただ劣化稲妻と劣化Taigaを入れているだけになってしまうため、揃う確率が高い方が良かろうと4-4から調整を始めたので、現状では《罰する火/Punishing Fire》は4のまま。
自作デッキが労苦のかいあって、自分の腕としてはそこそこ勝てるものに仕上がったので記録。
■1. タルモが弱い
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》の禁止で復権なるかと思われたカナスレことCanadian Thresholdは、確かに一ページ目に表示されるレベルのデッキにこそなったものの、結局デルバー系の中での一番手にはなれないままだった。じゃあ今これの何が弱くて、どこをいじれば良いんだろうかと興味を持ったので調整してみることに。
さて、スタートラインは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が弱いことだった。高タフネス+マナ否定の組み合わせはかつては実質的な除去耐性として機能していたが、《致命的な一押し/Fatal Push》がある今はそうはいかない。
更に、環境には《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》や《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》、《悪意の大梟/Baleful Strix》等のタルモが突破できないクリーチャーが溢れており、「戦闘において最強」というタルモゴイフ最大の長所はもはや完全に失われたと言っていい。多分そんな理由で最近のカナスレにおけるタルモの採用枚数は顕著に減少している。
■2. 緑である意味の模索
そうなって来ると気になるのが、「RUGというカラーパターンである意味はあるのか」という点だ。
https://www.mtggoldfish.com/deck/1254549#online
有名人なのでこんなリストも見たが、「緑切って黒入れて、もみ消し入りのグリデルにした方が良くない?」としか思えなかった。《森の知恵/Sylvan Library》のアンチ奇跡性能は高いが、黒でも苦花を貼るなり、リリアナを使うなりでやりようはある。そして対コンボ性能は明らかに黒でハンデスを採用した方が高い。まぁ《古えの遺恨/Ancient Grudge》が強いのは間違いないのだが。
ただ、マングース抜きのRUGという方向性をすぐに切り捨てるのも良くないかもしれないなと思い、《ボーマットの急使/Bomat Courier》の自発的に墓地に落とせるアーティファクトであるという点と、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》との相性の良さに着目して、こんなリストを組んでみた。
4 デルバー
4 ボーマット
2 ラバマン
4 タルモ
スペルと土地 普通のカナスレ風
渋面の溶岩使いはタルモとボーマットの道をこじ開けるため&カードの性質上探査との共存が難しいが、タルモとなら共存可能な点を買っての採用。綺麗なコンセプトになった気がするし、これはいける!と思ったが、サイド後も含めれば現在本当に採用率の高い、《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》にタルモ以外が完封されることに気づいてしまったので実戦前にお蔵入りに。
■3. マングース論
というわけで緑である意味は《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》に求めることになった。しかし、マングースにはマングースで問題がある。デルバー(デッキ)の速攻戦略とは別に相性が良くないという点だ。
序盤数ターンはどう足掻いてもただの1/1なので、全く速攻に適したカードではない。このカードが真の強さを発揮するのは、お互いのリソースを交換しあって墓地が溜まって3/3被覆になった上で、これに対処できる全体除去は《もみ消し/Stifle》で土地を縛るなり奇跡を消すなりで間接的に対処して無人の荒野を駆け抜けている時であって、それは速攻というより中盤戦での強さという方が正しいはずだ。
■4. 宿敵の導入
クロックとしては遅いものの、除去耐性が高いクリーチャー。レガシーで比較的よく見る生物にはもう1枚似たようなカードがある。《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》だ。この2種類を主軸に据え、除去無視ビートダウンを敢行するのはデッキ全体の構造として一貫性があって良いように思えた。
■5. 中速への方針転換
マングースは硬いが遅い。宿敵も遅く、そして土地14+4の構成では重い。これらをデッキの柱に据えるなら、旧来のテンポ特化のカナスレの構成を墨守する必要は無いと思った。速度で押し切るなら別の構成、というかもっと言うならカナスレなんて放り投げて別のデッキ(死の影とか)を使う方がいいので、相手の防御手段を機能不全にして勝つことを目指すことにした。
■6. 罰する火について――カナスレ側の視点
さて、2. で採用しかけた《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》でもそうだが、除去色に赤を採用する利点として、「繰り返し使える除去」の性能は黒に比して高いことが挙げられる。その観点から、テンポを一旦忘れて高マナ域まで目を広げて採用候補を探した時、思い至ったのが《罰する火/Punishing Fire》だった。
環境に溢れていて、かつマングースにとって天敵たりうる《悪意の大梟/Baleful Strix》、複数の《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、更にはコントロールのフィニッシャーであるPW、これらに対して極めて効果的でありつつ、他の繰り返し使える除去と違ってエンジン自体が除去されることがないのは魅力的だ。宿敵の運用のための追加のマナソースになりつつ、マングースが苦手とする一部小型クリーチャーを気兼ねなく焼ける《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》+《罰する火/Punishing Fire》パッケージは、テンポ特化という固定観念さえ抜きにすれば相性が良かった。
■7. 罰する火について――罰する火側の視点
このパッケージは小型クリーチャーの全てを否定できる強さがあるが、
・単純にマナがかかるので不毛での土地枚数減少が辛い
・《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》自体を不毛されると勿論止まる
・劣化Taigaのこれが入るせいで他の色の土地が減る傾向があり、必然的に基本土地ではなくデュアランをフェッチせざるを得なくなるケースが増え、そこを不毛で叩かれると厳しい
とまぁ、三重の意味で不毛に対して弱い。
https://www.mtggoldfish.com/deck/1365252#online
最後のケースの例としてはこんなデッキ。
更に、マナの消費が激しいのでカウンターを構えにくく、自分のクリーチャーを守れないという難点がある。前者の問題をもみ消しで、後者を除去されないクリーチャーで、それぞれカバーできるカナスレ、というか赤スレショの構成は罰する火側から見た時望ましいものだと言える。
■8. サイドの《罠の橋/Ensnaring Bridge》について
以上のようにメインの骨子が決まった。《もみ消し/Stifle》は防御手段を兼ねるので必須として、スロットの都合上、他に採用できるのは《呪文嵌め/Spell Snare》か《呪文貫き/Spell Pierce》を合計で3~4枚程度だったが、罰する火で小型クリーチャーを処分できる前提の作りである以上、非クリーチャーに対しての防御手段が多い方が良かろうということで《呪文貫き/Spell Pierce》を3枚使うことにした。
さて、サイドにコンボ対策を無難に詰め込むのは良いとして、URGカラーで避け得ない問題になるのが相手の巨大クリーチャーである。《四肢切断/Dismember》や《水没/Submerge》を使うのが既存の例だったが、自分はどうにもこれらのカードが好きになれなかった。確定4点ペイの前者はライフレースで勝てるか怪しくなるし、後者は森を使わない相手に使えないので用途が狭い。たまに《死亡+退場/Dead+Gone》や《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》といったバウンスを使う例もあったが、カードアドバンテージを損失しつつ攻めるのは、中速化したデッキの方向性と合致しないのでこれも無理。
では相手の巨大生物への対処をどうすれば良いのか考えた時、決定力の高さに惹かれて使いたくなったのが《罠の橋/Ensnaring Bridge》だ。RUGというカラーパターンでこのカードが使われるケースはほぼないのだが、それはこのカードの仕事が相手の攻撃を止めるだけであるため、その後に除去できないRUGだと本当にただ止めただけになってしまうからだ。ブロッカーとして存在する限りこちらから殴ることができないので止める意味が薄い。
このデッキでは、その問題を《罠の橋/Ensnaring Bridge》を置いた後《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》で一方的に殴るという形で解決することにした。出てしまうと対処手段が無い相手の宿敵も自分のターンの間だけ手札3枚にしておくことで一応誤魔化すことができ、装備品で大きくなった生物は無理に手札を消化しなくとも勝手に止まる等、応用範囲が広い。本来のターゲットであるスニークやデプス等の大型生物系コンボ相手に有効なのは言うまでもなく。
また、青いデッキで罠の橋を使う時問題になるのが、ドロースペルやカウンターを連続して引いてしまい、手札を消化できずに相手の小型クリーチャーの攻撃が通ってしまうことだ。サイド後に《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》によるゾンビトークンが出てくる死の影相手、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》や《苦花/Bitterblossom》によるトークンが出てくるグリクシスデルバー相手でこの問題は大きいものとなる。筆者はグリコンで死の影相手に罠の橋を入れた時そういう死に方をした。
このデッキでは罰する火でそれらを焼き払うことによる予防に加え、最悪罰する火を回収して適当に唱える→そこにカウンターを使って無理やり手札を消化、とすることで問題の解決を図っている。勿論手札の消化に役立つというだけでなく、相手エンド時に墓地から罰する火を回収→1ドローと合わせて宿敵の攻撃前に手札3に→戦闘後に手札を吐き出して相手の攻撃を封殺、という動きもできて極めて相性がいい。
最初は1枚だったが、使ってみるとデッキとの噛み合いが非常に優秀なことに気が付いたので、サイド後のメインプランにできるように2枚に増量した。
■9. データ
添付した画像に各マッチアップごとの勝率(簡易版)を記載した。5-0の3回目で掲載されるまでに129戦, 勝率は65%だった。
今後の課題はプレイ技術を上げて取りこぼしを減らすことと、サイド後の先手勝率が72%に達する一方で後手番勝率は54%と低いことの改善。特にテンポ相手の後手番は構造上どうしても厳しく、死の影が1勝4敗、グリデルが4勝5敗と負け越してしまっているのが足を引っ張っている。
先手でクロック設置からの不毛というテンポデッキの黄金パターンに対して、相手の攻撃を受け止める手段が3マナの宿敵、罠の橋、2マナの罰する火と重いせいで為す術なく死んでいくのが一番ありがちな負け方だったので、テンポを苦手とするデッキが使うカードから何か良いものがないかと、最近導入した《花の絨毯/Carpet of Flowers》で改善が見込めないかなと期待している。
■10. 細かい枚数について
アンコウが出ると一瞬でライフを溶かされて負けることがまぁあるので、最初は《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》を3枚に押さえて《四肢切断/Dismember》を1枚入れていた。ただしアンコウへの対処としては必要に応じて宿敵で受け止める方が、適切なタイミングで引いていないと意味がない除去で対抗するよりも良い選択だと思ったので宿敵4にした。
《罰する火/Punishing Fire》を3枚に抑える案もあるにはあったが、《罰する火/Punishing Fire》-《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》は、両者が揃わないとただ劣化稲妻と劣化Taigaを入れているだけになってしまうため、揃う確率が高い方が良かろうと4-4から調整を始めたので、現状では《罰する火/Punishing Fire》は4のまま。
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