https://www.mtggoldfish.com/deck/2566748#online

幸い掲載されているのでリンク先で。

設計思想:
《噴出/Gush》亡き後、代替となるアドバンテージソースとして採用された、
《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》(以下AK)をより強く使うための形。

・1枚目は死ぬほど弱いので、ゲームを長引かせる方向に振らないと肝心の2枚目以降のアドバンテージを活かしにくい
→《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》とは見ている方向が完全に逆

・2マナインスタントで、構える動きと矛盾無くドローを進められるというのが《噴出/Gush》にもなかった利点
→これにより《対抗呪文/Counterspell》の強さが増したので4枚採用
→また、土地を伸ばさないとこれらは弱いので1枚島を追加

・これに伴って、1マナクリーチャーはソーサリータイミングでしか出せない上に青マナが寝るので、2マナ、特に対抗呪文のためのUUを構えることとの矛盾が甚だしいため不採用とし、
構える動きのバリエーション増加のために《フェアリーの決闘者/Faerie Duelist》を採用

各カードの枚数の意図:

《フェアリーの決闘者/Faerie Duelist》3枚

強いマッチでも2枚引いて必ずしも嬉しいとは限らず、弱いマッチで2枚引くことは許容し難いカードなので、4枚採用は厳しい。かといってそもそも1マナフェアリーを不採用にする前提なので、フェアリーカウント/忍術の種が少なすぎるとデッキの動きに支障をきたすことから、3枚となっている。1マナフェアリーとの併用の形ならば、このリストのように2枚というのはちょうど良い枚数だと思う。

https://www.mtggoldfish.com/deck/2597857#online

《思案/Ponder》4枚
以前と変わらない。《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》との相性により、思案が一番便利で強い。類似デッキと比べ、青赤は占い師を忍術して使い回すケースも多い上にクリーチャー数がそれなりにある(=外れることもしばしば)ので、占い師との相性を最も重視すべきだと考えている。

《渦まく知識/Brainstorm》3枚
《噴出/Gush》とのコンボはもう無いので2枚に減らしてもいいといえばいいが、はっきり言って弱い1枚目のAKをライブラリに戻してごまかす、あるいは2,3枚目のAK後に手札に溢れてしまいがちな土地をスペルに変換する等の役割も増えたので、3枚のままにしている。経験上青赤氷雪で4枚使うのは無理だと思っている。

《定業/Preordain》2枚
残り。トップ調整なしで占い師を放り投げる場面はどうしてもしばしば出てくるので、ある程度素のヒット率を確保するためにも、闇雲に土地枚数を増やすのではなく、なるべくキャントリップで埋める形にはしたい。

《稲妻/Lightning Bolt》4枚
ここは迷っている所ではある。3枚でも良いと言えばいい。たまに盤面を完全に詰まされた後(対ペスト、対トロン)に4枚採用していたが故に本体火力として使えて勝つマッチは存在した。今この記事を書いている最中に思ったが、稲妻4枚目→払拭2枚目(あるいは、腐る可能性に目をつぶって《呪文貫き/Spell Pierce》/《魔力の乱れ/Force Spike》)という変更はなしではないと思う。

一応過去1回ピアスを(払拭の枠で)試したことはあり、それなりに活躍した。いつ腐るかにひやひやしつつ使うのはあまり精神衛生上良くないなと思ったので払拭に戻ったが。

《払拭/Dispel》1枚
元々は対抗呪文4枚は島9+フェッチ7, 噴出2のマナベースでは許容できないからという理由での採用だったが、同一ターンのアクション数の増加が強いので続投。

《火+氷/Fire+Ice》0枚
以前も書いたように、僕はこの呪文を氷雪で使って強いとは全く思わないので。相手のタフ1クリーチャーの処理はなるべく決闘者で行う前提。

《悲劇的教訓/Tragic Lesson》+《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》パッケージ

どれだけタップインする気?この青赤氷雪ってデッキ、サイド後はUURRって並べ方することも多いんだが?
それなのに《紅蓮破/Pyroblast》1回でループ止まってアド稼ぎ続けられないけど?
しかもループしてる間土地の伸びが止まるから手札の土地が処理できないし、伸びないから肝心のアドバンテージを活かして一気に攻め込むことも無理だが?
土地増えるから《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》のヒット率が悪化してお膳立ての必要性が上がるけど……

等、否定的な要素しか思いつかないので試したことがない。青単で使ってる分には強い(ただし青単というデッキが弱い)と思う。また、黒マナを1ターン1マナしか基本的に使わない青黒ならUURR問題も発生しないし結構強いのではという気がする。

悲劇的教訓型のサンプルリスト:青単、青黒、青赤の順。
https://www.mtggoldfish.com/deck/2583042#online
https://www.mtggoldfish.com/deck/2632244#online
https://www.mtggoldfish.com/deck/2632258#online

青黒はサイド後速度をぐっと落として青黒コンに変貌できるという点も含めて良いデッキに見える。(一部カードの選択に疑問はあるが)チャレンジ6-0(多分本当は6-1)してるのも納得。

次回以降の日記でメタ上の各デッキに対するゲームプラン及びサイドボーディング例を記述予定。
まとめ:
・ナーセットとサヒーリには新デッキが誕生しそうな力を感じる
・既存デッキにすんなり入る《爆発域/Blast Zone》と《リリアナの勝利/Liliana’s Triumph》はともかく、他の騒がれてるカードは微妙では?


申し訳程度のPauper目線
《オブ・ニクシリスの残虐/Ob Nixilis’s Cruelty》

青黒デルバーが《魂の刈り取り/Soul Reap》なんかを最近積んでる所と入れ替わるのはまず間違いない。個人的には2枚以上入ってくると思う。ただ、このカードを意識して《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》の採用数が減少したりはしなさそう。結局相手の嵐縛りへの一番効率的な回答は嵐縛りなので。

他のカードは統治者が禁止されて環境からフォグ効果が衰退したらまた会おうという感じ。結構面白いカード多いけどね。

レガシー目線

《高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist》

何故か空を飛んでるすごいやつ。さておき、デスタクの土地単及びデプスコンボ殺しとしての前評判も高いカードだが、デスタクは元々その辺りのデッキに耐性が高いので結局入らないのではないだろうか、サーチできないし。

ただ、よく似た構造でありつつも、デスタクと違って
・不毛嵌めで死ぬ
・トミクをサーチできる
・ソープロがない

という特徴を持つ、多色人間デッキにはほぼ確実に1枚サイドに入りそう。

《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》

レオヴォルドもどきになってリベンジのナーセット。受動的なドローは無い代わりにアズカンタ相当の起動型能力を2回使える。レオよりも除去耐性が高く、なおかつ相手が触れてこなくとも即座に手札を回収(しかもただのドローよりかなり強い)、という点でかなりの活躍が予想される。奇跡はこのカードの対策を余儀なくされ、t赤が再び主流になっていくのではないかと思う。勿論奇跡自体が使うのもあり。

これとダクを組み合わせればお手軽ハンデスだというのもあり、罰火レオから緑を抜いたような青赤ベースのコントロールが誕生しそう。罰火と《崇高な工匠、サヒーリ/Saheeli, Sublime Artificer》との相性もいいので、青赤のPWベース、コンボ耐性を補うために黒を足す、という感じをイメージ。

《リリアナの勝利/Liliana’s Triumph》
性能的には文句はないが、暫くは灯争大戦PWの影響で、枠を争うリリアナPWの採用数がちょっと減るのではという気もする。まぁ上位互換だから+αの有無とか関係ないけど。

《悪への引き渡し/Deliver Unto Evil》

ボーラス・プレインズウォーカーとかいう二度勝ち要素(基本的に重いボーラスが定着しているならこんなカードを使うまでもなく勝っているため)を無視してテキストを読むと、4枚墓地から選んで、相手が選ばなかった2枚を墓地に残し、2枚を手札に戻す、悪への引き渡しの再利用は不可、と書いてある。「別名」などの縛りがないし、手札に戻らない2枚も追放されたりはしないため、実は密かにやるのではないかと思っている1枚。コンボに使うには、回収したいレベルのカードを4枚墓地においた上でそれを3マナかけて~という動きが遅いため、グリコン系統に1枚アドバンテージ源として入るかどうかという所だろうが、多少の可能性は感じる。

《炎の職工、チャンドラ/Chandra, Fire Artisan》

5枚目チャンドラとしては使えるのかな?ほぼ見た目どおりの性能なので5枚目以降のチャンドラが欲しいのなら。


《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》

書いてあることは確かに凄いのだが、実際そこまで活躍するか?と言われると疑問。緑を入れてパンプとかいう「決まったらいいですね~」と鼻じらんでしまいそうな話は置いておいて基本的な部分から確認していくと、とりあえずこのカードを使う時点で青と赤を含むデルバーであることがほぼ確定。

残る悩みは
・黒を足して、腹心と違ってアンコウと一応共存可能なアドバンテージ要素としつつハンデスを再利用可能にする
・色を足す必要がないという利点を活かした純正の青赤で行く
という所だが、どちらにせよ無視できない問題として、「殴り値がどう考えても低すぎる」というものがある。まして地べたを這いずる1/3では長生きは望めない。
物珍しさに惹かれて暫く試されることはあるだろうが、結局外れていくのではないかと考えている。ただ、モダンでデルバー的なデッキを組むなら入ってもおかしくはないのではと。ウィザードだし。

《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》

見た目のインパクトだけは凄いが、「クリーチャーではない」という一文が非常に辛い。しかも2マナなのでとても重い。ストームとリアニに弱くなり、デルバー系に使えなくなった代わりにSnTと奇跡に強くなったフラスターだと言うことができる。つまり割と微妙。

対抗呪文で相手のクリーチャーを消したいことも結構多い奇跡には入らず、相手のクリーチャーに石鍛冶TNNで対抗できる石鍛冶のサイドに1枚入るかどうかという所ではないだろうか。大した影響はなさそう。

《アングラスの暴力/Angrath’s Rampage》
ソーサリータイミングの布告はデプスコンボに対して無力なことが多いので、

戦慄掘りと比べての難点、
・除去する対象を選べない
やコラガンの命令と比べての難点
・装備を壊したいのに適当に余分な薬瓶をサクられて終わり

を考慮した上でどの位TNNやアンコウを除去しうることが役に立つかという問題。同一タイミングで出たリリアナの勝利のインパクトが強すぎてソーサリーのこれにお呼びは掛からないと予想している。

《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》

過大評価。青いフェアデッキが対コントロールを想定したサイドとしてはナーセットの方が明らかに強いのでフェアデッキのサイドには入らない。

相殺を設置してテフェリーを置いて思案定業で~とかいう話はあるが、冷静に考えてその動きには4マナ以上かかっているわけで、ならジェイスのブレストで予め弾きたいコストを置いておくのでも大差ないだろう。そもそも奇跡のどこにそんなスロットの余裕があるんだという話。「3マナソーサリータイミングのバウンス」を除去枠としてカウントできるはずもないし。

そうなってくると結局アピールできるポイントは3マナになった防御の光網もどきに過ぎず、アドバンテージを積極的に取っていけるわけでもない。

リアニメイトで使うとカウンター対策、サージカル対策、置物墓地対策、とサイドに求める全てを兼ね備えているが、いかんせん重いのと、色が噛み合っていない。単純に3マナが遅いという以上にリアニメイトのようなタイプのデッキだと3マナ出すのが極めてしんどい。
ショーテルで使う場合は2マナランドから即出せる防御の光網の方が強いわけで、結局入るデッキはない。新デッキを誕生させるような力のあるカードにも思えないし。
で、レガシーで活躍しないならこのカードの活躍の舞台ははっきり言って無いと思う。スタンやモダンでこんなの使ってても弱いでしょ。

《爆発域/Blast Zone》
流石に強い。土地単やポスト以外だと、エルドラージストンピィにたまに入ってる《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》と入れ替わるかな?

《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》
ポストが6マナ出してから盤面を一気にまくるのでなく1体除去している程度で間に合うのかはよく知らない。能動的なドローも出来ないので活躍はしなさそう。

《崇高な工匠、サヒーリ/Saheeli, Sublime Artificer》

前述の通り、新たな形のグリコンを登場させてもおかしくないレベルのカードだと思う。同盟者ギデ型のようなイメージで奇跡にも試されるかもしれない。青い分サイド後壊されやすいものの、メインから採用しても無理なく餌として処分できるのはやはり大きい。
ニヴメイガス考察その7  Ver. 4以降の戦績と感想、サイドプラン等
ニヴメイガス考察その7  Ver. 4以降の戦績と感想、サイドプラン等
青白ニヴデルバー Ver.4
https://www.mtggoldfish.com/deck/1571947#online

Ver.5 (サイドのカラカス1枚がサージカルに入れ替わった)
https://www.mtggoldfish.com/deck/1611973#online

戦績は画像にて。上がVer4以降の切り取り。

DNの画質があまりに酷いので、とりあえずtwitterで添付した。良ければご参照を。

https://twitter.com/mw_94gA/status/1094195527393005568




一応比較用に抜き出しておくと、

Ver.4以降:85/121 (70%)、メイン55%, サイド68%

全体:206/ 319(65%)、メイン54%、サイド64%

Ver.3 以前:121/198(61%)、メイン54%、サイド62%


と、構成に大した変更がないメインの勝率はほぼ差が無い一方で、サイド勝率は6%上昇している。これが運の範疇なのかは今後も継続して記録していくことでしか測れないが、《大変動/Cataclysm》の感触は中々良いので実際に良くなっているのだと思いたい所。以下の個別マッチアップについてでは一応メインの勝率も記載しておくが、多分運の範疇。

■奇跡 (6/10, 全体14/23)

感想:辛勝か完敗のどちらかなので数字はともかく相性的には互角かやや不利程度なのではないだろうか。

Ver4以降:メイン50%、サイド64%
Ver3以前:メイン62%、サイド53%

突き刺すタイミングさえ適切ならば大変動は劇的な効果を発揮する(《冬の宝珠/Winter Orb》と違い、ジェイスやメンターが着地してトークンも出ている等の敗勢を覆せる可能性がある)のもあり、以前は苦しかったサイド後の相性が改善しているように感じる。とは言えベースが有利なのかと言われるとそんなわけもないので限界はありそう。

サイド変更

out:
《ニヴメイガスの精霊/Nivmagus Elemental》 2
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》 2-4
《不毛の大地/Wasteland》 2-4
《意志の力/Force of Will》 先手時1?
《目くらまし/Daze》 後手時1?

in
《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》
《大変動/Cataclysm》 2
《翻弄する魔道士/Meddling Mage》 2
《安らかなる眠り/Rest in Peace》 上限1 (《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》型ではないという確信があれば不要)
《真髄の針/Pithing Needle》
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》 (個人的にはRiPとの共存は気にしてない)
《解呪/Disenchant》 1?

《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》1?
《カラカス/Karakas》1

*G2で青白2色だと確信を持った場合、不毛を0にして、まず間違いなく入ってくる《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》への疑似除去とマナ量の補正を兼ねて入れる。

?がついているのはそれが良いかどうか自信を持っていない部分。十手アウトはまだ実際に試してはいない。メンターや瞬唱ブロックへの対抗策としてありといえばあり、引いた時邪魔、装備が解呪で壊されるから多めに欲しい、等が悩む要素。

明確な理由は不明なものの、Ver4でのサイド後戦績が先手3-3、後手6-2と顕著に後手の方が良く、Ver3以前でもその傾向(先手4-5、後手6-4)がある。アドバンテージがあるとは言え《目くらまし/Daze》が腐りやすくなる後手の方が有利なのかと言われるとかなり怪しい気がするが、数字的にはそうなっている。

■グリデル (4/7、全体9/15)

感想: その5の記事の時点から進展なし。いくつかある明確な勝ちパターンを押し付けられるかという勝負。サイド後の後手を改善できる何かが見つかればはっきり有利だが、見つかれば苦労しないでしょというのが現状。

Ver4以降:メイン57%、サイド67%
Ver3以前:メイン75%、サイド57%

out:《意志の力/Force of Will》4

in:《流刑への道/Path to Exile》、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、《カラカス/Karakas》、《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》?

《安らかなる眠り/Rest in Peace》は入れるべきかどうかよくわからない。置けさえすれば《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》と全てのアンコウを1枚で対処できるため、後引きの弱さに目をつぶって入れてもいい気はしている。

マナスクリューは即負けに繋がるので、カラカスをただの土地として入れる。FoWを少量残すよりもこちらの方が有効では?と感じたため、不毛の大地入りのテンポ系には共通してサイドインしている。

剣はなんとも言い難いが、巨大ニヴメイガスやバターの攻撃を宿敵に邪魔されずに通せるのは魅力。

後手でも大筋このサイド(時々1枚DazeとFoWを入れ替えたりはする)にしているが、メイン先手4/5、後手6/10、サイド先手7/8、後手7/15と、先手時のかなりの勝率と異なり、サイド後手では特に苦戦している。正直「テンポミラーで後手不利なのは当たり前だろ」と思うが、サイドボーディング、プレイングが適切ではない可能性もある。ということでサイドの後手時はプレイングを意識して変えてみようと思いはしたものの、そこからは何故か当たらなくなったのでまだ試せていない。

■ANT (2/5、全体10/17)

感想:負け越しに転じてしまった。メインが明確に不利で、かつ構成上改善する見込みは無いためもう少しサイドが欲しい気はする。

out:《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》 他不要そうなもの
in:《カラカス/Karakas》 他必要そうなもの、現状は《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》、墓地対策×3、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》の合計7枚。

平地をサーチしてくる可能性は全くなく、白マナを《カラカス/Karakas》で供給できれば《虐殺/Massacre》の条件を満たさないで済む可能性があるので入れ替える。

《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》はこちらの墓地対策と相性が悪いが気にせず入れていいと思う。《狼狽の嵐/Flusterstorm》が多い都合上、ハンデスに対応して瞬唱で墓地のフラスターにFBを付与し、最後のストームまで温存してそのターンを凌ぐという、

ミラクルテクニック集100
https://bokuoomtg.diarynote.jp/201811070128556808/

で紹介されていた小技と相性がいい。これで実際拾って感動したマッチがある。

《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》はどうせ入っていても1枚程度で、最速でないなら十手での除去が間に合ったりもするので個人的には《剣を鍬に/Swords to Plowshares》は全て抜いているのだが、そうするとANT相手のサイド後なのにクリーチャーが多くてどうなんだこれという気も。サイドカードがもう少しあった方がいいんだろうか?

相手によってはサイドカードを使うためにサイド後はデュアランを大量に展開してくるので、そういう人になら《不毛の大地/Wasteland》は全て残して良い気はする。

■赤黒リアニ (5/5、全体9/13)

感想:当然ながらサイドカードを何枚取るかで決まる。Ver5で《外科的摘出/Surgical Extraction》を1枚取って墓地対策を3枚に増やしたためはっきり勝ちやすくなった。

out:石鍛冶パッケージ、《不毛の大地/Wasteland》
in:必要そうなもの

どちらも弱いがブルーカウントになる方がまだマシなので、《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》を《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》関係よりも優先して残している。通常の青白デルバーだと石鍛冶抜きではクロックが細すぎてこの種のサイドが難しいが、ニヴメイガスの打撃力に期待できるため嵩張る石鍛冶パッケージをサイドアウトできるのは青白にニヴメイガスを採用するメリットと言えると感じている。

■エルフ (1/4、全体3/9)

感想:とても辛い。この手のデッキに強いはずの《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》は速度的に後手だとまず間に合わないという致命的な問題がある。先手ですら怪しい。

新加入した《大変動/Cataclysm》は明確に有効でこれで取ったマッチも実際あるのだが、そもそも引かない、4マナ出せない、相手が早くて間に合わない、等で関係なく負けることもあるので、これの採用でイージーウィン!とまではいかない。

サイドインしたいカードが《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》、《大変動/Cataclysm》、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、《真髄の針/Pithing Needle》、《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》、と多いので何を抜くべきかが難しい。

まずは《ニヴメイガスの精霊/Nivmagus Elemental》が何の役にも立たないので抜ける。次に殴打頭蓋が、サーチすることがまずない上に、絆魂も虫やレインジャーで無効化されがちなため抜ける。

《議会の採決/Council’s Judgment》は《窒息/Choke》への対策に実質的になっていない(窒息を出された後にこれはまずキャストできない)ので抜いても良い気はするが、虫に邪魔されない点が貴重なのと、とにかく除去ではあるのであえて抜くほどかというものも。

《目くらまし/Daze》は抜くのが普通ということになっているが、実際抜くと相手の圧倒的テンポに押されてそのまま負けてしまうことも多い。先手なら多少残していてもいいのではと思う。相手も基本的に抜いてると思ってるのでケアしてこない。

4枚あっても使い切るのが難しいので実は《狼狽の嵐/Flusterstorm》は1枚か2枚減らすべきでは?という気もするが、流石にどうなんだそれという思いも。《不毛の大地/Wasteland》は大変動のマナへの到達と、《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》や、《Bayou》を破壊して十手の破壊を抑止できるのは重要なのでできれば残したい。

《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》は一応除去ではある、殴打頭蓋が抜けるものの十手は有効なので4枚残る石鍛冶で装備をサーチできなくなると辛い、十手が壊されることも多い、という理由で入れている。


■4Cローム(4/4、全体5/5)

感想:チャリスに対して石鍛冶が耐性があり、《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》の枚数が多いことと基本土地を並べられることで、デルバー系としてはかなりロームに対して相性がいい方だと考えられる。

out:《ニヴメイガスの精霊/Nivmagus Elemental》、《狼狽の嵐/Flusterstorm》
in:チャリス対策、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》、《安らかなる眠り/Rest in Peace》、《外科的摘出/Surgical Extraction》?《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》?

《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を少し減らすのもあり。剣は十手と入れ替えるべきか追加するべきか悩んでいる。《解呪/Disenchant》は《虚空の杯/Chalice of the Void》を無視して《森の知恵/Sylvan Library》を壊すシーンもそれなりにある。

■赤単プリズン(2/2、全体6/11)

out:《狼狽の嵐/Flusterstorm》2枚、《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》1枚?《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を1枚抜く、《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》を抜く等。

in:チャリス対策3枚、《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》

白白が怪しい《議会の採決/Council’s Judgment》だが、一応抜かない方がいいだろうと思っている。《狼狽の嵐/Flusterstorm》は《焦熱の合流点/Fiery Confluence》、《削剥/Abrade》への対策と、最悪ニヴメイガスの強化に使えるので2枚位残してもいいと思うが、トップから引いてしまうと辛いので完全に抜いてしまってもいいかも知れない。その場合は全体除去での壊滅を防ぐために《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》はあるだけ全てデッキに残しておきたい。

UUが怪しいのは確かだが、宿敵は絶対に除去されず、かつ8ラブルを完封できるので出せさえすれば非常に強い。

白状しておくと、見た目は互角なものの、これは驚異のダイス勝率(12/13)に支えられた結果であるため、実際はやはり不利なはず。


■今後の改造案等


エルフ相手にはメインに十手があろうがかなり勝ちづらいことと、デスタクに当たる頻度が下がったことを受けるならば、いっそのことメインの《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》を《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》に入れ替えてしまうという案はある。コントロール(特に奇跡)相手にははっきりとこちらの方が強く、割られにくいG1でこれを使えればイージーウィンしやすい。

ただしテンポ相手にはライフを支えられて、軽いのでカウンターされづらく、かつ除去として融通が効く十手の方が相対的にいい。

また、《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》を4枚にしない等の変更を加える場合、攻撃がそもそも通せない可能性があるので、総合するとメインは十手の方が無難だろう。

サイド用タッチカラー

・1枚《Volcanic Island》を取ってサイドに《紅蓮破/Pyroblast》
・1枚《Underground Sea》を取ってサイドに《思考囲い/Thoughtseize》、《苦花/Bitterblossom》

同類の案なのでまとめて。《紅蓮破/Pyroblast》が強い理由はレガシー環境に存在する幅広い相手に効くことだが、流石に《Volcanic Island》1枚だけ、しかもデッキ構成上、実際に使う瞬間までフェッチランドを温存しておくプレイングは不可能、という条件ではデルバー相手に《紅蓮破/Pyroblast》を入れたくない。この点が気になって試していない。

このタイプのサイドならば、その5でも軽く触れたが、対コントロールサイドとして優秀な《苦花/Bitterblossom》と、対コンボに《思考囲い/Thoughtseize》を取れるt黒の方が良いと思う。これらは基本的に不毛を使ってこない相手にしかサイドインしないので。ただし奇跡は《解呪/Disenchant》をサイドインしてくるので1枚で勝ちとまではいかないことと、グリコンに当たる頻度の減少とにより実際に試していない。


■余談 (MOのリーグでもし使うなら)

最初は単純に冠雪土地に愛着があるのでこれにしただけだったが、最近の青白石鍛冶の隆盛を受けてリストを比較してみた所、メインで共通するカードが基本土地抜きで35枚程あることが分かった。

青白石鍛冶サンプルリスト
https://www.mtggoldfish.com/deck/1611987#online

つまり基本土地を通常の島と平地にすると場合により40枚以上が共通する可能性があり、5-0リストの掲載で普通の青白石鍛冶と競合する。とても好きな基本土地がある、掲載に全く興味がない、という人は別に気にしなくていい話だが、個人的には折角勝ったなら記録が残った方が嬉しいので、冠雪土地を使う方がお得かなと思う。
Ver. 3, 4の過程のメモ。調整過程に興味があればの雑文。

■対コントロールのフィニッシャー枠と対特殊地形メタに関しての試行錯誤録(その3から移動)

元々の青白石鍛冶デルバーを見ていて思ったこととして、「このデッキ、奇跡に勝てそうに見えないんだけど大丈夫なの?」というのがある。速度感半端だし、自分で使うジェイスより絶対相手が使うジェイスの方が強いし、パイロないし。この青白ニヴメイガスは速度が上がった(し宿敵が増えた)ので倒しきれる可能性が上がったのと、《狼狽の嵐/Flusterstorm》により終末のカウンターがそこそこできるようになったことで多少マシにはなっていると感じるが、それでも与しやすい相手というわけではないように思える。

なので元にした青白デルバーのリストで2枚取られていたBtBを1枚冬珠に変えていた
→1枚変えた位で勝てたら苦労しないし、このスロットで確実に勝てる相手に勝つためにBtBの方がいいのではとBtBへ
→土地単にBtBを貼った上でサーチを打ち消しても素でマリットレイジが揃って負け、というケースがあり、BtBの必要性自体を改めて考えるべきでは?と感じた

というわけで《基本に帰れ/Back to Basics》の考察だが、このカードは一見強いようでも、このデッキには奇跡やコントロール型の石鍛冶のような防御能力がないので、1回だけ使える分で動けてしまう何かにそのまま負ける可能性がある。エルドラージストンピィやデュアルランド塗れのテンポ相手に使うと特にそうなりそうで入れづらい。ポスト相手には流石に効果的だが、メインの時点で既に基本的に勝ちやすい相手(構造的には。ブンされると普通に負けるので確実に勝ちたいなら……?)に対してのサイドを2枚も取るのはどうなんだ?という気が。土地単相手には結局マリットレイジをどう対処するかという点に問題があり、奇跡やコントロール型石鍛冶ならば20点与えようが、BtBで罰火を止めて神の奥義を決めてしまえばいいが、このデッキはジェイスを採用していない。なら基本土地によりこちらが縛られにくいことを活かして速やかに殴りきってしまう方が適切なので、《基本に帰れ/Back to Basics》はなくても良いのではと。グリコンも不毛の大地を意識してなるべく基本土地を並べてくるためこれで即死はそうそうしてくれない。

きちんと考えていくと実際に使える相手が実はかなり狭いので、入れる相手をコントロールだけと割り切って2枚とも《冬の宝珠/Winter Orb》にしてしまう方がいっそ良いのではと。こちらならば多少基本土地を並べてくる相手だろうが動きを封じられる。1マナ軽い点も大きい。

ここがVer. 3.

ただ、《冬の宝珠/Winter Orb》を置いても勝てるわけではなく、状況を固定するだけだ。相手に対処されないクロックか、土地を縛った状況でも守りつつ勝ちにいける軽いクロックのどちらかが必要になる。ただし、前者、つまり対コントロールフィニッシャーに良い選択肢がないのが青白というカラーの悩み。グリデルで《苦花/Bitterblossom》や《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》や《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》が使われているスロット。4マナで重い重いと文句を言いつつもギデオンを入れていたのは、他の選択肢がないからという理由に尽きる。類似品として《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》や《希望の夜明け/Dawn of Hope》なども一応考えはしたが、流石に起動4マナを一々払うのが釣り合っていないというか素直にギデオンを使うべきだろう。トークン生成のカラーパイの最有力は緑と白なはずなのに黒の《苦花/Bitterblossom》が一番強いのっておかしくない?と不平を口にした所でアイデア2。

1枚だけ《Underground Sea》を採用して《苦花/Bitterblossom》をサイドに取るのがありなのでは?と。更にハンデスタッチも可能。類似案としてのボルカでの《紅蓮破/Pyroblast》は不毛してくる相手に対しても《紅蓮破/Pyroblast》が必要なので疑問だが、黒ならば不毛とは無縁の相手にしかサイドインしない。これはソリューション降りてきたか!と一瞬だけ興奮したが、奇跡は解呪してくるからそこまで決定的でもなくて、白のサイドでもコンボ対策にはそれなりに十分だと感じているため、わざわざ特殊地形を無駄に採用してリスクを背負うのは見合わないのでは?という疑問が。

これらの疑問を一番明確に解決してくれる答えが、4枚目の《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》の採用だった。身もふたもないが一番無理なく使えて、かつ強い範囲が広い。罰火カナスレの時もそうだったが、結局相手が《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》を処理できる手段は限られるので、それを超える枚数を叩きつければ相手はそのうち死ぬ。

伴って、ネメシスはサイドに置く必要のないカードなのでメインに。60枚目として単純に入れてしまうと生物過多になり、ただでさえデルバーが変身しない確率が結構高いのにこれ以上はなぁとも思ったことと、相手の地上をネメシスで止め、抜けてくる飛行に絞って除去を当てるというプランの現実味が増したので5枚目の除去は欲しかった。

というわけで、弱い相手に重ね引くとイラっときてしまう《ニヴメイガスの精霊/Nivmagus Elemental》を2枚に減らした。このままいくと消え去ってしまう気がしないでもないが、強い相手が明確にズレているのは大事な要素なので全く不要というわけでもない。対コンボに強いカードではあるものの、コンボ相手にこれを複数引くことが勝因になるわけでは無いのでこのくらいが適切な気もしてきた。

■サイドにアーティファクトを採用して良いのか?

サイドボードでアーティファクトを増やすにあたり、解決しなければならない問題として冬珠はファクト破壊されるでしょというものがある。石鍛冶デッキなのでこの点は避け得ない。

ただ、グリコンにはエンチャントが有効だが(有効な白いエンチャントがあればの話)奇跡はエンチャントも普通に割ってきてしまう。回避法はPWしかないが、除去を流石に減らしたい所に襲ってくる梟、ヴェンディの攻勢がクリアされた状態で出せるかどうかは展開次第。だいたいPWだって《議会の採決/Council’s Judgment》では処理される。ならば、むしろファクトを増やすことで相手の処理能力を超えればいいんじゃないの?ということで。一番効果的なはずなのが冬珠なので冬珠。グリコン相手は当然、奇跡相手も多少は不毛を残したいところに冬珠と不毛はそこそこ相性がいいので。

だいたい、サイドから《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》を用いるのならば、ファクト破壊を避ける方向のサイドにはならない方が正しいのではないか。というわけでBtB, 冬珠、ギデオンの3枚に分かれていたスロットを2枚の冬珠へとすっきりさせた。

■《封じ込める僧侶/Containment Priest》?

《封じ込める僧侶/Containment Priest》よりも《カラカス/Karakas》2枚目を取る方が強くない?という考えがある。結局

・超がつくほど単純だが土地が増えればデスタクのマナ否定に拘束されづらくなり、ネメシスと装備品で蹂躙できる
・サリアを実質1マナで無効化できる、薬瓶があったとしても2で固定することを強要できるのでよりまずい3マナの踏み倒しをされない

・墓地対策が《安らかなる眠り/Rest in Peace》になっているのでかなり怪しい対リアニメイトの後手だが、カラカスならハンデスされずに即対処できる。
非伝説を釣られることは除去がStP&PtEなので然程問題にはならない

・エルフ相手には明確に《封じ込める僧侶/Containment Priest》が良いが、引けるかどうかが不安定なのでプランには入れられないし、そもそも相手のドブンに間に合わない。
・マーベリック相手にも《封じ込める僧侶/Containment Priest》は欲しいがこれを入れるとして《狼狽の嵐/Flusterstorm》を抜いてどうこうみたいな形になるし除去で処分されてしまうので結局どうなんだ?

というところと、奇跡や石鍛冶(コントロール型)でのこのカードの採用率が高いのは、対コンボにおいての貴重な「隙を作らずに出せるクロック」だからなのではないか。その需要がそこまで高くない(デルバーとニヴメイガスが居る)このデッキにおいてそこまで絶対的なサイドとして捉える必要はないのでは。

■マスターピース、《大変動/Cataclysm》

その後、《冬の宝珠/Winter Orb》の後引きでの弱さがやはり嫌になって、「なーにかいいのないかなー、でも青白で使える置物ってあんまり……、そもそもサイド後に置物増やすのってデルバーの変身率がどんどん下がっていくしニヴメイガスとも噛み合わないからあんま強い戦略じゃないよね、スペルで何かないかなぁ、せっかく白いしゲドン、いや流石にないか、撃った後全く動けなく……全く?いや、完璧なのがあるじゃん、《大変動/Cataclysm》!」

と発想が降りてきて早速採用した。サンキューデスタク。苦手なPWを問答無用で葬り去り、ポストや土地単への効果も高く、デルバーが苦手とする盤面に大量展開するデッキ(エルフ、マーベリック。デスタクにこちらから使うのは流石に無理だと思うが……)や《呪文貫き/Spell Pierce》の欠如により怪しくなっている置物塗れのデッキ(エンチャントレス、テゼレッターのようなアーティファクト系)にも劇的である。負けている盤面でも1枚で押し返せるカードなのが最大の魅力。このため、初手にあってすっと貼れた時以外の冬の宝珠よりも明らかに強く、汎用性に優れるカードであるためサイドとしての満足感はとても高い。《大変動/Cataclysm》後の復旧を考えるとマナが出る土地の絶対数が必要なので《Tundra》は3必要だということになった。

ここがVer. 4. ここでついにデッキがほぼ完成したと言っても過言ではないと自分では思っている。
実際にこのデッキの話が始まるのは中盤の以降なので、思考掃きがどう強いのかなんてもう知ってるよ!って人はそこまで飛ばしてください。

■前置き~そもそも何故《思考掃き/Thought Scour》を使うのか~

話が早くなるので、市川プロの記事を読んでください。

https://note.mu/triosk/n/nd1ae3c66da43

そもそもこれを読んでくれる程レガシーに熱心な方は全員既に読んでいると思いますが。無料部分で前史と概略が述べられています。

一応私自身の考えも述べておくと、私がこの思考掃き型を使おうと思ったのは、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》亡き後のグリデルのとにかくもっさりした感じが好きになれないからです。

禁止改訂直後はグリデルはデッキパワーの大幅な下落による衰退を予想され、テンポ戦略はトレードマークの《もみ消し/Stifle》を携えてカナディアンスレッショルドが復権するというのが巷の噂でしたが、蓋を開けてしばらく経ってみると、結局グリデルはかつての最強デッキの地位こそ取り戻してはいませんが、メタゲームの一線に復帰し、デルバー系列のデッキの中では依然として筆頭です。ただし、最近のグリデルはマナクリーチャーとしての働きも大きかった《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を失ったにも関わらず、2~3マナ圏の重めのクリーチャーが多数採用されたままであるため、土地を増やして《定業/Preordain》を入れる等でマナを補正しており、純粋なテンポデッキらしさはかなり薄れています。しかしながら、テンポとしては重い形であるものの、結局目標は相手のライフを削り切ること以外にありません。結果として、デルバーの有無次第で勝率がかなり変わってしまいます。特に対コンボにおいてはそれが顕著で、初動デルバー即変身を除き、メインのソフトカウンターと少量のハンデスの組み合わせで防ぎ切れるターンまでに相手を倒し切ることは中々厳しいです。

たった4枚しかないカードを初手に引けるかどうかに命運を託すのは賢明な選択でしょうか?特定の4枚積みカードを初手に引ける確率は4割程ですが、キープするためには現実的にゲームが可能なハンドの中にデルバーが居る必要があるので実際にはもう少し下がります。青マナが初手にあるのは青マナソース14枚として85%程、従ってデルバーを初手でぽんと出せるのは33%、3回に1回です。結構低いですよね。デルバーデッキはマリガン耐性が低いので、デルバーが居ないからマリガン!という選択は不可能です。基本的には引いた初手で戦うしかありません。

さて、レガシーにおいてはだいたい18点ダメージを与えれば相手のライフが尽きると考えて良いです。つまり初手デルバーだと6回殴る=7ターン目に相手が死ぬわけですね。ここで、もう1種類極めて高速なクロックがあればどうでしょう。例えばそう、5/5が3ターン目に出てきて殴り始める場合、4回でいいのでやはり7ターン目に相手は死にます。しかし、普通の構成のグリデルでは3ターン目にアンコウを出すのはかなり難しいです。T1:フェッチ、キャントリップ。T2:フェッチ、キャントリップ、何かで相手に干渉、T3:2マナで5枚追放、アンコウキャスト。理想的にはこのようになりますが、引く土地の種類にまで制約のかかったこの類の動きをできることは多くありません。

《思考掃き/Thought Scour》採用は通常非現実的な3ターン目アンコウの確率を高めるためです。思考掃きを4枚採用する場合で、3ターン目=初手含め合計9枚に青マナ1、アンコウ1、思考掃き1が揃っているのはほぼ20%。(思考掃き3枚は15%、2枚は10%です)わかりやすくするためにこれらが揃えば3ターン目に確実にアンコウが出ると仮定すると、初手デルバーor3Tアンコウが実現するのは47%。だいたい2回に1回まで上昇しました。2回に1回位はテンポデッキとして理想的なクロックの展開ができる。これは思考掃き不採用のグリデルには真似できない魅力です。

■高速アンコウってそんなに強い?

《剣を鍬に/Swords to Plowshares》が採用されないデッキ相手には非常に強いです。これ以外の環境の基本的除去の範囲外なのが最大の強みで、安定して高速なクロックを刻むことを期待できます。ならば白いデッキの存在率は?となりますが、MTGGoldfishのMeta%によれば合計2割程度でしょうか。しばらく前に変わった掲載方式の都合上、これは実際に何と当たるかの指標としては全然信頼できないとは思いますが、手元で集計している最近のレガシーリーグにおける対戦数のデータでも一応白系デッキの合計は2割程度(各デッキの比率は違います)なので、まぁざっくりその位、雑に多く見積もったとしても3割を超えることはない、この位には考えても良いと思いますす。

白いデッキは大まかに《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》で使い回す(奇跡、石鍛冶)か、盤面を固める(デスタク、マーベリック)かに分かれますが、どちらもアンコウが非常に苦手なことなのでこれらを相手にした時には大きな活躍は見込めません。ですが、環境の7~8割を占めるそれら以外のデッキに有効な戦略だと考えれば十分な強さでしょう。

■アンコウが出れば強いのは分かった、で、アンコウ引かない時は《思考掃き/Thought Scour》は弱そうだけど?

問題はここです。アンコウ専用とは言え、キャントリップ付きで次ターンにマナを持ち越せる《暗黒の儀式/Dark Ritual》は強いですが、ただの1マナ1ドローは流石に強くありません。墓地に2枚落とす部分を可能な限り有効に使いたい所ですが、実戦では必ずしもそうできるとも限りません。どうしても引きたい何かがあって、他のトップ調整手段を待つ時間的余裕がない場合はやむなくそのまま使うことになります。この弱い使い方がなるべく避けられるように調整すること、あるいは適当に撃った後でも良い結果を得やすくすること、これが思考掃きデルバーの構築時に頭を使うべきことだと考えています。

では、実戦でどんな時にそうなりやすいのかと考えれば、最も発生頻度が高いのはマナスクリューでしょう。不毛される、思案で見つかると思ったがなかったのでシャッフル、そんなこんなで土地が詰まってしまって思考掃きしかドローが手札に無い場合、弱いと承知で土地を探すために撃たざるを得ません。このケースをなるべく減らすため、土地の枚数は気持ち多めにとっておくべきだと感じています。ただし、こう聞いただけでは当然今度はマナフラッドを心配することになると感じるでしょうが、私はその点はあまり気にしなくていいと思います。何故なら、思考掃きの二番目に強い使い方はトップの不要な土地を叩き落としてライブラリーを濃くした状態でドローすることだからです。中盤以降は基本的にこれを目指して使うことになるため、思考掃き型は重度のマナフラッドの予防はしやすいです。

故に、土地を限界まで絞るよりも、弱い撃ち方をなるべくしなくて済むように少し余裕を持たせて作った上で、積極的に土地を落として質の優位を得ていくという方針を取るのが安定性も高まり、マナスクリュー時に1マナドローで必死に土地を引き込む動きに伴うテンポの損失も発生しづらくなって良いと思います。私はこれを「《渦まく知識/Brainstorm》で土地を探しに行くのは弱い使い方なのでなるべく避けたい」という話の応用編という感覚で捉えています。

ただし、思考掃きが予防してくれるのはあくまで重度のマナフラッドであって、アンコウのため、あるいはスクリュー脱出のためにトップ確認無しで撃った数ターン後、盤面と手札に土地が合計4枚程度の軽度のマナフラッドが発生してしまう可能性は、定業型よりも実は高いと思います。思考掃きで落ちるトップ2枚がランダムである場合、土地を18枚に絞ったとしても土地18+思考掃き4の組み合わせは、かかるマナを無視すれば単純にデッキの総数を4枚減らしていることに相当するので、土地19+定業2のパターンと比較するとむしろ土地比率が高くなっており、当然マナフラッドする可能性は多少高いです。

■ならどうするか:

まとめておくと、思考掃きは各種マナトラブルに関して以下のように働きます。

マナスクリュー:他2種で探した後のドローロックの解消には貢献するものの、単体ではただ1枚引くだけなので微妙
マナフラッド(軽度):むしろこれの発生頻度は高まる
マナフラッド(重度):予防に一定の貢献をする

ということは、マナスクリューになるべくならないマナベースにした上でマナフラッド(軽度)の時に強いカードをデッキに入れておくようにすれば、理屈の上ではブン回りパターンの発生率がやや高いため初速に優れ、それでいてリソース勝負に強いカードも入っているのでアンコウに対処された時の脆さをも補ってくれるデッキが完成するはずです。


実際のデッキリスト

https://www.mtggoldfish.com/deck/1591409#online

こんな感じになりました。対戦数が多くはないので大した意味はないですが、勝率は65%でした。

グリクシスではなく青黒になった理由を説明すると、

・マナフラッド(軽度)の受けとして一番強いのが《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》
・アンコウが弱い横並び戦略と、宿敵でのビタ止まりの両方に対処できて効率が良いのが《湿地での被災/Marsh Casualties》

という2点によって黒ダブルシンボル(以下BB)のサイドカードをとても使いたかったのですが、3色だとBBが厳しい、島のついでに《Badlands》を入れて出せるようにしてみても不安定さが気になる、ということで思い切って赤を抜いて青黒に絞っています。2色だと、前述の余裕を持たせた土地としてサブカラーの基本土地を取ることが可能なので、かなりマナベースの安定性が増します。アンチ特殊地形カードでの即死が減ることと、基本土地×2+使い捨てのデュアランという形で運用することで、相手に不毛があっても3マナまでの到達を計算に入れて良くなるのが魅力です。

難点は除去がはっきり弱くなったこと、アーティファクトを簡単には割れなくなったこと、そして一番大きいのが《紅蓮破/Pyroblast》の欠如。色の選択についてはカードパワーとマナの安定性のどちらを重視するかのトレードオフなので、グリクシスのままでも良いとは思います。グリデルの時はマナフラ受け枠として《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》を1枚使ってみていました。

以下は簡単な各カードの採用理由です。

《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》

前述のマナフラッド(軽度)の時に強いカード。高速アンコウ戦略が機能しない白いデッキ相手にはプラスか大マイナス、どちらかの能力が極めて有効で、それ以外にも小マイナスで《思考掃き/Thought Scour》で落ちてしまったクリーチャーを回収してリソースを生み出してくれる、《悪意の大梟/Baleful Strix》で塞がれた進路をアド損なく開けられる等を見込んでの採用。グリデルの時はマナベースの都合上サイドカードでしたが、BBと3マナという重さが厳しい点が色を絞ることで解消されたためメインに浮上、かつ2枚に増量しました。青黒2色だと、《致命的な一押し/Fatal Push》に継ぐ2番手除去の性能が非常に悪いのでその点を補って欲しいという意識もあります。

《苦花/Bitterblossom》
布告対策になり、2マナで出しっぱなしで良く、守る必要のないのが魅力のクロックです。また、特筆できるのが《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》と違ってトークンが飛行を持っている点で、これによりアンコウ以外は全て回避能力を持っていることになります。これらの黒いパーマネント2種は強い相手には強いものの弱い相手には働きが少ない点が問題ですが、「思考掃きで墓地に落としてしまえばそのゲーム中引き直すことがない」点をこれの一応の解決策としています。

《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》
回避能力と除去耐性を備えたスーパーカード、ただし重くて遅いのが難点。アンコウが弱い相手に強いカードなのが最大の利点。また、現状のデルバー系には細かい枚数はともかくほぼ採用されているので、こちらも何枚かは使っておかないと、相手に出された宿敵でこちらのアンコウがずっと止まって打開できずにそのうち相手にもゆっくりながらアンコウが出てきて/相手に何かでアンコウを対処されて、回避持ちのこれに一方的に殴られて負けというパターンが発生してしまいます。こちらも2色で絞ったことで安定して出せるマナまで到達できるように。

デルバー4+アンコウ4+宿敵+苦花という構成についてですが、クロックをこの組み合わせにすることで、稲妻や一押しのような軽量で一般的な除去がデルバー以外には当たらなくなり、こちらの攻勢への相手の対応が噛み合わなくなる可能性が高まります。ネメシスは3でもいいとは思います。

《呪文貫き/Spell Pierce》3(サイドにもう1枚)
《思考掃き/Thought Scour》の利点である、インスタントなので撃つタイミングを選べる点を活かしたいのと、青黒の難点である着地後の置物に触れない点の対策として多めに。最初は4枚でしたが、ダブついた時の消化の難しさがやはり気になったので、この軽量妨害枠のスロットを1枚《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》に入れ替えて3枚としています。

ただ、置物系デッキには複数枚欲しいのも確かなので、《狼狽の嵐/Flusterstorm》が取られがちなサイドの枠に4枚目を入れることにしてみました。

《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》

重めのカードの前方確認用と、能動的に使って墓地にカードを貯めやすいカードが欲しいことから、やはりハンデスが多少かは欲しいと感じます。アンコウの前の《剣を鍬に/Swords to Plowshares》チェックも兼ねて。苦花との相性の都合上メインに思考囲いはNGなのでこちら。枚数は悩ましいところですが、今回は他のカードを埋めていった結果として1枚のみスロットが空いたのでそこに入りました。

《思考掃き/Thought Scour》3
2枚重ね引いた時、どちらかは適当に撃たざるを得なくなる可能性が高くて弱いので、重なる確率が減るようい3枚でもいいんじゃないかなぁ……?という気がしていますが、ここにはまだ明確な理由付けを出来ていないので4枚で特化させる方が良い可能性は十分あります。

《Underground Sea》4
アンコウとの相性上、これを3にしてフェッチを増やしてもいいですが、《思考掃き/Thought Scour》でマナを出せる土地を落としてフェッチ先が枯れる可能性を考慮して多めにしました。

■サイド考察

《湿地での被災/Marsh Casualties》2

《思考掃き/Thought Scour》型は大量のトークンや小型クリーチャー、そして《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》にアンコウを止められてしまうと戦略上厳しく、それらに対し極めて有効な回答となるこのカードをできれば使いたいのですが、グリデルで《不毛の大地/Wasteland》が入った相手にこれを使うとマナベース上非常に問題があります。安定してこのカードを使いたいというのが青黒に絞った理由だと言っても過言ではありません。

他のカードとこのこのカードの差が最も大きいのが対グリデルです。赤い全体除去が手札にある時に宿敵、布告が手札にある時にヤンパイ、と除去が噛み合わずにそのまま負け、というのがグリデルミラーで負ける時に起こりがちなパターンでした。現在のグリデルが環境で最も強いかはともかく、最多の数を誇るデッキの一つであることは間違いない上、多少アンコウが多かろうが殆どの構成要素が等しい以上はミラーの勝敗はその時次第です。そのため、何かしらの有利が取れる要素が欲しいと私は思っています。

《水流破/Hydroblast》
赤単プリズン対策……と言いたい所ですが、赤単プリズンの構成要素の中で、このデッキが本当に辛いのはチャリスと罠の橋の2種類のアーティファクトなのでそこまで対策になっていません。正直に言うと、枠が余ったのでグリデルや他の色のデルバーでは中々枠の都合上入れられない《水流破/Hydroblast》の使い勝手を確かめるのが入れた目的としては大きいです。

《無のロッド/Null Rod》
採用理由としてはストームやデスタクを意識してという話になりますが、これもやはり他の色で枠争いに敗れがちなこのカードの検証という面の方が大きいです。

*《無のロッド/Null Rod》と《漸増爆弾/Ratchet Bomb》の共存について
同時に入れる相手はほぼ居ないので問題ないと思っています。デスタク相手に《漸増爆弾/Ratchet Bomb》は、カウンターを貯めた所で《ちらつき鬼火/Flickerwisp》にカウンターをリセットされる可能性があるので入れたくないですし。ストーム相手の3枚目以降のトークン用除去のとしての《漸増爆弾/Ratchet Bomb》の評価や、《湿地での被災/Marsh Casualties》の枚数によっては共存することになって問題があるので、その場合《無のロッド/Null Rod》が不採用になると思います。

《漸増爆弾/Ratchet Bomb》
弱いので入れたくないですが他のチャリスに対処できる選択肢は(チャネルが死の影で使っていて話題になった)ゲスの玉座位です。流石にCMC2が上限のEEよりはこちらの方がマシですし。

墓地対策3
MOは墓地コンボが多いので多めに取った方が無難だというのが定説です。また、青黒だと悲しいかなサイドカードの選択肢が狭く、枠が余ってしまう都合上、自然と墓地対策が厚めになります。

■不採用にしたカード

《呪文嵌め/Spell Snare》
クリーチャーだろうが、置物だろうが、マナが潤沢に余っていようが、対象に取れさえすればカウンターできるのが大変強いカードなのですが、適切なタイミングで引いた上で浮かせたマナに相手が突っ込んで来てくれないと真価を発揮できないカードなのが好きではないため不採用になっています。《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》や《悪意の大梟/Baleful Strix》をアド損なく対処できるのは間違いなく強いとは思います、《紅蓮破/Pyroblast》がないので特に。今回は《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》での事後的処理を優先する方針にしました。

《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》
このデッキはあくまでグリデルからの延長として、マナベースの安定を目的として2色に絞ったデッキであるため、ヒムの採用率が高いBUG系とは成り立ちが異なります。まず、このカードを《思考掃き/Thought Scour》によるアンコウの高速召喚というメインコンセプトと齟齬のない形で使うならば「2ターン目に《Underground Sea》2枚からキャスト」以外の形にはなりませんが、これはマナベースの安定という目的と真っ向から矛盾してしまいます。また、これを2ターン目以外にも撃って、手札の除去を落としてからゆっくり展開する方向性ならばそもそも《思考掃き/Thought Scour》は不要です。総合して、カードパワーは高いもののデッキに合っていないので不採用です。

《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《思考掃き/Thought Scour》からの再利用というのは見た目は綺麗ですが、青黒2色でなおかつヒムも無いため、わざわざこれでFBしたくなるほどのスペルがありません。

《狼狽の嵐/Flusterstorm》
ピアスの項での理由です。別にあってもいいですがないと駄目なわけでもないので今回は不採用に。
青白ニヴメイガスの実況動画を作ったので、よろしければ御覧ください。初回なのでほぼ青の要素しか出てきていませんが、次回以降はそこそこ青白ならではという要素が出てくる予定です。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm34458947
【レガシー】雪ん子テトさんとゆかりさん~謎の精霊を添えて~


-------キリトリ-------


先日のMOのアプデで長らく続いたリプレイバグが直り、記録をサボっていて詳細不明になってしまっていた部分も見返せるようになったため、この機にきちんとつけなおすことにした。

総合:132/213 (62%)

こんなもんかなと思うが、リスト固定前で
・不合理なサイド
・デッキに慣れてないことによるプレイミス
を含むデータなので(言い訳)、これはほぼ完成したのでは、と思えるリストができて、かつそれなりに習熟したVer. 4以降のデータは個別にも記録しておいて、一定以上溜まったら比較する予定。現状11/15。

以下、対戦が多い順に戦績と感想を。

■奇跡:9/14 (64%)

+要素:
・ピアスよりもフラスターの方が強い瞬間が対奇跡では多い
が一応あるとは言え、

-要素:
・そもそもベースの青白デルバーが構造的に奇跡に強いようには見えない
・ニヴメイガスが全く働かない
の2つがあまりに重く、最初の頃はとにかくきつかった。安定して勝てる気は全くせず、一応5割弱は食らいついていてもたまたま運が向いただけだという感触だった。

しかし、構成の見直しとサイドプランの修正によりそれなりには勝てるようになったと思う。負けの大半は初期のものなので、今後はもっと数字がよくなるといいなということで。

■デスタク 8/13(62%)

これもやはり途中まではやたらと負けて負け越していた。ニヴメイガスとフラスターが盛大に足を引っ張るせいなのだが。ネメシスの増量、カラカスによるサイドからの土地の増量&サリアへのリソースを使わない除去という働きによりかなり勝てるようになったので一気に勝ち越しに転じた。

十手と剣とネメシスがあり、基本土地も十分取れている以上、根本的な相性としては流石に不利になるわけはないが、2ゲームきちんと取り切れるかとなると安定度の問題になってくる。カラカスは序盤に土地を詰まらされて死ぬケースを二重に減らしてくれる(単純なマナ、サリアへのバウンス)ので、この安定度という点に最も効いているのかなと感じる。

■グリデル 7/12(58%)

ニヴメイガスの存在、更にネメシスを多めに取ってあることと、除去がソープロであることにより地上はかなり支えやすくなっている。ただし除去の絶対数の問題で、デルバーが複数枚出てきたりすると一瞬でライフが溶けて負ける。

多い相手なのでサイドに何かしらの有効牌は必要だと思う、現状は75枚中に流刑が1枚は必要という所で止まっていて、よりよいものがないか考え中。

■ANT 8/12 (67%)

フラスターが4枚あるのでメインから勝てる……と言いたいが全くそんなことはなく、勝率分布はメイン25% サイド79%である。当たり前のようにメイン負けてるな?と疑問を持ちつつも、最終的には割と勝っていたのできちんと集計するまでここまで酷いとは気づいていなかったが愕然とした。

単純な話、こちらがFoWとフラスターで4+4の(ほぼ)確定カウンター体制であった所で、現在のANTはこちらよりも明確に多いキャントリップ+8Duress体制なので引っこ抜かれて負ける。

では何によってこのサイド勝率は確保されているのかというと、白系のパーマネントによってである。特にRiP。流石にというべきか、キャントリップはアドバンテージを取っているわけではなく選択的にドローをしているだけなので、カウンターのみに頼るメインと違い、パーマネントも追加されるサイド後は相手の対処がほぼ追いつかなくなり、そこにフラスターによる初動への牽制が加わることで相手が勝つためのハードルが非常に高くなって勝ちやすくなっているのではないかと。

ちなみに思考掃きグリデル(妨害手段はFoWとDazeに加えてPierce4、ハンデス無し)だと5/5, メイン67%のサイド88%だった。メイン勝率の差は、運もあるだろうが思考掃き経由のアンコウのクロックの圧倒的な速さの影響が大きいのかなと思う。

■スローデプスとターボデプス 4/6と3/4, 合計7/10 (70%)

見たカード的に多分これはスローだろ、こっちはターボだろ、と雰囲気で分類したので一応ここでは一緒に。引きの噛み合い次第でデプス系に結構負けるのが嫌だったので封じ込める僧侶を完全に廃してカラカス2枚にするようになった。ソープロが一応役に立つ(マリットレイジに使いたくはないけれど……)ので、スローデプス相手にソープロでボブを安定して除去できるのが良い点。

■赤単プリズン 4/9 (44%)
何故かアホほど赤単プリズンに当たる時期があり、先手T1月で結構負けた。また、直接火力がない上ピアスもないので、ポロっと通った罠の橋でそのまま詰んでしまうことがある。ただし基本土地の量は十分あるので、手番と噛み合い次第で問題なく動けて勝てることも。事前予想よりは勝てていないが特に運に左右されやすい相手な上、最近全く当たらないので今後どうなるかでまた対処を考える。

■青赤デルバー(果敢型) 7/9 (78%)

石鍛冶バターをフラスターで守って祝・勝利、たまに別ルートもあるよ、でだいたい勝ってる。

■スニークショー 7/8 (88%)

ANTと違い、フラスターにより明確にショーテルを潰しやすいこと、スニーク即起動までいかれなければ解呪で破壊できたりもすること、翻弄する魔道士が強いこと等により安定して勝てる。
負けるゲームは1,2 ターン目に高速で決まってしまうパターンだったので、対策カードとしては2マナが重い封じ込める僧侶よりも、最速コンボへの解答になり、なおかつ色的にサイドインされやすいであろう《秘儀の職工/Arcane Artisan》にも対応可能なカラカスの方が強いと思った。

■エルドラージストンピィ 6/8 (75%)

ニヴメイガスと石鍛冶で地上を支えて、デルバーとネメシスで回避で殴って勝ち。チャリスがなければソープロでファッティにも対処可能。

■赤黒リアニメイト 4/8 (50%)

墓地対策がサージカルではなくRiPになっている分、サイド後の後手を確実に取るのが難しい(4/6)相手。カラカスを増やしたのはここに抵抗したかったためもある。不毛を抜いて入れることでマナの補正もできて一石二鳥。

その他金魚によるとメタ内らしいデッキ

■グリコン 1/3 (33%)
流石に不利。メインはなんか勝ち越している(2/3)が、サイド後に最適化された後は辛い。正直改善の見込みはあまりなく、冬の宝珠は後引きして吐いた。でもまぁ居ないからいいかと思っている。

■土地単 1/3 (33%)

■エルフ 2/5 (40%)
基本的には十手が間に合うかどうかのゲーム。相手の引きがいいとだいたい間に合わないので負ける。リアニとここへの意識を強めるためと、重コントロール相手にRiP2枚目は入れないなと感じたので1枚を墓掘りの檻に変更した。

■青白石鍛冶 (コントロール型) 3/4 (75%) + パトリオット 1/3 (33%)

金魚のは青白デルバー含みの数字なのでまとめて。2色の青白デルバーには当たらなかったが、不思議なことに複数人のパトリオットにあたった。居たのか。正直対パトリオット戦は、2色に絞って土地を不毛で阻害されにくいこちらと、3色でカードパワーを高めた相手とでどちらの利点が生きるかという噛み合いの勝負以上のものにはならないという感想になったし、多分今後当たることもそうないので何かを考える必要は特にない気がする。

■死の影 5/6 (83%)

・除去がソープロ
・基本土地により不毛でイージーウィンされづらい&ネメシスが安定して出る

以上により少しずつ有利が取れていて、マッチとしては大幅に勝ち越している。ただし、ゲーム単位だと7割に届かない(サイド後後手でヒム連打やたまたまツンドラを引いてしまった時に不毛連打などで押し切られた)ので運良く星の散り方が噛み合っただけかも知れない。

■エルドラージポスト 3/6 (50%)
メインの後手率が5/6、そのうち4敗しているので正直運では?と思わなくもない。ただ、サイド後先手は5/5にもかかわらず、サイド後後手ではいくらか取りこぼしてしまっているのがこのマッチ勝率の原因なので、後手時のサイドプランが不適切だった可能性がある。石鍛冶の関係上、こちらの動きもデルバーとしてはある程度重めなので、冬の宝珠をとっていても後手時は入れるべきではないと思った。

■感染 2/4 (50%)
対戦回数が根本的に不足しているのでなんとも言えない。パンプで除去を回避しづらい分、赤系デルバーよりも有利度が増しているのではないかと思わないでもないが、4戦全てが後手だったとは言えメインの勝率が1/4だったのでそこまででもないかも。



ただし、メタ外の有象無象には《呪文貫き/Spell Pierce》の汎用性の方が《狼狽の嵐/Flusterstorm》の局所的な強さよりも勝るケースが多いので、それらで星を取りこぼしている。

例えばアルーレン、食物連鎖、エンチャントレスなどは理屈上不利だろうなと思っていて、実際1回ずつ当たってどれも「これは無理」と強く感じた。
デッキの話ではなくカード単体としての話。

5点満点、1の「ゴミ、今すぐサイドアウト(ピッチコストが足りないという理由以外では残さない)」から5の「神、ゲームの行く末を左右するキーカード」までの評価。ついでに《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》の評価も併記。

相手デッキ名:ニヴメイガスの評価、ネメシスの評価の順番。

メタは筆者が観測した12/7時点の金魚調べ。

グリデル:4、4
スニショ:4、2
奇跡:1、5
グリコン:2、5
ANT:4、1
スローデプス:1、3
青赤果敢:4、3
エルドラージ:5、4 *
デスタク:1、5
エルフ:1、3
ターボデプス:2、3
土地単:4、5
死の影:4、5
リアニ:4、1
青白石鍛冶:1、5
赤単プリズン:5、3 *甘めに見てサイド後も5ということに
感染:4、2

*ニヴメイガスはサイド後4に下がる。《狼狽の嵐/Flusterstorm》が抜けるので。というか全部は抜かない方がいいんだろうか?よく分からない

■評価基準
感染相手の高評価は軽く出せて使い捨てにしても問題ない唯一のブロッカーでありつつ、相手デッキの性質上パンプする機会が多いからという点を買ってのもの。エルドラージ相手は高い壁を作れると勝ちにぐっと近づく点での評価。グリコン相手には一応白系よりはマシなので2点をつけているが、2点は「代替があるなら喜んでサイドアウト」という評価なのでサイドアウトできるならする。ちなみに、3「キープ基準にはまずならないが一応使えないこともない」 4「初手にあって嬉しい、積極的に活用可能」くらいな感覚。

デプス系相手の評価が低いのは、
・ハンデスでスカスカにされるためそもそも餌にできる不要牌が無い、
・相手側の事情も同様なのでフラスターのストームが溜まりもしない、
・《突然の衰微/Abrupt Decay》の存在、
・《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》にニヴメイガスが殺される
(先制攻撃2点→生贄でカウンター0、2点ダメージの1/2になって即死)、という点による。

スニショとANT, リアニでネメシスの評価が違うのは、相手の有する全体除去が全体火力なのか、全体-修正なのかの差。《虐殺/Massacre》が飛んで来ない青赤ならANT相手の点数が違うかも知れないがまぁ弱いことに変わりはない。

■これらを踏まえてどう考えるか

ニヴメイガスの評価1多くない?なんでそんなカード使ってんの?と思う人はきっと正しい。ただ、弱さが許容不可能になるマッチが増えるのが特に《紅蓮破/Pyroblast》の増えるサイド後であることと、メインに多めの《狼狽の嵐/Flusterstorm》を取りたい/取ることを肯定したい、という*趣旨での採用ならば、一定程度かなり強いマッチ(評価4~5)が存在することもあり、ニヴメイガスの採用も肯定できなくはないだろう。ただまぁ、考察3の繰り返しになるが代替になるカードは必要。

*多分青赤でこのカードが発掘されたそもそもの理由

■おまけ デルバーと石鍛冶だと

デルバーと石鍛冶を同様に評価すると、

デルバー:だいたい全部5、土地単だけ3かも
石鍛冶:

グリデル:3
スニショ:2
奇跡:4
グリコン:3
ANT:5
スローデプス:4
青赤果敢:4
エルドラージ:5
デスタク:5
エルフ:5
ターボデプス:4
土地単:4
死の影:3
リアニ:1
青白石鍛冶:3, サイド後4
赤単プリズン:4
感染:4

点数は持ってこれる装備品がどれだけ有用かという基準でつけた。デプス相手の4は腹心/森林守りを簡単に除去できる十手が欲しいという理由。エルフ相手の後手だと十手を持ってきても間に合ってるか激しく怪しいが、それは石鍛冶の問題ではなくカウンターできなかった所の問題だと思うので一応5。
直近のリスト(Ver. 3)がこちら。

https://www.mtggoldfish.com/deck/1556892#online

最初はWU扱いだった金魚がなんか名前をつけてくれたり、普通の青白デルバーがWU扱いになってたり、かと思いきや紙大会の結果の青白デルバーは青白石鍛冶の方に合流されてたり、相変わらず金魚のデッキ名基準はよく分からない。

さて、ニヴメイガスデッキでの非常に重要なポイントとして、 《ニヴメイガスの精霊/Nivmagus Elemental》は伊達に登場以来長い時をストレージのカスレアとして過ごしたわけではなく、弱い相手には極端に弱い。特に《紅蓮破/Pyroblast》が追加されるサイド後はそれが顕著なので、できればサイドアウトしたいマッチは多い。そのため追加/代替のクロックとして機能する何かがサイドに必要になる。(この点は別に青赤でも変わらないと思う。)

サイドの変遷

全Ver. で共通するカード

《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《真髄の針/Pithing Needle》
《議会の採決/Council’s Judgment》
《解呪/Disenchant》2
《安らかなる眠り/Rest in Peace》2

《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
《カラカス/Karakas》

Ver. 1
《冬の宝珠/Winter Orb》
《基本に帰れ/Back to Basics》
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
《封じ込める僧侶/Containment Priest》

Ver. 2
《冬の宝珠/Winter Orb》→《基本に帰れ/Back to Basics》の2枚目

Ver. 3 (最新)
《封じ込める僧侶/Containment Priest》→《カラカス/Karakas》の2枚目
《基本に帰れ/Back to Basics》→《冬の宝珠/Winter Orb》に2枚とも入れ替え
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》→《翻弄する魔道士/Meddling Mage》の2枚目
メインの《流刑への道/Path to Exile》とサイドの《議会の採決/Council’s Judgment》の交換(途中一度《外科的摘出/Surgical Extraction》を経たがやはり流刑が75枚には必要という結論に)

Ver. 4 (思案中)
《冬の宝珠/Winter Orb》2→何か
《安らかなる眠り/Rest in Peace》の1枚→《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》

各カード考察

《安らかなる眠り/Rest in Peace》

このデッキの明確な主張点。たかだかRiPで何言ってるんだと思うかも知れないが、現在のレガシー環境ではさっぱり使われていないのだから実際主張点になりうる。他デッキではせいぜいがデスタクにほんの少し入っている程度だが、デスタクだとリアニメイトの初動にこれが間に合わないため、墓地を利用するコントロールへの対策カードとしてしか機能しないことがほんの少しな理由だと思われる。他の白が入るデッキは自分で墓地利用をかなり(《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》)するので使えない。AK奇跡相手にも1枚入れていいかなという気はする。

ただまぁ当たり前だがやっぱり間に合わない時は間に合わないのと、グリコンや奇跡のような、墓地依存デッキではなく墓地をアドバンテージ源として運用するデッキに対して2枚入れるとダブってきついので1枚のみ入れる方がいいのではとも。ならばリアニに間に合う可能性が上がるように&エルフにサイドインできるように《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》と1枚散らしても良いのではないか。

ただし土地単相手はRiPでないと意味がないし、ANT相手のRiPはかなり効果的なので(PiFのみでなく、墓地の枚数で+αを得る2種類が死ぬので勝利へのルートがかなり限られる)どうかなぁという思いも。

《封じ込める僧侶/Containment Priest》
《翻弄する魔道士/Meddling Mage》


ヘイトベアー。カウンターのみに頼ると簡単に負けうるので枚数はともかく採用自体はした方がいいだろう。《翻弄する魔道士/Meddling Mage》は何故かあまり採用されていないが、対コンボで特に劇的な上、奇跡相手にも入れられる*など応用力の高さが魅力。というかニヴメイガスの精霊はサイドアウト頻度が高い(《紅蓮破/Pyroblast》+普通に何かで殺せる相手と、地上が通らない相手にはサイドアウト)ので何らかの代替クロックがサイドに欲しい。

*指定はソープロで、《議会の採決/Council’s Judgment》、《紅蓮破/Pyroblast》を引き出してネメシス前の避雷針として使うのがメイン。瞬唱との相打ちには注意。瞬唱をそのまま指定するケースも。

《カラカス/Karakas》
グリデルを使っていたときにデプスにやたらと当たったので、折角白いし散らして入れるかということで2枚目の《封じ込める僧侶/Containment Priest》をこちらに。《紅蓮破/Pyroblast》が無い分《秘儀の職工/Arcane Artisan》への対処手段が限られるので、スニーク相手にも散らす積極的動機はある。サリアデッキ相手に追加の土地としても。

その後、デプス系にポロッと負けるのが嫌/リアニ相手にRiPだと速度が間に合わないのでもっと対策が欲しい/思ったより追加の土地としてのカラカスが便利、ということで2枚目もこちらに入れ替えた。

《冬の宝珠/Winter Orb》
正直疑問な枠。奇跡に対してかなり相性が悪いはずと思ったので、思考掃きグリデルで使ってとても好感触だったこれをBtBと1枚散らしてみたものの、そのせいでBtBなら勝てる相手を落としそうだし、肝心の奇跡には思考掃きグリデル(やカナスレ)のように動きが軽いわけではないのであんまりな気も。ただ、フラスターやニヴメイガスとの兼ね合い上、できれば奇跡相手にも《目くらまし/Daze》を多めに残したいのでマナロック要素が欲しいとは思う。

というのがVer.1 時点での考察。その後ニヴメイガスを奇跡相手には抜くことになった。ただ、《議会の採決/Council’s Judgment》やジェイスがきついため、重いカードを咎めたいという意味合いは残る。

じゃあなんでVer. 4で抜くかもとか言ってるのかというと、やはり後引きでの弱さがどうしようもない&土地単/エルポスに効きにくい点に不満があるため。

《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
伊達に採用率が高いわけではない。トークンが2/2なのがとても偉い。2枚目が採用されるのも頷ける強さ。ただし対奇跡でサイド後できれば枚数を減らしたい不毛がないとあまり4マナに到達しなさそうなのが問題。

類似品として《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》や《希望の夜明け/Dawn of Hope》なども一応考えはしたが、流石に起動4マナを一々払うのが軽さと釣り合ってないと判断。石鍛冶デッキなのでエンチャント破壊のサイドインとも無縁ではないし。トークン生成のカラーパイの最有力は緑と白なはずなのに黒の《苦花/Bitterblossom》が一番強いのっておかしくない?

《基本に帰れ/Back to Basics》
折角の基本土地型デルバーだしねということで1枚は確実に採用。冬の宝珠を抜くなら順当に2枚目を。

がVer1, 2までの思考。その後、「ここ本当か?メインに3マナ寝かせてマナ拘束して本当にそんなに嬉しいデッキあるかな。エルポスにはまぁ流石に有効だが、ストンピィの方だとこれだけでキープするとどかどか生物に殴られて一瞬で負けかねない(このデッキは奇跡のような防御力がない)のでむしろ殴ってる方が強い」「グリコンは不毛対策で基本の島沼を明確に優先して持ってくるのであんまり効かない。そもそもパイロで割られる」という考察を経て、ここの2枚はコントロール2種類により有効になる冬珠の方が良いのでは?と思いVer. 3では《冬の宝珠/Winter Orb》2枚になった。

ただし、エルドラージポストや土地単相手に冬の宝珠を入れてもそこまで強くなく、むしろ自分の動きが阻害される方が痛いまであるのではと感じたのと、コントロール相手に早期に出せている時は強いが後引きすると弱さに目眩がするのが気になる。

《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
ニヴメイガスとフラスターが弱い相手に対して入れ替えと、そういう相手に必要になる各種のカードの増量を兼ねて。メインから取ったりサイド2枚にしても良いかもとは思う。ただしメインに入れるとニヴメイガスとお別れすることになるかと。

《議会の採決/Council’s Judgment》
ピアスがないので置物対策の3枚目が欲しいかなと思ったが、流石に解呪を3枚も取るのはどうかと思ったのでこちらに。PWもネメシスも退けられるが白白が怪しくもある。
というかこれのために《Tundra》をフェッチしてくることが裏目になるケースあり。ただし不毛がない相手には万能なのが本当に偉い。

メインに3枚目の《Tundra》を採用したのを機にメインに昇格。まぁ万能さが売りのカードなのでメインでもいい。どうせ《流刑への道/Path to Exile》があってもコンボ相手に役に立つわけではないので。

《真髄の針/Pithing Needle》
指定先色々。ピアスがないため、PWや《騙し討ち/Sneak Attack》を止められない点を補ってほしいので必要かと。特に神ジェイス。

《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
チャリス対策兼トークン用スイーパー。たまに低マナクリーチャーへの除去として。自軍を巻き込むのは問題があるものの、青白だと次の選択肢が《至高の評決/Supreme Verdict》まで飛んでしまう。

《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》
プロテクションにより梟を無視できる点を買って。コントロール全般に強い。1/2のニヴメイガスや出涸らしの石鍛冶も除去必須になる。問題はサイド後なので壊されうること。ただし効果は本当に劇的なのでそれを踏まえた上でも採用する価値がある。弱い装備を代わりにサイドアウトする選択もできるのも重要。

その他の採用候補

《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
無難に強いし飛んでいるので何相手でもまぁまぁやる。まぁまぁやるで満足するのならメインに入れとけよという気がしたので今回は不採用。コントロール型の石鍛冶にカラカスとセットで複数枚(2-2とか)使っているのはとても強いと思う。ただまぁとにかくきついジェイスに対してかなりの強さを発揮するので悪くはない。

というのがVer. 3まで。その後、青白系コントロール相手に《カラカス/Karakas》を1枚入れるようになったため、これを自分でも使うようにするのも良いのではと思えてきた。アンチコントロール、アンチコンボを兼ねて。ただしグリコン相手には、・不毛をそもそも減らさないし効かないのでカラカスを入れない ・全体除去がタフネス-1修正 とさっぱり効かないカードなのでただでさえ苦手なグリコン相手が厳しくなる。最近滅多に当たらないからいいと割り切るならば良いのかな?

《水流破/Hydroblast》
島だけで月に対処できる点や、グリデルなんかでもサイド後に《紅蓮破/Pyroblast》と《削剥/Abrade》とが増えるなら当たる対象が結構多いだろうという点でありかもなと思わないでもない。対象変更効果を食らう可能性<これとフラスターだけが手札にあり、赤いパーマネントがなく、フラスターのためのストームを稼がないと負ける、という状況が発生する可能性だと思うので仮に取るなら《水流破/Hydroblast》優先。《青霊破/Blue Elemental Blast》だとヤンパイ、メンターが入っていないのが確定してしまうのも込み。

対コントロール用フィニッシャー枠を求めての試行錯誤録
は考察6の雑記へ移動
出来上がった青白ニヴメイガスのリストがこれ。(5-0は3回、勝率は一部データが飛んでるせいもあって細部は不明だが6割台前半かと)
https://www.mtggoldfish.com/deck/1535380#online

こちらはベースとなった青白石鍛冶デルバーのリスト。従来主流だったコントロールよりの青白石鍛冶*と異なり、デルバーデッキの2マナ域クリーチャーとして石鍛冶パッケージを採用した形。パトリオットの赤抜き版とも言える。
https://www.mtggoldfish.com/deck/1306778#online

オーウェン・ターテンワルド/Owen TurtenwaldがGPリッチモンドで10位に入賞したこのリストの派生がMO上でも散見されるようになっており、つい先日のGP静岡でも5位に入賞している。

*12/23時点の金魚調べでは、死儀礼禁止の7月以降はデルバー+石鍛冶が25例、Tundra+石鍛冶が100例。コントロール型の石鍛冶は差し引き75。オーウェン型の青白2色の石鍛冶デルバーは20/25、オーウェン以前のデルバー+石鍛冶(5例)は赤入りのパトリオット。

さて、この青白デルバーに《ニヴメイガスの精霊/Nivmagus Elemental》と《狼狽の嵐/Flusterstorm》を使うと、次のようなメリットがあると期待できる。

デッキ構造面:
1. 2色でまとまるので基本土地が取れている部分を壊さないため月やBtB、不毛連打に耐性がある
2. 加えて、2マナ以上の部分のみでも勝ちうる構造になっているので、チャリスに多少の耐性がある。故に青黒では大問題だったピアス→フラスターの変更が致命傷になりづらいはず
3. デルバーとジェイスが同居する意味不明な*構成からアグロよりになるのでデッキの内容に一貫性が出る

石鍛冶から:
4. 全ての除去が当たるものの生き残ればゲームが決まる石鍛冶と、除去へのカウンターとしてはそれなりに信頼の置けるフラスターの相性がいい
5. 装備品に必ずしも依らない高クロックを用意できることで石鍛冶への依存度が下がり、アーティファクト破壊への耐性が上がる

ニヴメイガスから:
6. 強化しないとゴミなニヴメイガスの精霊のスペックでも装備品があれば働ける
7. ニヴメイガスは一応稲妻に耐性のある生物で、ファッティでのブロックによる対処もしづらいので装備先としては適性が低くはない部類

青白という色として:
8. ソープロは除去としての性能こそ高いものの腐るマッチでとことん腐るのが問題なので、ダメージへと変換可能になるのがとても嬉しい
9. 青白はソープロに次ぐ2番手除去の性能が悪いので、引きに恵まれないと相手の攻勢で一気にライフを削られやすいため、軽く出せる地上ブロッカーとしてのニヴメイガスに一応価値がないこともない
10. ニヴメイガスと墓地利用との相性の悪さの都合上SCMのスロットを割いての採用になるため自分からの積極的な墓地利用が薄くなり、気兼ねなく《安らかなる眠り/Rest in Peace》を使える
11. RiPを始めとした白2マナの各種対策カード**は非常に強いものの、そもそもコンボ相手に2マナが重くて間に合ってるのかが怪しいという問題がある。この点をフラスターが自然に4枚入り、最速の初動を咎めやすいことによりカバーできる

*GPでも勝ってるんだし、プロが作ったリストなのだから恐らく相応の良さがあるのだろうとまでは思うが、自分には正直何がしたいのかよく分からない。普通の青白石鍛冶の感覚の名残でしか無いように思える。
ちなみに作者のオーウェン曰くこんな感じ。
>My final slots are rounded out by two copies of both Snapcaster Mage and Jace, the Mind Sculptor, but I’m not sure how I feel about it.
http://www.starcitygames.com/articles/37665_The-Best-Legacy-And-Standard-Deck-For-Grand-Prix-Richmond.html

**対策をカウンター、ハンデス、パーマネントと散らして、コンボ側に楽な対処をさせないのがコンボ相手の定跡だが、黒や赤のパーマネントにはデルバーが使う対コンボサイドとして有望なものが乏しい。白を使う明確なメリットと言えるだろう。

2, 4, 11は要するにフラスター>ピアスとなりうる明確な理由を持ったデッキの素体を用意すればメインのフラスターをより積極的に肯定できて良いのではという趣旨。置物に元々耐性があり、なおかつ「これを守れば勝てる」という条件を設定できるならばフラスターのメリットが明確に活かせるため。こうして考えていくとなんだか普通に強そうな気がしてきたので形にすることに。

色とデッキの特性はともかく、実際のリストの大枠を決めるのには全く時間を要さなかった。

4枚固定枠×8
Delver, Stoneforge, FoW, Daze, Brainstorm, Ponder, Fluster, StP

装備品1×2
Butterskull, Jitte/Sword

土地18~20

土地を最小限の18にしたとしてもすでに52で残り8枚。ここにニヴメイガスを押し込む形で決めればいい。

コンセプトであるニヴメイガスは、複数枚引くことが全く嬉しくないカードなので4枚の採用はあまりしたくない。ただし引かないとフラスターが腐る相手に大惨事になってしまうし、一応青のカードなので魔法の合言葉、Willの餌もある。そもそも軽いことが評価されてるんだから初手付近に欲しい。以上から3枚。
*2枚に減りました

次に、《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》。これは一般的には、というかオーウェンのリストとその派生では2枚の採用だったが、わざわざ2色に絞って基本土地を採用し、UUも3マナも安定して出るようになっている構造にも関わらず2枚しか採用されていない理由の理解に苦しんだ*のでとりあえず3枚。そもそも石鍛冶デッキなんだから装備先としても重要だろう。

*4枚に増えました

また、いわゆるデルバーの伝統的マナベースである不毛以外で14枚というのは不毛以外の「青マナソースが」14枚という意味だと思っているので、島でない基本土地を取る場合にそこの枠から削るのは好きではない。青赤で山と不毛、これで平地と不毛ではスタートできないわけで。というわけで土地は最低19**とする。


*オーウェン曰く「昔の石鍛冶ではトラフトだったけどネメシスが出た時すぐに入れ替えたんだ、その後ネメシスはレガシーに完全に定着したし、慧眼だったね」とのこと。いやなんで2枚なのかの理由が欲しいんだよ解説ってそういうことだろうよ!!!(結構前のGPリッチモンド直前の記事を非プレミアムの状態で読んだだけなので、プレミアムに入って記事の全貌が見られるならばきちんとした解説がある可能性はある。SCGのプレミアムの仕組みをよく知らないので違うかもしれない)

**ただまぁ当然土地の総数を増やすとマナフラしやすくなるわけで、マナフラ受けになる何かがデッキの中にあった方がいいんだろうとは思う。でもジェイスまで行くと流石にどうかと。相手が使うジェイスとこっちが使うジェイスだと確実に相手の方が強いし。

ここまで半自動的に決まって自由に使えるのはなんと1枚だけになった。楽でいいといえばいいが1枚だけなのでいくらでも悩んでしまう。  

ぱっと思いついた候補は以下:

4枚目の《ニヴメイガスの精霊/Nivmagus Elemental》
メリット:コンセプトがより強化される。
デメリット:単体で使えないカードなので餌にしかならない場面が多そう。

4枚目の《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》
メリット:地上を受け止めやすくなり、単体で一定以上強い。単に出されるだけでとても辛い《悪意の大梟/Baleful Strix》を無視できる。
デメリット:重くて間に合わないことがしばしば発生する。コンボ相手に邪魔。

1枚位アンシナジーでもいいだろうと《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
メリット:パワーカードであり、フラスターとも高相性。
デメリット:重い。また、基本的に除去を水増しするのが強い使い方だが、このデッキでソープロを使い回すとライフゲインがかなり気になるし、そもそもソープロを引けていないと役に立たない。

3枚目の装備品として《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》、あるいはそもそも十手でなくこちら
メリット:プロテクションが強い、能力がどちらも、特にコントロールに強い。
デメリット:重く、除去としては遅い、素で引きたくないカードが増える。

5枚目の除去として《流刑への道/Path to Exile》
メリット:相手の攻勢に間に合う可能性が上がる、ライフゲインさせない。最悪腐っても能動的に変換できる。
デメリット:代償として基本土地を与えることがデッキの特性と極めて相性が悪い。

追加のカウンターとして《呪文嵌め/Spell Snare》
メリット:2マナには除去よりもカウンターで対処したいクリーチャーが多いし、非クリーチャーにもカウンターしたい対象は多い。最初はサイドにありかな?と考えていたのがいっそメインでもいいのではと。
デメリット:後引きだととことん弱い。「腐っても一応使える」というニヴメイガスのメリットと、対象が限られていてそもそもスタックに乗せられないカウンターは全く噛み合わない。能動的にスタックに乗せる機会が自分のDazeを対象にする位でかなり乏しい。

追加のカウンターとして《呪文貫き/Spell Pierce》
メリット:何相手でも手札にあれば使う場面は一応ある。
デメリット:クリーチャーによる攻勢に無力。フラスターと被る。置物に対しては1枚のこれを引けることよりデッキ構造での対策を信じる方が現実的。

石鍛冶を3枚に減らして他を2枚
メリット:枠が増える。
デメリット:青系デッキにおいては、大した数が居るわけでもないクリーチャーに装備することが強いわけではなくバターが2マナで出せるということが強いのだから、石鍛冶の枚数を減らすのは本末転倒。

ゲーム中1回使う機会があると仮定するならばおそらく《呪文嵌め/Spell Snare》が一番強い。そう思ったのでひとまずは《呪文嵌め/Spell Snare》で回していたが、流石にデメリットの部分がまずすぎた。カナスレで使うこのカードがそこそこ強いのはもみ消しにより相手が2マナ域のカードをプレイしてくるするまでに多少の時間があるはずだからということと、カラーパターン的な問題で選択肢が乏しいことが理由なのかなと。コントロールならば単純にゲームが長引くのでいつかは使うこともあるだろうということで納得できる。ただ、この青白ニヴメイガスはどちらの特徴も持っていないしずっと1マナ構え続けていられるわけでもないので、腐る時はとことん腐ってしまう。

《呪文嵌め/Spell Snare》についてそう結論したのと、除去が4枚ではやはり足りないと痛感することも多かったので、《流刑への道/Path to Exile》に変更した。相手次第では全く要らない上に要る相手でもデメリットがきついスペルを、最悪食べられるという理由でメインに採用できるのはニヴメイガスならではの利点と言えなくもない。《太陽の槍/Sunlance》という選択肢もあるといえばあるが、折角の除去をいくらでも引きたいマッチであるデスタク戦で使えない除去ってどうなの……?とも。

マナベースについて:

とりあえず一般的な青白石鍛冶デルバーのマナベースは島3平地1Tundra3 不毛4、青白フェッチ4、他青系フェッチ、で合計20枚というもの。ジェイスを解雇したので少し減らしても良いだろうということと、平地を取るため前述した通り総数18枚にはしないということで総数は19に設定。残りは比率だが、島3平地1で合計4枚というのはBtBを貼ってもジェイスを問題なく使えるようにという理由で決められた数字だと考えられるため、ジェイスが抜けたのならばここに手を付けてもいいかなとも思わないでもない。ただ、今回意識したデッキ構造での月対策という観点からは基本の島を3枚のままにした上で白系フェッチをなるべく増やすのが良いと考えたので、島3-平地1-Tundra2-青白4赤白2青X3-不毛4というバランスにしてみた。装備品の分ある程度マナを伸ばしたくもあるし。赤白なのはtRミラクルへの擬態を意識。フェッチ8でTundra3でもいいが、青赤と違って白マナを同一ターンに複数回使いたい状況*が殆ど発生しないはずなので、極力素で引きたくないTundraを減らした。ただし、不毛を2回されると青フェッチ3枚からは白が出なくなる、白フェッチ2枚からはそもそも何も呼べなくなることがある等のリスクはあるので、Tundra3枚目を取るかどうかは難しい所。**

*赤系デルバーはヤンパイ+火力を構えて除去されても置き土産を作りたいだとか、《紅蓮破/Pyroblast》を構えっぱなしにしておきたい等のRR需要があるため、山1枚のみが赤マナソースだと困る場面はそれなりにあるはずなのでボルカを3未満にするのは無理だと思う。ここは白のスペルの弱さ故とも言える。

**追記
Tundraを素で引いてしまったがために負ける(メインでBtBを貼られるだとか不毛連打されるだとか)ゲームと、Tundra3枚目がなかったがために負けるゲーム(グダった後不毛されてマナを出せる実体の土地が枯れる等)とでどちらが発生率が高いかの正確な所は分からない。どちらも経験したことはある。ただ、白フェッチを採用しているとは言えどうしても青フェッチ経由で白マナを出さざるを得ないケースはあり、その際はTundraをフェッチせざるを得ない。序盤にそれを1回やって不毛されて、でTundraの3枚目がないことが響くケースの方がやや多いかな?と思ったので3枚目を取ることにした。直後にBtB貼られたけど。
https://ch.nicovideo.jp/Iridescent_Null/blomaga/ar1704599

ある敗北者のMTG考
「このゴミは、人を殺すよ」 〜レガシーURニヴメイガス録〜 その1、前提と出逢い



青赤ニヴメイガスの話を読んで、昔このカードを青赤以外の色で使いたいと考えていたのを思いだしたのでいじってみることに。前置きとして、この記事でのスペルという語はinstant/sorceryのみを指し、enchant/artifactは置物と表現することとする。ルール用語と被らないでins/sorだけ上手く表せる略語ってないんだろうか。

さて、このカードは基本的に不要なスペルを食べさせれば大きくなるという設計になっている。実際に色の話に進む前に、まずはカードの能力と相性が良い要素を考えていくと、

フラスター:たまに大量パンプ
デイズ:持っていれば相手が何マナ出ようが稲妻を回避できるし腐りやすいので変換できることが嬉しい
本体火力ではない除去:除去対象が居なければ役に立たないが打点へと変換可能
ハンデス:中盤以降腐りがちだが変換できる
ピアス:賞味期限があるという点で。ただしフラスターとマナ域も仕事も被るので入るかが怪しい

逆に相性が悪い要素は、
墓地利用(特に探査):これで食べたスペルがリムーブされてしまう。

ここまでを見ていくと思うことが一つ。このカード、色は確かに赤いが、青赤で使うカードではないのでは?

採用するとして受け皿になれるのはいわゆるデルバーの亜種になるが、この種のデッキで使われるタッチカラーからのスペルというのはほぼ除去のことだ。そして、赤の除去である火力、というか稲妻は除去範囲こそ狭いものの、最後にプレイヤーに打ち込めるので一応腐らないという特徴を持っている。一方で白や黒の除去は対象が居ないデッキ相手にだと腐ってしまう難点こそあるものの、稲妻よりも除去できる範囲が広い。その難点をニヴメイガスによって克服できるのならば、敢えて除去範囲が狭い色を選択するべき理由*はあるだろうか。もちろん、理屈の上では青赤だと巨大生物に弱いからニヴメイガスで対抗するんだと言えなくもないが、そんなに安定して大きくなれるわけでもないし。

*まぁ話の都合上こうは書いてるが、メインはともかくサイドのパイロだとか、月メイガスを簡単に除去できるとかを考えだすと赤は強い。青白(&ピアス減)だとジェイスが死ぬほどきついので。

というわけで黒か白を相棒にする方向で考えることに。 RTRでこれが刷られた当初、
・終盤のハンデスを変換できる
・いまいち使いづらい上に本体にも打てない黒の除去*を有効活用できる

という点に着目して、青黒で使えば強いんじゃないのかこのカード!と考えてリストに起こそうとしたが、ハンデスを大量に積んで、除去も大量に積んで、ただの地上アタッカーに過ぎないニヴメイガスもいっぱい入れて……とやると枠が60枚にとても収まりそうもない上、「一番強いハンデスであるヒムを大量に積んで相手を黙らせてからゲームを決める、中盤以降で腐ったヒムは何かで活用する」とコンセプトを設定した時の「何か」って、ニヴメイガスと神ジェイスはどっちが強い?という現実に気づいてしまってやる気が無くなった。

*当時黒の軽い除去は《恐ろしい死/Ghastly Demise》/《見栄え損ない/Disfigure》/《殺し/Snuff Out》位が選択肢でかなり弱かったのでこの点がかなり重要だった

今ならハンデス特盛型の死の影が近いだろうか。ちなみにこんなデッキ。

https://www.mtggoldfish.com/deck/1475543#online
噛み合わなかった時のしんどさはありそうだが、2色で纏まっていて、その割に基本土地を採用しづらくて、という死の影の性質と、ヒム(早期に撃ちたい、でも黒黒がきつい)が噛み合ってるようには思える。

話を現代に戻そう。久しぶりにニヴメイガスのことを考えて、折角今はそれっぽいのがあるんだから死の影にニヴメイガスを入れてみるか?と思ったものの、ニヴメイガスと死の影は

・地上の高マナレシオ生物
・単に出しても強くない
・CMCは1なのでチャリスや《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》、《漸増爆弾/Ratchet Bomb》で一網打尽

と、性質がかなり被っている。最後の点がかなりの問題に思える。さらに、ニヴメイガス関連のカードを入れるとペイライフ手段を入れるスロットが残らない。だいたい折角黒いのに探査使いづらいのってどうなの?というわけでまたもや断念することになった。

まぁ、死の影ではなく純粋に青黒のデルバーで使う手はあるかも知れないが、ハンデスが強いのは手札に残るスペル、フラスターが当たるのもスペル。ということでスペルに対して過剰に強くなり、その分青黒のどちらでも触れない置物に対してのガードが相当下がる。ピアスの枠がフラスターに食われる分減ることを考えると、これはかなりの問題だろう。ならば緑を足して衰微を入れれば……とも思ったが、ハンデスと併用する前提で考えて、ニヴメイガスとタルモでニヴメイガスの方が本当に強いか?と言われると非常に怪しい。

https://www.mtggoldfish.com/deck/1395510#online
青黒デルバーの例としてはこんなデッキ。最近人気の苦花と、それを通すためのコジレックの審問を使っている。審問は割と腐りやすいスペルなので合うといえば合うかもしれない。


そんなわけで青黒案は没。じゃあ白で試してみるかと、最近ちらほらリストが上がっている青白の石鍛冶デルバーの追加のクリーチャーとして採用してみることにした。以下次項。
レガシーのへんてこデッキ名の由来まとめ
https://85160.diarynote.jp/201811242233378569/
の続き。

■Solidarity

このデッキの作者が、他の人のリミテを見ていて《結束/Solidarity》で勝ったシーンを目撃したことが由来。(レガシー制定の2004年頃の基本セットは8~9版、結束は8版にて再録)カードとしての結束は全体強化なので全くこのデッキとは関係ない。

https://mtg.gamepedia.com/Legacy_Solidarity_deck

>The name "Solidarity" comes from a Limited game where David Gearhardt witnessed a player win thanks to the card Solidarity (a terrible card in itself). This would spawn a kind of a habit in Legacy to name decks based on entirely unrelated cards (see Nausea and Rabid Wombat).

類例として挙げられている《吐き気/Nausea》《狂暴ウォンバット/Rabid Wombat》は、カードとしての効果は全体-1修正と、オーラの数だけ強化されるクリーチャー。デッキはそれぞれ卵を大量に使ったストーム、悠長な白単コン。後者は《翼の破片/Wing Shards》が攻撃前にガチャガチャ動いてから速攻してくるゴブリンに対し非常に効果的だとかいう理屈で構成されていた。もちろんどちらもデッキ名のカードは入っていない。

the Sourceのnauseaのスレッド冒頭(2005年)に「このデッキ名はソリダリティみたいなもんだよ」とあったので、2005年時点で「ソリダリティのデッキ名はデッキには入ってない結束が元である」との認識が共有されていたことは確かだと見て良いだろう。

http://www.mtgthesource.com/forums/showthread.php?2640-Deck-Nausea-Tendrils-for-the-win

>This deck is called Nausea. The reason for that is because of Solidarity actually. I figured that I would use a worthy name for a worthy deck. The idea actually came from Alix (Ob. Freely) in that, if any of you have ever heard the Solidarity story, Nausea was the reason why Solidarity was boarded in. I’m not saying that Solidarity beats this deck, because it doesn’t, I’m saying that I really like that story. XD

■MUD

デッキとしては《金属細工師/Metalworker》が特徴ということになっているが、デッキ名の由来自体は相手を多数の妨害アーティファクトで減速させる様を動詞のmuddy(〈…を〉泥でよごす,濁らせる; 曇らせる.)になぞらえたのと、アーティファクト単であったので枠の茶色に引っ掛けて、Mud(泥)の意。ここで返信している人によれば「だから別に金属細工師が入ってなくてもMudって呼んでいい」とのこと。

https://boardgames.stackexchange.com/questions/23071/why-are-mud-decks-called-mud

紹介されていた記事を斜め読みした感じ、茶単で加速手段に金属細工師ではなく覚醒の兜を用いていたデッキ(妨害は《氷の干渉器/Icy Manipulator》とかでタップしまくる)と、ウェルダーのために赤が入って妨害ファクトだらけのデッキ(まぁ多分スタックスと呼んでいいだろう)の2つのデッキを組み合わせた結果金属細工師の入ったMudが完成したのだそうだ。(つまり《金属細工師/Metalworker》ありきで組んだわけでは別にない、多分。)

http://www.starcitygames.com/magic/vintage/5930_The_Complete_MUD_Primer_Part_1_Development.html

Czech Pile (4Cレオヴォルド)

最初にこのタイプのデッキを使って勝ったのがチェコ出身のプレイヤーだったので。
https://www.reddit.com/r/magicTCG/comments/7lqxm7/why_is_it_called_czech_pile/

特に各カードが強いコンボを構成しているわけではなく、構造的にはグッドスタッフなので"Mix"ではなく"Pile(束、山)"と呼ぶのが相応しかろうみたいな考察もあった。

同国では少し意識されていた様子。

Czech’s Great Legacy – Czech Pile-
https://article.hareruyamtg.com/article/article_en_340/?lang=en

この記事の少し後にシャーマンが死んでこのデッキもほぼ死んだのはご愛嬌。

■Baseruption

Disruption(崩壊)とBase(基地)の組み合わせ。和訳しようとするなら、お前の基地の全てを崩壊させてやる!といった所になるだろうか。Baseってなんだよという部分の背景を説明すると、チームaYbというドイツの人たちが作ったデッキで、

>The deck is called “Baseruption” or, as our team nicknames it: “ayb.aseruption”

Windux(チームaYbの一人)によると、
>It doesn’t make sense in german. It’s just a combination of Disruption and Base [aYb = all your base (are belong to us) for those who know it ;)
とのこと。

http://www.mtgthesource.com/forums/showthread.php?6504-Deck-Baseruption-(aYb-Aggro-Control)

aYbは当時海外で認知度が高かったミーム。
https://ja.wikipedia.org/wiki/All_your_base_are_belong_to_us



■Deadguy Aleの別説
https://drk2718.diarynote.jp/201811280210032282/

こういう説も。納得感があるのでこれでいいんじゃないだろうか。



おまけ:エクステンデッド

■Next Level Blue

筆者が最も美しいと思っているデッキ名。というのも、エクステンデッドにおいて青いコントロールがNext Level Blue(以下NLU)と呼ばれだした時期は相殺独楽コンボが使えたので、NLUはCounterTop-Goyfからの派生デッキであった。

http://mtgwiki.com/wiki/CounterTop-Goyf
http://www.mtgtop8.com/event?e=57&d=252784&f=EX
PTヴァレンシアで優勝したCTG。使用者のRemi Fortierが若きイケメンだったこともあり日本でも多少話題になった。このデッキに存在している要素を突き詰めていったのがNLUである。

http://www.mtgtop8.com/event?e=235&d=115266&f=EX
LSVが駆ったNLUはGPフィラデルフィアでベスト4に進出している。このリストのように、初期のNLUは金属モックスで加速して速やかに相殺独楽コンボを揃え、最強のクリーチャー、タルモゴイフを壁として立ててのコントロールを目指しているのが特徴。

「従来のようにドローによるアドバンテージとカウンターの組み合わせではなく、ディスアドしながらも加速して相殺独楽コンボによってコントロールすることにより、青いデッキは次の水準へと進化した」という意味*の名前はデッキの性質を明確に表していてこの上なく美しい。それに対して、「相殺なし、モックスもなしで独楽経由で真っ当に土地を伸ばし、ドローと多めのカウンターを採用する青コン」をNext LevelをもじってPrevious Levelと呼んだのもまた良い。

*多分。少なくともPreviousの作者はNLUはそういう意味だと受け取ったのだろう。

INV期当時のエクテンでは対抗呪文がリーガルだった上、青命令もあったので普通のカウンターも十分強かった。また、相殺でカウンターできるわけがない不朽の理想や青系トロンがメタ内に一定勢力を有していたので、Previousの型にも利点が大きかったのだと思われる。例えばPrevious Level Blueが優勝したGPバンクーバーの準優勝は青緑トロンだ。

http://www.mtgtop8.com/event?e=197&d=113789&f=EX

MTG WikiにはそもそもPrevious Level Blueしかリストが掲載されていないし、独楽が禁止で退場してからは何がどうNext Levelなのかも分からない適当な青コンがNLUを名乗るようになってしまったが、少なくとも起源の段階では間違いなく次世代を感じさせるデッキだった。今見ると他の入賞デッキ達がいかにも当時のエクテンって感じがあって趣があるので是非3大会のリンク先へ。
《思考掃き/Thought Scour》型グリデルメモ
MOでちょろっと回しただけで特段勝ってるわけでもないが。

49戦、59%。赤字になるギリギリラインなのでもうちょっと勝ちたい所。あー下手で負けたなぁと思ったゲームはいくつもあるので上手ければもっと勝てるとは思う。

ベースにしたリストはこれ。
https://www.mtggoldfish.com/deck/1210047#online

■変更点

・《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》→《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》
・土地19枚目→ヤンパイ3枚目

後はサイドの《削剥/Abrade》→《ラクドスの魔除け/Rakdos Charm》

■変更理由

《思考掃き/Thought Scour》でアンコウを速やかに出して殴り切るのがコンセプトなわけだが、当然アンコウを対処できる除去には弱い。ソープロはどうしようもないとして、せめて布告耐性は上げるべきだと思ったのでヤンパイでトークンをバラ撒く形に。《思考掃き/Thought Scour》により能動的に使えるins/sorが多くなっていてトークンを生成しやすいのも込み。土地は18でも思考掃きのドローがあるからまぁ回るだろうということで。

ラクドスの魔除けは単に試してみたかった。

■各カードの使用感

《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》

まぁ普通に強い。これと宿敵を共存させてもサイド後は除去耐性が散っていないのが嫌なので個人的に両方は入れたくない。4枚あってもいいとは思う。

*後述するが、ヤンパイは1RRを要求することがしばしばあるのでデュアランだらけの方が強いが、宿敵は割と島がないと1UU出せなくて厳しいことがあるのでいまいち噛み合っていない。

《思考掃き/Thought Scour》

可もなく不可もなく。単品で使っても弱いので、極力何らかのトップ操作手段と併用できるまで我慢(もしくは墓地リソースを明確に使う手段が来るのを待つ)する方がいいのだが、その余裕があるかが問題。ハンデスと併用すると対応してのブレストでトップに逃したカードを叩き落とせるのは思考実験上では素敵だが、現実的にはインスタントドローであることを活かして1マナカウンター(ピアス、フラスター、特に後者)と一緒に使う方が合うのではないかと。3枚でもいいような気はしないでもない。ドロー枠のカードの癖に、マナスクリュー時に助けになるカードではないのが最大の問題。

理論上奇跡を潰せる。筆者がこれはほぼ終末が積み込まれたな!と勢いよく撃ち込んだ時は《僧院の導師/Monastery Mentor》が2体落ちて、結果勝ったはいいがあれー?となった。

《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》
思考掃き4枚ならばアンコウ以外にもリターンを求めるべきだという考えなんだろう、多分。1枚だと計算が立ちにくいので2枚、みたいな。墓地が足りないことはしばしばあったが、カードとして弱いと感じることは然程無かった。

ただ、これを入れているからと言って他の除去、このリストだと具体的にはForked Boltを抜いていいかは疑問。思考掃き4枚にしないと墓地が絶対足りないという厳しさはある。

《ラクドスの魔除け/Rakdos Charm》

墓地対として入れることはあったが実際に引いて使ったことはない。「《削剥/Abrade》だったら追加の除去としても働くから入れられるが、《ラクドスの魔除け/Rakdos Charm》だとサイドインが微妙だな」という相手や、例えばエルドラージストンピィのようにRBが問題になる相手も居るので、素直に《削剥/Abrade》2の方が無難だと思った。

少し前に罰火カナスレを回していた時、とにかくRBリアニによくあたったので墓地対の数を水増ししたかったので入れてみた。

*追記
ほんっっとうに削剥より弱いシーンだらけなので削剥でいいと思う。

ローム系には広域墓地対として強いようにちょっと思わないでもないが、ローム系は=不毛攻めされる相手なので赤黒を出すのが辛い。ストームのPiF対策やドレッジ対策としてはあり。特にドレッジ相手はサージカルを封じられる沈黙の墓石/Silent Gravestoneへの更に対策になったりするしそもそも無視して墓地全体を飛ばせる。リアニには絶対間に合ってないので微妙。

《無のロッド/Null Rod》
針を採用しているのもあり、これは今ひとつピンと来なかった。素直にファクト対策というかチャリス対策を増やしたい。

《真髄の針/Pithing Needle》
まぁ1枚あってもいいかなという気はする。

《冬の宝珠/Winter Orb》

対奇跡のマッチ戦績は4-1になっているが、メインに限ると1-4であり、サイドのこれでどうにか、というゲームが多かった。デッキコンセプト上、アンコウがソープロ(+SCM)で簡単に対処されてしまうととにかく厳しいので、普通にやると奇跡との相性は悪い。かなりしっかりした対奇跡サイドが必要かと。このデッキは安定して1マナでアンコウを出せる動きの軽さが最大の主張点なので、サイドカードとして重いカードを入れるよりはマナロック系統の方が適切だろう。ラスアナで思考掃きで落ちたクリーチャーを拾うみたいなのはありかもしれないが、ラスアナを取るなら渋面が要らないのでまた別の構成になる気がする。

その他雑感

最高のアンコウ対策であるアンコウを早期に、そして複数枚展開できるので、ペイライフが痛い《四肢切断/Dismember》を完全に不採用と割り切れるのがこの形のいいところ。

マナベースについて

ヤンパイ+火力/REB, Pyro/渋面と考えると1RRを使いたいことがしばしばあるので、個人的にはあまり島の採用はしたくない。それでも島を使うのならば、19枚目の土地としては《Badlands》を真面目に入れるべきなのではと思う。BBのサイドカードを取れるようにもなるし。

*2リーグbadlands入りでやってみたが、当たり前だが青マナでなくてよえーってシーンばかりで弱かった。

メインの当落線上のカードは

forked bolt
ヤンパイ4枚目
思考掃き4枚目
フラスター(orピアス)から1枚
土地19枚目

あたり。

結論
有象無象にはまぁまぁ強いのは魅力だが、一番よくあたる上に今後減る可能性もほぼ無い対奇跡のメイン戦が苦しいのは辛い。
■Canadian Threshold

もみ消し、不毛を搭載したマナ否定型スレッショルドで大規模大会において好成績を残したDavid Caplanがカナダ人であったことから。

http://mtgwiki.com/wiki/Canadian_Threshold
https://mtg.gamepedia.com/Magic_Online_Championship_Series#2011_Magic_Online_Championship

もう一人カナダ人のプレイヤーも使用していたことからこの名前が定着したらしい。
>Canadian Thresh: popularized by two Canadian players (can’t remember their names at the moment).

■Team America

このデッキが構築された当時、ヨーロッパとアメリカでは地域メタ等の影響でよく見かけるカードが違ったが、「当時アメリカではあまり使われていなかったカード」を寄せ集めて作ったデッキを冗談でTeam Ameriacaと呼んだのが定着したとのこと。

>Team America: uses a lot of cards that weren’t popular in America when the deck was made, so the name is a joke.

https://www.mtgsalvation.com/forums/the-game/legacy-type-1-5/legacy-archives/184171-what-is-canadian-threshhold-and-team-america

Eldarielとdyzzyのポストを参照。

■Deadguy Ale

>クリスピキュラが仲間とマジックを練習してた場所がDeadguy Aleってビール作ってる工場だったらしくてそれが由来

https://twitter.com/batterashi_su_/status/1064052835854180353

*別説あり。こちらも良ければご参照を。

https://drk2718.diarynote.jp/201811280210032282/

■Nic Fit

>デッキの由来はnice fitの誤植

http://mtgwiki.com/wiki/Nic_Fit
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/nic-fit-2013-04-03

■Marverick

>そもそも『Maverick』とは、元祖『Maverick』デッキの制作者であるスペインのプレイヤー、「Luis Viciano」氏のハンドルネームである。

https://mtg2384.diarynote.jp/201209271441376189/

■Stompy

「ストンピィ」を名乗るのは、「小さく可愛らしいフェアリーの群れが、自らの3倍はある剣を担いで対戦相手の顔を踏みつける」ことでの対戦相手の屈辱はこの上ないものだろうとのことから。

https://85160.diarynote.jp/201802012022074244/
で詳しくやった。

■Death & Taxes

諸説ある。

初期に搭載されていたマンガラカラカスコンボの回避が難しいので、逃れることのできないものの慣用句を採用

>初期のこのデッキの特徴であったコロンドールのマンガラ/Mangara of Corondorとカラカス/Karakasのコンボに由来する。

http://mtgwiki.com/wiki/Death_%26_Taxes

>Death and Taxes is a mono-white creature deck that used to play Mangara of Corondor + Karakas for a huge amount of inevitability, providing a certainty akin to death and taxes.

https://www.reddit.com/r/magicTCG/comments/4bal65/meaning_of_not_obvious_deck_names/


(おそらく核戦争が起きてもゴキブリと白ウィニーは生き残る~なノリで)

>Death and Taxes has the name because of the quote, "The only sure things in life a Death, Taxes and White Weenie"

と言われることがあったので。つまり白ウィニーだからこの名前。

https://www.reddit.com/r/magicTCG/comments/4bal65/meaning_of_not_obvious_deck_names/

サリアとリシャポで相手の行動に「課税」してる感じがある

> Basically it tries to ’tax’ the opponents resources using cards like Thalia, guardian of Thraben and Rishadan port.

https://mtg.gamepedia.com/Death_and_Taxes

以下は筆者の考察。このデッキの誕生はTSPで《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》が出た頃であり、③は時系列的におかしい。2007年頃のD&Tのリストを引用するが、まだ刷られていないサリアは無論のこと、《リシャーダの港/Rishadan Port》も採用されていない。

Lands(22)
3 plains
4 scrubland
7 fetches
4 wasteland
4 karakas

Creatures(21)
4 serra avenger
4 Silver knight
4 Dark confidant
3 Mangara
3 Isamaru
3 jotun grunt

Control(10)
4 Stp
3 mana tithe
3 Cataclysm

Utility(7)
4 Vial
3 Jitte

http://www.mtgthesource.com/forums/showthread.php?6775-DTB-Death-and-Taxes

また、このデッキが出来る以前、レガシーに白ウィニーに類いするデッキが他になかったわけではない。エンジェルストンピィも強いかはともかく存在はしていた。従って②も微妙。

というわけで残ったのは①。やはり、構築当初間違いなくこのデッキの顔であり、他のデッキとこのデッキを分ける最大の特徴であった、カラカス&マンガラ(+薬瓶)コンボが由来だと考えるのが適切なのではないだろうか。


へんてこデッキ名・続
https://85160.diarynote.jp/201812052042308639/
に続く。
少なくとも自分は使おうとは思わない。以下がその理由だ。

①Iceが弱い

①-A:相手のクリーチャーをタップ

氷雪デルバーはPauper最強の単体除去である《雪崩し/Skred》をフルに使えるという点を強みとするデッキであり、このカードで焼けないカードは

・早期のタフ4オーバー
・呪禁
・プロ赤
・《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》

に限られる。見てわかるがあまり出てくるものではない。これらが少ないからこそ氷雪は強い。そして呪禁もプロ赤も結局Iceではどうにもならないことに変わりはなく、早期のファッティをタップで1ターン誤魔化してもすぐに限界が来る。

理想で言うならばタップで押し留めている間に飛行で殴りきってしまうのがいいが、つまりそれはクリーチャー部分には手を付けないという制約を課しつつこのカードを採用するという意味になる。この点については《火/Fire》について述べる②で説明する。

①-B:相手の土地をタップ

氷雪のマナ基盤で、「4マナ構えて相手ターンを迎えたがカウンターが1枚しかないので相手の土地を1枚タップして行動回数を減らしてなんとかする」なんてことがあるだろうか?お互いマナが余り気味になった終盤にしか4マナ構えて~という状況にはならないので、その1マナが響くシナリオは非現実的。


②Fireが弱い


既存の除去2種の枠に入れる場合、環境最高峰の1マナ除去を2種類使えるのが強みのデッキの除去を《双雷弾/Twin Bolt》に入れ替えてどうする?という問題が発生する。

仮に除去を減らさずにこれを採用する場合、前述したIceのタップモードとの兼ね合いを考えるとクリーチャーは減らせない、1マナドロー枠は半分マナベースのようなものなのでここを大幅にいじるのは難しい、となるとカウンターしか減らしていい場所が無い。

しかし、カウンターはそもそもIceでタップにより処理する他ないようなファッティが誕生してしまうのを阻止するのが重要な役割の一つである。かかるマナが同じで、より汎用性が高い《対抗呪文/Counterspell》を犠牲にしてまで振り分け火力を採用したいだろうか。

①、②から、氷雪ではどちらのモードも弱いので入らない。

------------------------------------------------------------------

これだけでは内容が薄いので、ならばどんなデッキなら入るのかと考えてみよう。ざっくり2種類の候補が挙げられる。

・元々振り分け火力が入っているデッキ
・氷を強く使えるデッキ

前者は
https://www.mtggoldfish.com/deck/1466880#online

https://www.mtggoldfish.com/deck/551549#online

のような青赤コントロール。ただしこれらで使っても《氷/Ice》が弱いので、入っても1枚程度だろう。t黒してチェイナーの布告をを入れる場合のみ、火の割り振りと氷での時間稼ぎの両面に旨味が出るので複数枚使われるかもしれない。

後者はどんなデッキなのかと考えると、相手エンド時に土地を寝かせて隙を強引に作り、返しのターンにゲームを決定づけるビッグアクションを行うことができるデッキがイメージできる。これに該当しうるデッキはトロン(青赤ベース)とウィーゼロックスだ。

ウィーゼロックスについては、今度は火の側があまり強くない気がする上に重たいのでこれも入っても1枚だろうが、トロンはゲームが長引けばほぼ間違いなく勝者になれるデッキであることも考えると、2ターン目に適当に相手の土地をタップしてドローを進めるだけですら強い可能性がある

したがって、1枚と言わず2枚3枚入って来ても全くおかしくはないと思う。この点をより推し進めて考えるならば、真に福音を得たのは青赤ベースではないトロンかもしれないが、トロンは専門ではなく、具体的にデッキリストにすることができないのでこの辺で。
私がPauper競技リーグ実装に反対する理由~1VS1 Commanderは如何に死んだか?
私がPauper競技リーグ実装に反対する理由~1VS1 Commanderは如何に死んだか?
■前置き

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-online/2019-magic-online-championship-2018-11-12

において来年度のMOについて様々な情報が発表されました。英語を読むのが面倒な方は日本語にざっくりと訳して下さった方が居られるのでこちらをどうぞ。

https://twitter.com/ziguyan/status/1062043533538865155

さて、このエントリーのタイトルについてですが、端的に言って、人が減りこそすれ増えることは見込めないと思うのが理由です。Pauperというフォーマットの将来的な存続にも関わりかねない重大な岐路に見えるので、Wotcへと意見投書をしました。これを読んだ皆さんも、もし同意していただけるようであればお力添えをお願いします。

言ってもどうせ聞いてくれないだろうとも思います。しかし、言わなければ可能性0、言えば0ではないかも知れません。一度実行されてしまってからでは、完全に失敗だったことが明らかになってからしか修正されないのです。

https://mtgo-support.wizards.com/hc/en-us/requests/new

とりあえず私はここからFeedbackという形で送りましたが、もっと良い陳情先をご存知の方は是非教えて下さい。それでは本題へ。

■Pauperリーグの人数

11/13時点での各リーグの参加者の人数が添付した画像の1枚目ですが、PauperのFriendly League(以下フレリ)はおよそ500人。到底健全にフレリとCompetitive League(以下コンペ)が併存できるプレイ人口だとは言えません。コンペのプレイ人口700人程と併存していながら1000人以上ものフレリのプレイ人口を抱えるスタンダードやモダンとは全く話が違うのです。そして今回の発表によれば、併存が無理そうな場合はフレリを消滅させるとのことです。ではこの変更によって何が起こるか、直近の例を見てみましょう。

■1VS1 Commanderの短い生涯

比較的最近公式に実装された1vs1 Commander というフォーマットの話をします。2017年5月にこれのフレリが開始した際には、このフォーマット以外では本当に全く使い道が無い、しかしここでだけは青いデッキの必須カードになった《神秘の合流点/Mystic Confluence》というカードが、5ヶ月もの期間50tixを越える程の高額カードになっています。いかに供給が絞られているカードだとはいえ、ルールがハイランダーですから1人1枚しか使いません。多少の投機の対象になったであろう分を考慮したとしても驚異的な数字です。当時のこのフォーマットの人気を表していると言っていいでしょう。私もこの当時少しプレイしてみたことがありますが、マッチング速度は快適と言っていいものでした。

しかし、何やらわかるようなわからないような理屈により、9月にこのリーグがコンペに変更されます。詳細は以下リンク先2つを参照して下さい。

https://mosouba.com/1370
http://wizardsmtgo.tumblr.com/post/165228640819/commander-1v1-league-change

要するに、「1VS1 Commanderのリーグに居るのは元々遊んでいたカジュアル層ではなく、他のリーグにも精力的に参加しているプレイヤーだったので、その人達向けにコンペに変更します」とのことです。その結果何が起こったかというと、プレイ人口の激減です。添付した画像の2枚目を御覧ください。これはGoatbotsにおけるMystic Confluenceの価格グラフですが、2017年の5月に起こった暴騰に続く高値だった期間がフレリの実装期間中で、そして暴落はコンペへの移行が行われた9/20とほぼ同時と言って良いタイミングです。一度10tix付近まで暴落した後、一瞬30tixまで値段を戻した上でまた一気に下落しているため、この時点ではまだこのフォーマットにおけるカードとしての価値は高かったと見ていいと思います。ならばこの暴落が意味するものはそもそもの需要の減少=プレイヤーの減少と考えても外しては居ないでしょう。余談ながら、その後に行われた禁止カードリストの変更や、1VS1 Commanderリーグが廃墟になったことの影響もあり、現在の取引相場は0.5tixになっています。

そして、人口が激減してから半年という、新興フォーマットがプレイヤーから見切られるには十分な時が経ってから、ようやくWotcはこの過ちを改める気になったようで、今年の4月に1VS1 Commanderのリーグをフレリに戻します。

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-online/play-dominaria-starting-april-20-magic-online-2018-04-11

>We want to reinvigorate the 1v1 Commander format
とのこと。


しかし一度壊滅してしまったプレイ人口が戻ることはなく、ついにこの度1VS1 Commanderは正式に廃止の宣告を下されました。1VS1 Commanderのこの終焉は、Pauperに訪れる未来であってもおかしくはないと考えています。

■要約:競技リーグが如何にダメか

最近でこそ紙MTGでもPauperが遊ばれるようになりましたが、PauperはやはりMO主体のフォーマットです。そのMOで衰退してしまえば、フォーマットとしての将来的な消滅は決してありえない話ではありません。

2018年11月現在、1VS1 Commanderのフレリには50人も居ません。ヴィンテージのコンペは100人しか居ません。当然、この2つは普通にMagic Onlineをプレイしている我々が考えるような対戦ツールとしては機能していません。したがって、普通の意味で対戦を楽しみたい人が新規参入する可能性は低いです。1戦マッチングするのに30分や1時間待つ必要のあるリーグをわざわざやろうと思うのは、相当な変わり者か、余程熱狂的なそのフォーマットのファンに限られます。不人気だという印象がつき、この状態まで一度落ち込んでしまうともはや復活は不可能です。

コンペとフレリとの差に関する追加の考察材料として、レガシーについても述べておきます。まず、紙MTGにおけるレガシーのプレイ人口はPauperとは段違いに多いはずです。レガシーでのグランプリが成り立って、しかも大盛況になる程ですから。Magic Onlineにおけるレガシーは、紙MTGと違って再録禁止カードという参入障壁がなく、レガシーにしては相当なお手軽価格で始められるので、理屈で考えるならば人気フォーマットになってもおかしくはありません。しかし実際にはそうはなっていません。レガシーコンペにはPauperフレリと同程度の500人しか居ないのです。仮にレガシーがフレリであったならば、おそらくもう少し人口は増えるでしょう。1VS1 Commanderフレリの開設からしばらくの人気は、このフォーマット固有のファンではなく、MO内で様々なフォーマットを遊ぶプレイヤーがやってきて気軽に参加したことによって支えられていたのですから。

競技イベントに頻繁に採用されているスタンやモダンのような、競技性の高いとされるフォーマットならばいざしらず、どちらかと言えばカジュアルよりのフォーマットにおいて、フレリではなくコンペであるということは、プレイ人口に間違いなく負の影響をもたらします。負けた時に12tixもの参加費を没収されることが楽しい人なんているわけがありません。プレイヤー間での金銭の奪い合いという側面がフレリよりも強調されているコンペでは、敗者の意識がその点へとより向かいやすくなります。

スタンとモダンのように、選択肢があった上で敢えてコンペを選んでいるプレイヤーならば、勝って取り返すんだと考えて済ませるでしょうが、そのフォーマットのリーグがコンペしか無いけれど負けたときに12tixも取られるのは嫌、という層はリーグに参加しなくなるだけでしょう。ただでさえスタンやモダンに比べて限られるプレイ人口を、更に減らしてしまうのは正しい施策でしょうか?

■ならどうすればいいのか

今回の発表の、レガシーやヴィンテージやPauperをやりこんだプレイヤーにMOCSに参加する可能性が微かながら出るというのは面白い発想だとは思います。各フォーマットでのポイントが独立であることも踏まえると、これは様々なフォーマットをもっと遊んでもらおう!という、善意と呼んでも良さそうな意図で発案されたように感じられます。しかし、そのための手法がPauper視点では逆効果にしか見えません。まずはコンペとの人口分散、そしてフレリの消滅でのフォーマット自体の衰退の危険性の二段構えですから。

この問題の解決策は、単純にスタンとモダン以外のフォーマットはすべてフレリにし、2016年度までのように、フレリでもこのフォーマットポイントを出すようにすることだと思います。ポイントの量は以前のように少なめに調整しても構いません。

https://mosouba.com/350

今回発表された内容は、MOCSに参加するに相応しい、競技的な技量を持ったプレイヤーを選出することを目的としているように思えます。しかし、そのためにこそ何より重要なのは健全なリーグ人口の維持です。「競技的であること」は高い参加費を支払うことによって生み出されるものではなく、より多くの参加者を確保して競争させることによってこそ生み出されるものだと私は考えるからです。

■終わりに

お読みいただきありがとうございました。最後に今回の件のPauperに関する部分だけを改めてまとめておくと、

PauperのFormat Playoffなり、Championshipなりは面白い話。グラインダー層もPauperをプレイするようになって面白さに触れた結果、活性化に繋がれば大変嬉しい。少なくともPauperを運営側も気にかけてくれているということは喜ばしい。

しかし、競技リーグに変更するのは絶対に反対。人が減る。

人が居てこそ競争があり、そこに競技性が生まれる。

これらの3点が要点です。

さて、冒頭にも書きましたが、Pauperへの競技リーグ実装に対してこのように極めて強く反対する旨を、拙いながら英語で書いてFeedbackへと送りました。これを読んでくださって、同意してくださる方が居られれば是非ご協力をお願いします。
罰火カナスレその後
気がついたら200戦を越えていたのでメモ。リストに変更なし、勝率は65%のまま。上ブレ期におっ勝率70%狙えるかなと思ったこともあったがそうも行かなかった。中身の実力の参考情報として他デッキでの勝率を挙げておくと、前環境末期にグリデルを使って60%(85戦)、今環境初期にグリコンを使って58%(69戦)。いずれもレガシーリーグ。


*追記@2019/1/20
しばらく(2ヶ月位?)期間を開けてまた使ったら2/3と0/2、しかもこの記録の期間では頻繁に当たっていたグリコンに当たらなかったので、メタの潮目がもう変わっていると判断して一旦中断してそのまま。



デッキコンセプトが、

・死儀礼なき今、最序盤に出て来て即除去しないと負けるようなクリーチャーは少ないので多少除去が遅れても問題ない

・大型クリーチャーはネメシスで抑え込む

・対コントロールでネメシスをサイドインするパターンが見受けられるが、貴重なサイド枠を割かなくてもメインからやればいいでしょ、タルモ強くないし。

というものなので、前2つの前提が崩れてしまうと護身できず一瞬で負けうる。以下は
マッチアップごとの感想。

BRリアニ:
メイン勝率10%代なのでサイド後2回ともきちんと取れるかの勝負。で、2ゲームのうち片方でもこちらが弱いか相手の引きが強いかすると負ける。スネアが結構効く相手のはずなので、普通の構成のカナスレならもう少し取れる可能性はある。

奇跡:
BtBさえなければ罰火でカウンターが何枚あろうが最後にダメ押しできるのもあり、はっきり有利。とは言えカナスレを使っている人は基本的に奇跡にかなり勝ち越しているようなので構成がいいのかは分からない。奇跡相手に入れる《花の絨毯/Carpet of Flowers》は結構面白かった。BtB無視で行動回数確保、グダった終盤に大量の赤マナを沸かせて罰火を回す、カウンターを構えつつネメシスをプレイ、等。

グリコン:
メイン勝率(86%)とサイド勝率(50%)に凄まじい差があり、当初のサイドプラン(デルバー全部抜いて除去腐らせるぜ作戦)が冬珠の無いこの構成でやると全然合ってなかったことが判明した。修正した所きちんとサイドも取れたため、今後はもうちょっと勝てる予定。

一応、構想としては「マングースとネメシスに並ぶ3本目の柱として罰する火があるんだから除去の的でしかないデルバーなんて要らんでしょ!そういうサイドプランあるらしいし、カウンターマシマシで勝負!」というものだったが、

実際にやってみると相手を倒しきれないうちにアンコウが出てきて一瞬で負け、月やBtBで破滅、G1で罰火を見せている場合サージカルがサイドインされるので、罰火は勿論マングースなりネメシスを抜かれて負け、等が発生してしまい、やはりデルバーによる時間制限の設定、もしくは除去を強いるのは必要だったのだと感じた。

単体除去、特に軽いやつ、を腐らせた所で攻撃に時間がかかるとブレストで他のカードに変換されるのが間に合ってしまい、結局そこまで意味がなくなるのかもしれない。たまにREB/Pyroを吸ってくれるだけでも十分仕事してるのかなと。

ANT:
他の人のカナスレの戦績見るとあまり対ANTは勝っておらず、スネアがなくクロックが遅めな分普通の構成比で相性は悪化していると思うので、この数字は運が良かったのだと思われる。(対ANT8-4, TES1-1)

グリデル:
他の人達当たり前のように勝ち越してるけど相性悪い……よね?罠橋+罰火によるロックプランで強引に拾ったマッチがちょいちょいあるので、普通にぶつかったらカードパワー差で圧倒されると思うのだがなんでそんなに勝てるんだろう。特に後手時は土地嵌めも難しいし厳しいように思う。正直適切なサイドが分からないので教えて欲しい。

デスタク:
先手マザーからサリア/石鍛冶されると一瞬で負ける。土地が伸びやすくなってはいるがそれでも詰まることはあるし。正直相手の回り次第。

スニショ:
普通に土地を縛りつつ殴ってもいいし、それが間に合わなかったり土地を伸ばされて通ってしまっても罠の橋+ネメシスで勝てることがある。

エルドラージポスト:
最初の頃メインで後手を引いて当然のように土地が伸びて負け、サイド後後手の時で負けという負け方を3連続でやり、あれこれどう勝つんだと焦った。その後は勝てるようになってきたが、最近はそもそも当たっていない。

エルドラージストンピィ:
メイン先手1-4, 後手2-2, サイド先手7-1, 後手3-5。

サイド後先手ならば単純にネメシスを複数出したり罠の橋を探してくるのが間に合う公算が高く、かなり勝てる。後手だとチャリス1/アメとげを即設置されるのも当然厳しいが、2マナクリーチャー連打での押し切り、先手3T難題、早期の現実を砕くもの等、ネメシスでのブロックが間に合わない可能性がやや高くなる。

サイド後はピアスの対象も増えるだろうと、マングース(罰火やロームを見せた次のゲームで力戦を貼られたことがあるのに加え、単純に力不足なので)ともみ消しを少しずつ減らして罠橋+遺恨+爆薬をサイドインしているが、これでいいのかよくわからない。

BUGコントロール:
続唱を含む。数字を集計したらかなり勝っていた。早期にレオヴォルドが着地すると除去できないので当然負けるが、そもそもアンコウよりかなり重いので着地自体を防ぎやすい、あるいは着地しても既にネメシスが出ていて殴りきれる。

4Cレオもこれと同じく。

アルーレンと食物連鎖:
似たようなものなのでまとめた。マナを縛る、小型クリーチャーだらけなので罰する火で焼くのどちらも有効なので相手が余程綺麗に回らなければ勝てる。

4Cローム:

勝ちパターン①ネメシス複数でレース②罰火でチャリス1を越えて腹心を焼いたら相手の他のアクションが殆どなくてそのうち勝ち

負けパターン①チャリス1で停止②《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》やヴェリアナで普通に負ける

要するに運次第。

エルフ:
練習した所、メインは除去が重くなり枚数も減った分明確に不利だという結論に。罰火コンボが早々に揃えば流石に勝てるがそれ以外だと一瞬で負ける。RBリアニとの対戦数が多いので、エルフも睨んでサイドの《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》の増量もありかなぁと思えてきた。

土地単:
どう勝てばいいのかイメージが湧かない。

バーン:
明確に僕が下手だったせいで負けたマッチが1つあるが、そもそも普通のカナスレよりもバーンに対して弱くなる変更が多数加えられているので相性的に不利な感じはする。《ゴブリンの先達/Goblin Guide》と《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》を出されるだけでとにかく厳しい。タルモ/稲妻が無い分ボードの制圧が遅れ、最後は焼き切られてしまう。

赤単プリズン:
メインは置いておくが、サイド後はっきりと相性がいいのを感じる。相手のクリーチャーはハゾレトを除き全て罰する火で処分できる。チャリスX1も一時的になら無視可能。PWもクリーチャーがいれば殴って焼いてで落とせる。これによりエンチャントの月とチャリスX2のみにカウンターを集中できるのでなんとかなっている。
■今も入ってるサイド

《壌土からの生命/Life from the Loam》
不毛回収での土地嵌め用&相手の土地攻めからの回復用。《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》の回収ができるので、普通のカナスレでの採用よりも少し重要度が高い。

適当にフェッチを回収→ブレストでトップに積む→次のドローで発掘、とできると幸福度が高まる。そういう意味では青、特にジェイスと組み合わさると、4マナ到達の支援をしつつ凄まじい実質アドバンテージをもたらすので、青系コントロールでこそ使うべきカードかなーとぼんやり。土地枠でもうちょっとコントロールができればレガシーに限らずモダンでも面白いかも。

《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
相手のネメシスを除去できない上にルーンの母に邪魔される赤の全体火力が嫌いなので、トークン対策とチャリス対策とを兼ね、たまにその他のカードも対策できるこれに。ここのスロットが対エルフ勝率が悪い原因かも知れない。(毎回「うあああミスったー」と思っているせいもあるが)

《外科的摘出/Surgical Extraction》
《狼狽の嵐/Flusterstorm》
《紅蓮破/Pyroblast》

各2枚

メインの対コンボ性能はクロックが遅く、かつ《呪文嵌め/Spell Snare》が無い分低いのでここらへんを減らすのはNGだと思った。

《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
最初は《たい肥/Compost》があったので、ハンデスによるトリガーで引きこんでもすぐ使えないからという理由で不採用だったが、BRリアニに当たりまくった時にイラっと来て採用。

■試したが今の所抜けているカード

《硫黄の精霊/Sulfur Elemental》

サリアで罰する火が重たくなると一瞬で負ける気がするので余裕があれば入れたい。また、メイン火力の打点が3→2になった影響が対メンターを考えるならば大きく、インスタント1枚で範囲外に逃げられてしまう。その点を考えるならあった方がいいと思う。

じゃあなんで入ってないのかというと、デスタクに当たる頻度が高くなく、奇跡には現状これがなくてもまぁ勝てていて、負けるパターンはメンターではなくクリーチャー全滅&BtB/PW定着だった。そんなわけでサイドイン頻度が低いこのカードに1枠使うのが嫌になり、より使える範囲が広い《イゼットの静電術師/Izzet Staticaster》に替えた。

《たい肥/Compost》

緑である意味を考えてたどり着いた一応の案がこれ。とは言えハンデスで強制的に落とせるBG(+α)で使う方がRUGで使うよりも強いカードだと思うが。BUGのサイドにこれを入れるのは試してみたい。

機能としては非常に面白かった。梟を罰火で焼いたらこちらが1ドロー!、布告されても後続ゲット!相手がハンデスで前方確認してからコンボしようとしても積み込んでおいたFoWを引いてカウンター!等。

が、ただでさえ苦手な《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》に完封されるのが辛く(しかも緑系はこれを割れる)、対黒系コントロール最大の負け筋である、「早期のアンコウを対処できない」に関して為す術がないカードだったので、そこまで劇的でもないかなと諦めて、追加の墓地対策としての《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》に枠を譲った。一応《たい肥/Compost》はコンボ相手にも面白いんじゃないのと思って採用したカードだったので、追加の墓地対を入れるなら枠がここになった。

《紅蓮破/Pyroblast》3枚目

除去が重くなっている分、相手の先手T1デルバーの脅威が大きいので追加の除去として。その他、《呪文嵌め/Spell Snare》が無い分の青い2マナカードへのカウンター、罰火圏外の《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》への除去等。

《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》から撃てるカウンターという面白みもあるので入れておきたかったが、《花の絨毯/Carpet of Flowers》を試すときに枠を譲った。罠の橋とマングースがあるので、使うならばREBと散らさずパイロ3枚。

■試してないサイド

《森の知恵/Sylvan Library》

最初のうち黒系には《たい肥/Compost》を用意していて、石鍛冶には他にも入れるものが十分あり、と対奇跡専用になる気がしたので。で、対奇跡でのこのカードはタルモやマンドリルをStPされると1ドロータダでできるんだ!というのがそれなりに大きい要素だと思うが、その辺りを不採用にした構成上、StPの的になって多めのライフゲインをさせてくれるクリーチャーがいないので不採用。

《冬の宝珠/Winter Orb》

罰火エンジンはマナ食いなので自分の首が絞まる。カナスレが上手い人はこのカードが好きらしく、このカードがどちらかというと嫌いな自分は普通の構成のカナスレが上手い人にはなれそうにない気がしたので他の構成を模索しようと考えたのもある。

ただまぁ、コントロールの土地が伸びてソフトカウンターが腐っている時は「ああ確かにここに冬珠があれば一瞬で勝てるんだろうなぁ」と感じる。

赤い全体除去

上述。

《無のロッド/Null Rod》

遺恨のおかげで比較的アーティファクトに強いRUGでわざわざ使うカード?という気がしている。遺恨ではダメでこれならOK、という相手はストーム位だと思うが、それならもうちょっと汎用性が高いカードを追加するので良いような……

マナ否定+これで黒マナ源の数を絞れば楽に動けるみたいな目論見なのだろうか。それとも単純にファクト対策を増やすにあたって軸をずらしたかったとかだろうか。

ただ、どちらかというと対ファクトが今ひとつな他の色のデルバーで使う方が強いカードのように思う。UR、UBR、UBG、これらはいずれも対処できるファクトの絶対数が限られるので、1枚引けば後続も含めて封殺できることの価値は高いが、複数枚割れる遺恨を取れる上、爆薬やラチェボに対してももみ消しでなんとかできる(ことがある)RUGとの相性がそこまでいいカードにはあまり思えない。
《罰する火/Punishing Fire》カナスレ調整日記
https://www.mtggoldfish.com/deck/1395514#online

自作デッキが労苦のかいあって、自分の腕としてはそこそこ勝てるものに仕上がったので記録。

■1. タルモが弱い

《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》の禁止で復権なるかと思われたカナスレことCanadian Thresholdは、確かに一ページ目に表示されるレベルのデッキにこそなったものの、結局デルバー系の中での一番手にはなれないままだった。じゃあ今これの何が弱くて、どこをいじれば良いんだろうかと興味を持ったので調整してみることに。

さて、スタートラインは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が弱いことだった。高タフネス+マナ否定の組み合わせはかつては実質的な除去耐性として機能していたが、《致命的な一押し/Fatal Push》がある今はそうはいかない。

更に、環境には《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》や《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》、《悪意の大梟/Baleful Strix》等のタルモが突破できないクリーチャーが溢れており、「戦闘において最強」というタルモゴイフ最大の長所はもはや完全に失われたと言っていい。多分そんな理由で最近のカナスレにおけるタルモの採用枚数は顕著に減少している。

■2. 緑である意味の模索

そうなって来ると気になるのが、「RUGというカラーパターンである意味はあるのか」という点だ。
https://www.mtggoldfish.com/deck/1254549#online

有名人なのでこんなリストも見たが、「緑切って黒入れて、もみ消し入りのグリデルにした方が良くない?」としか思えなかった。《森の知恵/Sylvan Library》のアンチ奇跡性能は高いが、黒でも苦花を貼るなり、リリアナを使うなりでやりようはある。そして対コンボ性能は明らかに黒でハンデスを採用した方が高い。まぁ《古えの遺恨/Ancient Grudge》が強いのは間違いないのだが。

ただ、マングース抜きのRUGという方向性をすぐに切り捨てるのも良くないかもしれないなと思い、《ボーマットの急使/Bomat Courier》の自発的に墓地に落とせるアーティファクトであるという点と、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》との相性の良さに着目して、こんなリストを組んでみた。

4 デルバー
4 ボーマット
2 ラバマン
4 タルモ
スペルと土地 普通のカナスレ風

渋面の溶岩使いはタルモとボーマットの道をこじ開けるため&カードの性質上探査との共存が難しいが、タルモとなら共存可能な点を買っての採用。綺麗なコンセプトになった気がするし、これはいける!と思ったが、サイド後も含めれば現在本当に採用率の高い、《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》にタルモ以外が完封されることに気づいてしまったので実戦前にお蔵入りに。

■3. マングース論

というわけで緑である意味は《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》に求めることになった。しかし、マングースにはマングースで問題がある。デルバー(デッキ)の速攻戦略とは別に相性が良くないという点だ。

序盤数ターンはどう足掻いてもただの1/1なので、全く速攻に適したカードではない。このカードが真の強さを発揮するのは、お互いのリソースを交換しあって墓地が溜まって3/3被覆になった上で、これに対処できる全体除去は《もみ消し/Stifle》で土地を縛るなり奇跡を消すなりで間接的に対処して無人の荒野を駆け抜けている時であって、それは速攻というより中盤戦での強さという方が正しいはずだ。

■4. 宿敵の導入

クロックとしては遅いものの、除去耐性が高いクリーチャー。レガシーで比較的よく見る生物にはもう1枚似たようなカードがある。《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》だ。この2種類を主軸に据え、除去無視ビートダウンを敢行するのはデッキ全体の構造として一貫性があって良いように思えた。

■5. 中速への方針転換

マングースは硬いが遅い。宿敵も遅く、そして土地14+4の構成では重い。これらをデッキの柱に据えるなら、旧来のテンポ特化のカナスレの構成を墨守する必要は無いと思った。速度で押し切るなら別の構成、というかもっと言うならカナスレなんて放り投げて別のデッキ(死の影とか)を使う方がいいので、相手の防御手段を機能不全にして勝つことを目指すことにした。

■6. 罰する火について――カナスレ側の視点

さて、2. で採用しかけた《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》でもそうだが、除去色に赤を採用する利点として、「繰り返し使える除去」の性能は黒に比して高いことが挙げられる。その観点から、テンポを一旦忘れて高マナ域まで目を広げて採用候補を探した時、思い至ったのが《罰する火/Punishing Fire》だった。

環境に溢れていて、かつマングースにとって天敵たりうる《悪意の大梟/Baleful Strix》、複数の《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、更にはコントロールのフィニッシャーであるPW、これらに対して極めて効果的でありつつ、他の繰り返し使える除去と違ってエンジン自体が除去されることがないのは魅力的だ。宿敵の運用のための追加のマナソースになりつつ、マングースが苦手とする一部小型クリーチャーを気兼ねなく焼ける《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》+《罰する火/Punishing Fire》パッケージは、テンポ特化という固定観念さえ抜きにすれば相性が良かった。

■7. 罰する火について――罰する火側の視点

このパッケージは小型クリーチャーの全てを否定できる強さがあるが、

・単純にマナがかかるので不毛での土地枚数減少が辛い
・《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》自体を不毛されると勿論止まる
・劣化Taigaのこれが入るせいで他の色の土地が減る傾向があり、必然的に基本土地ではなくデュアランをフェッチせざるを得なくなるケースが増え、そこを不毛で叩かれると厳しい


とまぁ、三重の意味で不毛に対して弱い。

https://www.mtggoldfish.com/deck/1365252#online
最後のケースの例としてはこんなデッキ。

更に、マナの消費が激しいのでカウンターを構えにくく、自分のクリーチャーを守れないという難点がある。前者の問題をもみ消しで、後者を除去されないクリーチャーで、それぞれカバーできるカナスレ、というか赤スレショの構成は罰する火側から見た時望ましいものだと言える。

■8. サイドの《罠の橋/Ensnaring Bridge》について

以上のようにメインの骨子が決まった。《もみ消し/Stifle》は防御手段を兼ねるので必須として、スロットの都合上、他に採用できるのは《呪文嵌め/Spell Snare》か《呪文貫き/Spell Pierce》を合計で3~4枚程度だったが、罰する火で小型クリーチャーを処分できる前提の作りである以上、非クリーチャーに対しての防御手段が多い方が良かろうということで《呪文貫き/Spell Pierce》を3枚使うことにした。

さて、サイドにコンボ対策を無難に詰め込むのは良いとして、URGカラーで避け得ない問題になるのが相手の巨大クリーチャーである。《四肢切断/Dismember》や《水没/Submerge》を使うのが既存の例だったが、自分はどうにもこれらのカードが好きになれなかった。確定4点ペイの前者はライフレースで勝てるか怪しくなるし、後者は森を使わない相手に使えないので用途が狭い。たまに《死亡+退場/Dead+Gone》や《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》といったバウンスを使う例もあったが、カードアドバンテージを損失しつつ攻めるのは、中速化したデッキの方向性と合致しないのでこれも無理。

では相手の巨大生物への対処をどうすれば良いのか考えた時、決定力の高さに惹かれて使いたくなったのが《罠の橋/Ensnaring Bridge》だ。RUGというカラーパターンでこのカードが使われるケースはほぼないのだが、それはこのカードの仕事が相手の攻撃を止めるだけであるため、その後に除去できないRUGだと本当にただ止めただけになってしまうからだ。ブロッカーとして存在する限りこちらから殴ることができないので止める意味が薄い。

このデッキでは、その問題を《罠の橋/Ensnaring Bridge》を置いた後《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》で一方的に殴るという形で解決することにした。出てしまうと対処手段が無い相手の宿敵も自分のターンの間だけ手札3枚にしておくことで一応誤魔化すことができ、装備品で大きくなった生物は無理に手札を消化しなくとも勝手に止まる等、応用範囲が広い。本来のターゲットであるスニークやデプス等の大型生物系コンボ相手に有効なのは言うまでもなく。

また、青いデッキで罠の橋を使う時問題になるのが、ドロースペルやカウンターを連続して引いてしまい、手札を消化できずに相手の小型クリーチャーの攻撃が通ってしまうことだ。サイド後に《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》によるゾンビトークンが出てくる死の影相手、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》や《苦花/Bitterblossom》によるトークンが出てくるグリクシスデルバー相手でこの問題は大きいものとなる。筆者はグリコンで死の影相手に罠の橋を入れた時そういう死に方をした。

このデッキでは罰する火でそれらを焼き払うことによる予防に加え、最悪罰する火を回収して適当に唱える→そこにカウンターを使って無理やり手札を消化、とすることで問題の解決を図っている。勿論手札の消化に役立つというだけでなく、相手エンド時に墓地から罰する火を回収→1ドローと合わせて宿敵の攻撃前に手札3に→戦闘後に手札を吐き出して相手の攻撃を封殺、という動きもできて極めて相性がいい。

最初は1枚だったが、使ってみるとデッキとの噛み合いが非常に優秀なことに気が付いたので、サイド後のメインプランにできるように2枚に増量した。

■9. データ

添付した画像に各マッチアップごとの勝率(簡易版)を記載した。5-0の3回目で掲載されるまでに129戦, 勝率は65%だった。

今後の課題はプレイ技術を上げて取りこぼしを減らすことと、サイド後の先手勝率が72%に達する一方で後手番勝率は54%と低いことの改善。特にテンポ相手の後手番は構造上どうしても厳しく、死の影が1勝4敗、グリデルが4勝5敗と負け越してしまっているのが足を引っ張っている。

先手でクロック設置からの不毛というテンポデッキの黄金パターンに対して、相手の攻撃を受け止める手段が3マナの宿敵、罠の橋、2マナの罰する火と重いせいで為す術なく死んでいくのが一番ありがちな負け方だったので、テンポを苦手とするデッキが使うカードから何か良いものがないかと、最近導入した《花の絨毯/Carpet of Flowers》で改善が見込めないかなと期待している。

■10. 細かい枚数について

アンコウが出ると一瞬でライフを溶かされて負けることがまぁあるので、最初は《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》を3枚に押さえて《四肢切断/Dismember》を1枚入れていた。ただしアンコウへの対処としては必要に応じて宿敵で受け止める方が、適切なタイミングで引いていないと意味がない除去で対抗するよりも良い選択だと思ったので宿敵4にした。

《罰する火/Punishing Fire》を3枚に抑える案もあるにはあったが、《罰する火/Punishing Fire》-《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》は、両者が揃わないとただ劣化稲妻と劣化Taigaを入れているだけになってしまうため、揃う確率が高い方が良かろうと4-4から調整を始めたので、現状では《罰する火/Punishing Fire》は4のまま。
以下の内容は筆者の偏見を大いに含む。割と好悪がわかりやすいはず。

■赤のカード

見返したらさいきょーさいきょー言っててまるで小学生のようだが、それがこのデッキの本質である。Pauperにおいて赤は最強の除去色であり、かつサイドが白と並んで非常に強い。故に青単にマナベースの凄まじい劣化を受け入れてまで無理やり赤をタッチするようなデッキが成立している。

《紅蓮破/Pyroblast》

最強のサイドカード。1マナカウンターであり、緊急時には除去にもなるその特性は、CIP付きの青いクリーチャーが蔓延るPauperでは極めて重要。この赤だけで打てるカウンターの存在が氷雪デルバーの《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》2という部分の弱さを補っている。

枠さえ許せば4枚、最低でも3枚は欲しい。

《電謀/Electrickery》

赤の最強タフ1キラー。場合によっては単体にも打ててインスタント。呪禁1/1にキャストされたエンチャントに対応して、相手のスプライトへのカウンターとして等、インスタントであることが輝く場面は非常に多い。2枚位取るのが標準的。サイドインするマッチでも場面を選ぶカードなのであまり多数採用しても苦しくなる。

《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》

Pauper界最強の全体除去。タフネス5までを葬り去るため、ストンピィの強化された物も、親和の4/4軍団も、たまに呪禁オーラのクリーチャーも軒並み薙ぎ払ってくれる。ただし、スレッショルドしないと何もしないという問題があるので、これを多数入れるとこればかりを引いて永遠にスレッショルドを達成できないという難点がある。

そのため4枚採用はデッキ全体の構成をこれ専用に調整していない限り禁物。普通の構成なら1~3枚。

■青いカード

《水流破/Hydroblast》

サイドインする相手は《紅蓮破/Pyroblast》のそれよりも圧倒的に少ないが、しかしこれでしか対処できないカードもあり、これの枚数が死命を分けることが多いので、減らすのも難しい。具体的にはバーンの《貫かれた心臓の呪い/Curse of the Pierced Heart》、親和の《エイトグ/Atog》。

最近のバーンVS氷雪は最終的な勝率はともかくゲーム展開的には僅差になるので、これの枚数を減らしているとギリギリ死ぬケースが増えると思われる。体感的には3枚あればまぁ勝てる。親和戦では是が非でもハンドに1枚確保しておきたい。その他赤い除去を使ってくる相手に劣化《払拭/Dispel》としてサイドインする。ただし氷雪ミラーでは劣化なのが本当に痛いので入れないのを推奨。

《残響する真実/Echoing Truth》、《撤廃/Repeal》、《乱動への突入/Into the Roil》

これらのバウンスは火力圏外、再生持ち、プロ赤等の焼けないクリーチャーに対しての緊急避難が主な用途。次点で呪禁のエンチャントを剥がしてタフ1に戻して焼く/ブロックで殺す等。この枠の枚数で対呪禁勝率はかなり変わる。稀に《青の防御円/Circle of Protection: Blue》や《黒死病/Pestilence》、《拷問生活/Tortured Existence》といった致命的なパーマネントを戻すこともある。

トークンを一掃でき、同じパーマネントが複数枚出ていても安心な《残響する真実/Echoing Truth》、重いもののキャントリップが嬉しい《撤廃/Repeal》、余裕があればドローしつつ、急ぎならば2マナでも使える《乱動への突入/Into the Roil》と、多少の性質の違いがある。

《無効/Annul》

《黒死病/Pestilence》、《鋸刃の矢/Serrated Arrows》といった、出るだけでも致命的なエンチャント、アーティファクトへの対策として。親和相手はそもそもカウンターしたいアーティファクトが多くないので微妙。勿論呪禁オーラへの対策という点も意識しての採用だと思われる。と、言いたい所だが、筆者の見解としてはこれを採用しても呪禁への相性がそうよくなりはしないと思う。

氷雪デルバーはマナベースの都合上、青単と比べて「青1マナを構え続ける」ことの難易度がかなり上がる。土地がタップインだらけな上、クリーチャーはある程度ソーサリータイミングで出さざるを得ず、山をどこかしらでは持ってこざるを得ないものの展開にはあまり使えない、ということで最序盤の青マナはかつかつ。とても構える余裕はない。《怨恨/Rancor》持ちを焼いて付け直す際にカウンターする動きでなら、このカードの後引きだと弱いという問題をクリアできるので、ストンピィに対してはそこそこ有効なカードだと考えられる。

試さずに腐すのも何なので、一応1回だけ採用してリーグに参加した所、見事に懸念どおりトロンに《鋸刃の矢/Serrated Arrows》を出された後に引いてきて怒りの即解雇と相成った。無論、これで《予言のプリズム/Prophetic Prism》をカウンターしたら都合よく色事故してくれるケースでは強いが、そのプランは《目くらまし/Daze》もあり、《無効/Annul》を多数採用しても無理なく構えつつ消化できる青単で狙うべきことであって氷雪ではプランとして狙うのが非常に難しい。無理にやることではないと思う。

《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》

マウント発生装置。

Pauperでは大抵の場合除去の性能>カウンターの性能であるため、完全な形のクロック・パーミッションは噛み合いが要求されて難しいが、これを一度通せば2点飛行クロックを安定して刻み続けてくれる。クリーチャーを守る必要が薄くなり、相手からの脅威の対処に集中できるようになれば、Pauperではカウンターの性能>脅威の性能であるため処理がしやすい。

マナベースが弱い氷雪デルバーがコントロール相手にクロック・パーミッションを遂行するに際し欠かせないパーツだと思っている。言わずもがな、2回分の対飛行ブロッカーとしても活躍する。

《払拭/Dispel》

サイドに入れているリストを見ると、正直メインに積めば?と思ってしまう。《紅蓮破/Pyroblast》に求める役割の1/5位と、《水流破/Hydroblast》に求める役割の1/3位はこなすので、それぞれの4枚目が欲しいけどスロットの余裕が~というケースではありかも。

筆者がサイドに置いた時は(メインのカウンターの構成が対抗呪文3-払拭1なのでまずメインにあるのだが)、なんかバーン多いからガード上げるために1枚追加するか、でもトロンに使いにくい水流破4はなぁ、ということで払拭の追加にした。

《血まみれの書の呪い/Curse of the Bloody Tome》

対《青の防御円/Circle of Protection: Blue》専用決戦兵器。青円で護身は完全だぜと思っているデッキの目論見を外すために使う。相手は青円で軽減し続けるために毎ターンマナを消費し続けるので、後は相手の攻め手をカウンターで潰すのみ。が、他の系統のデッキにはさっぱり効かない上に、

・墓地対策、つまり《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》とやってることが真逆
・《紅蓮破/Pyroblast》で壊れる

という問題があるので、かなり相手のサイドの状況に依存する。いい感じに墓地が肥えた所で《紅蓮破/Pyroblast》で破壊されるとただお手伝いをしただけに終わってしまうので、両方取っている相手には上手く効かない。最近(2018年10月時点)ではディンローヴァトロンも《紅蓮破/Pyroblast》を積む方が主流になったので、あまり採用はお勧めしない。白青トロンは《カストーディの従者/Custodi Squire》で回収してくるので墓地対策の方が欲しいし。

■アーティファクト

《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》

苦手なトロンの墓地対策として。ただし1枚だと1回一掃して終わりのため大して圧力にならない。2枚入れると初手付近で引く確率も上がり、並べば墓地を結構な勢いで減らしていける。《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》のハズレが増えるというかなり重大な問題点もある。

《鋸刃の矢/Serrated Arrows》

たまに入ることがある。青くもなくクリーチャーでもないので同系で最強。青単のゴーレムもワンサイズ縮めるとデルバーで一方になり、盤面を完全に支配できる。

《不屈の部族/Tireless Tribe》がどんなサイド案を取ってこようが叩き潰す力があるのと、ストンピィの《リバー・ボア/River Boa》をポロッと殺せる。問題はストンピィにはそもそも間に合うかが疑問なこと。呪禁を完全に諦めてバウンスと《電謀/Electrickery》を切り、《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》+これでストンピィとフェアリー同系とに勝つという構築はなくもないと思う。
というタイトルで書き始めたので、細かいサイドボードの話を書こうと思ったが、サイドに何を何枚取っているかは人によって違うので構成次第でサイドアウトするカードも当然違い、注釈が多くなって正直面倒そうだった。

なのでこのカードが強い弱い、プランはこんな感じ、といったふんわりとしたものに留める。

一応、サイドボーディングの基本として、生物の数はあまりいじるなということは常に意識しておいた方が良い。ストンピィはどこまで行っても生物で殴るデッキなので、生物を引かないことには話が始まらない。1、2体除去されて強化だけが手札に溜まって負けるパターンは避けたい。ただし、除去に極めて乏しい相手にはむしろ最低限のクリーチャーを引いたら残りはベタベタ強化を貼り付けることにリソースを割く方が速度も早くて勝ちやすいことが多いのでこれは適用されない。

ストンピィのメインのリストは最近標準のこれに近いものである前提で進める。
https://www.mtggoldfish.com/deck/1294748#online

http://85160.diarynote.jp/201711072027247872/
ほぼ1年前の記事だがこちらも参照のこと。細かいサイドについては書いていないが、プランについては相手側のリストに変化がないマッチアップならば概ね有効。

氷雪デルバー

https://www.mtggoldfish.com/deck/1311605#online

メインのキーカード:
《リバー・ボア/River Boa》
《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》

《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
《象の導き/Elephant Guide》

有効なサイド:
《はらわた撃ち/Gut Shot》
《空への斉射/Aerial Volley》
《散弾の射手/Scattershot Archer》

弱いカード:
2枚以上引いた時のスカージ
相手が除去を構えている時の象の導き
後手時の《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》

相手の重要サイド:
《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》
《残響する真実/Echoing Truth》、《撤廃/Repeal》等のバウンス

除去耐性持ちのクリーチャーを強化して殴り切るのが理想だが、メインにおいては単純に+3/3強化を2/2に乗せるだけで勝てたりする。焼かれた時に《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》を脇のクリーチャーに乗せるのが一番よくあるパターン。チャンプブロックで誤魔化されてデルバーによる飛行攻撃が間に合ったり、《雪崩し/Skred》をブロックと合わせられて死ぬ等の可能性がありそうな時は強化対象にも気を使う必要あり。

サイド後は《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》によるタフネス5までの一掃やバウンスの存在により、ややプラン完遂の難度が上がるものの、目指す所自体は変わらないのでテンポでの圧殺を目指す。

余談ながら、サイド後の《巨森の蔦/Vines of Vastwood》は砂嵐に合わせて+4で(5/5や4/4まで)強化したクリーチャーを生き残らせる使い方をする方がベターだと思っている。ストンピィ側がそれなりに回っている場合、氷雪側は4マナタップアウトで砂嵐を撃たないと負けるボードになることが多いので、持ってたらしょうがないという形になるのが普通。

変則サイド案:
《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》を《渦巻く砂嵐/Swirling Sandstorm》の妨害に入れるのはあり?
→後手の時は、初動を挫かれて砂嵐に依らずに相手のコントロールが間に合う可能性があり、そういう時に引いてしまうとただただ弱いので無し。先手の時はやってみてもいいかも。ただし代わりに何を抜くのかが不明。

青単デルバー(Mezzel型-テンポ特化型)

https://www.mtggoldfish.com/deck/1337192#online

メインのキーカード:
《リバー・ボア/River Boa》
《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》

有効なサイド:
《散弾の射手/Scattershot Archer》
《はらわた撃ち/Gut Shot》
《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》

弱いカード:
《象の導き/Elephant Guide》

相手の重要サイド:
《はらわた撃ち/Gut Shot》

とにかくテンポで攻めて来る。自分のライフが先に削りきられてしまう可能性も十分にあるので、こちらも速度が命。最近はゴーレムをサイドに取っていないようなのでアーティファクト破壊はサイドインしなくていい。何を抜くかはまぁ好みだが、タフ1除去が結構多いようなのでシラナよりも《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》が優先的アウト候補かと。《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》は減らしてもいいし減らさなくてもいい、程度。


青単デルバー(ゴーレム型)

https://www.mtggoldfish.com/deck/1323586#online

キーカード:
《リバー・ボア/River Boa》
《怨恨/Rancor》

有効なサイド:
《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》*最重要
《散弾の射手/Scattershot Archer》
《はらわた撃ち/Gut Shot》
《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》

弱いカード:
《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
《象の導き/Elephant Guide》

相手の重要サイド:
《はらわた撃ち/Gut Shot》

高速で殴りきるのがもっとも有効なのは共通だが、この2つは大まかなパーツこそ等しくとも相手側のプランが違う。このタイプとの対戦時、ライフを殆ど減らせていない状態でゴーレムに着地されてしまうと、ただの2/2が無価値になってしまうので敗北が近い。ただし、逆にゴーレムに依存した構造とも言えるので、防御の要のこれを除去してさえしまえば勝利は近い。というわけで《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》の2~3枚サイドインは必須。性質上カウンターに強いこのカードは心強い。長弓を多めに取っている場合は、ゴーレムさえどければ他は長弓で完封できるので勝ち、ということで上機嫌の破壊を4枚入れるのもありかも。

見分け方

主な差異は《目くらまし/Daze》。まぁ後者でもこれを採用するケースはあるので絶対ではないが。占い師4-ゴーレム4で忍者を廃したタイプもあるので、参考リスト2つの違いである《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》の有無はあまり。《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》をバウンスに採用している場合、どちらかというとゴーレムタイプより。

ボロス

https://www.mtggoldfish.com/deck/1319793#online

メインのキーカード:
《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
《象の導き/Elephant Guide》
《怨恨/Rancor》

《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》で一点突破するのが最強。布告はサイドからも消えて久しいので気にしなくていい。

有効なサイド:
《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》(後述)
《空への斉射/Aerial Volley》
《散弾の射手/Scattershot Archer》

弱いカード:
《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》

相手の重要サイド:
《軍旗の旗手/Standard Bearer》
《クラーク族のシャーマン/Krark-Clan Shaman》
《緑の防御円/Circle of Protection: Green》(一応書いたが最近はかなり稀なので無視推奨)

最近、《怨恨/Rancor》を少し減らしてその代わりに《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》を入れるサイドを試している。

理屈としては、この2枚は
・2/2が相手のメインブロッカーである2/3を突破できるようになる
・ただし相討ちする

という共通点があって役割が似ているので、長弓の方がアド損しづらく、更に旗手への対策となるため。

ただ、引いたゲームでは中々活躍していると思うが、今季のボロスとの最終的なマッチ勝率自体は運にも恵まれず微妙だったので、これが良いサイドだと断言まではしない。射手のサイドインはスカージよりマシ+トークンへの牽制という程度だが、一応2/3突破に役立ってはくれる。より正確に言うと2/3突破を嫌って除去を撃たれるので避雷針になってくれる。

《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》まで入れだすと、正直ストンピィ本来の展開に支障が出始めて結局相手のコントロール確立が間に合ってしまうケースが増えるのではと感じたので入れていない。

バーン

https://www.mtggoldfish.com/deck/1294756#online

メインのキーカード:
強化全般、特に《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》

有効なサイド:
ライフゲイン
相手側の構成によっては《勇壮な対決/Epic Confrontation》*

弱いカード:
スカージ(ただし定着すれば最強。殉教者による全体除去に巻き込まれないので残すのもあり)

相手の重要サイド:
《灰の殉教者/Martyr of Ashes》

最近流行の、《ギトゥの溶岩走り/Ghitu Lavarunner》系の構成の場合、はっきりとストンピィ側が有利に感じる。正直ライフゲインサイド要らないなと思った。まぁそれでも2ターン目《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》だと流石に負けてしまうので、戦闘時、強化を使えば倒せるならば狙った方がいい。

サイド後の、《灰の殉教者/Martyr of Ashes》による全体除去にだけは警戒が必要。ただ、起動した際に必ず陰鬱の条件を達成するので、《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》を合わせて圏外に逃げられれば勝てる。

*最近見なくなった《火付け射手/Firebrand Archer》+《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》の2枚看板タイプの場合は《勇壮な対決/Epic Confrontation》を入れていいと思う。対処しないとライフが溶ける。

*10/3追記
GRN期で妙に数が増えたように感じるのでライフゲインはやはりサイドにあった方がいいかもしれない。


トロン(イゼットロン系)

https://www.mtggoldfish.com/deck/1294757#online

メインのキーカード:
《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
《象の導き/Elephant Guide》
《怨恨/Rancor》

ボロスと似たようなもの。《一瞬の平和/Moment’s Peace》はかなり少ないのでメインは運が悪くなければ殴りきれる。

サイドはよく分からない。サンプルリストを見ると、《連合儀仗兵/Coalition Honor Guard》が3枚も取られていて衝撃を受けた。

ちょっと自信ないけど有効かも知れないサイド:
《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》
《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》

前者は儀仗兵の突破手段、後者は墓地エンジン妨害手段として。ただし、このデッキの墓地エンジンはあくまでアドバンテージソースに過ぎないので、無視して攻撃のみに特化して殴りきった方がいい可能性がある。

トロン(フォグ系)

https://www.mtggoldfish.com/deck/1308251#online

ストンピィを殺すためのような構造をしているので、相手が快調に回っていると勝てない。

メインのキーカード:
強化全般
《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
《スカルガンの穴潜み/Skarrgan Pit-Skulk》

とにかく高速で殴りきれればまぁ一応。

有効なサイド:
《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》

このデッキは墓地依存、というか《一瞬の平和/Moment’s Peace》に防御を頼る比重が大きいのでそこを潰せるのは重要。また、軽減や戦闘スキップで攻撃が通らなくはなるものの、除去はされていないので、ある程度序盤に削って長弓でティムという作戦は非常に有効。ただし、勿論相手もそれを分かっているので《古えの遺恨/Ancient Grudge》が入って来る可能性は高く、これらがあるから他がクソだけどキープ!とやると多分勝てない。

スカージと《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》は強化の素体となって攻撃を通す分には有効。ただし前者は《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror》でバウンスされて無に帰す恐れがある。かといって後者は純粋な速度的には遅いので、まぁ噛み合うかどうか。

全ての種類のトロンについて言えるが、3Tにトロンを揃えて《予言のプリズム/Prophetic Prism》で色マナもばっちりで~《神秘の指導/Mystical Teachings》で~と引いてくる相手にはだいたい勝てないので、割り切りも大事。逆にそういう展開でなければ、ストンピィをデッキ全体でメタっているフォグ型トロン相手でも勝てたりする。

親和

https://www.mtggoldfish.com/deck/1354050#online

メインのキーカード:
《怨恨/Rancor》
《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》
《象の導き/Elephant Guide》

《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》

有効なサイド:
《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》

弱い?カード:
《リバー・ボア/River Boa》
《巨森の蔦/Vines of Vastwood》

相手の重要サイド:
《クラーク族のシャーマン/Krark-Clan Shaman》

4/4の壁を怨恨で4/2にした地上で抜けるか、5/5にしたスカルガンで抜けるか、飛行2種を強化して抜けるか、という勝負。前2種のプランはエイトグをただ出されるだけで崩壊するので、コンボも含めてエイトグ次第のマッチと言える。サイド後は土地2枚を割ってイージーウィンの可能性があるが、《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》は結局相手の妨害をするだけのカードで、クリーチャーの代わりにも強化の代わりにもならない上、効果をフルに発揮するためには緑クリーチャーが必要。そのため、代わりに蔦を抜くのが良いと思っている。

ただまぁ、抜いていることがバレると除去のタイミングが変わってくるので、少量残しても良いかも。また、弱いカードに《リバー・ボア/River Boa》を挙げたものの、これは2マナの中で一番微妙という意味合いに過ぎない。展開力をもたらす使者、吠え群れとのコンボがある侵略者、回避のあるシラナとの比較上、2/1再生が一番弱いので。怨恨がついて、なおかつ横にレインジャーがいれば流石に強くはあるので、あくまで他との比較上。最初の狂喜を満たしづらい、後手時のスカルガンと比べれば実は強いかも知れない。

重要サイドなのは間違いないので一応挙げるだけ挙げたが、実際には《クラーク族のシャーマン/Krark-Clan Shaman》はケアする余裕がないことの方が多い。《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》があるなら別だが、そうでないなら無理に意識せずオールインする方が勝率は高いと思う。

少し前に流行した、コンボ的側面に重きをおいて《甲殻の鍛冶工/Carapace Forger》を廃したタイプについて特に強く意識することはない。そもそも見分け方が《テラリオン/Terrarion》を置かれる位しか無いと思うし。壁が減ってやりやすくなったかもね程度の感覚。

呪禁オーラ

https://www.mtggoldfish.com/deck/1354047#online

メインのキーカード:
《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》

有効なサイド:
《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》

弱いカード:
《象の導き/Elephant Guide》

少なくともメインにおいてはコンバットトリックで一瞬相手のサイズを上回る、またそれを警戒させることが有効。相手に除去はほぼないので、スカージを強化してクソゲーを目指す。アルマジロでクソゲーされるよりも速度だけならこちらの方が早い。サイド後、旗手で無力化され、かつ相手の《祖先の仮面/Ancestral Mask》のカウント対象になってとにかく弱い《象の導き/Elephant Guide》は最優先で抜く。

旗手対策の《はらわた撃ち/Gut Shot》や《勇壮な対決/Epic Confrontation》を入れるかは好み。筆者は腐りそうなその種のカードは入れずに2/2を大量に横に並べてエンチャント破壊のみで殴り抜ける方が好きだが、《若き狼/Young Wolf》等を入れて、それを強化するプランをG2で取ってきた相手に対しては《はらわた撃ち/Gut Shot》を入れた。サイド後を含めた長期的対戦成績で見るなら明確に有利な相手だと思うが、相手の引きがどの位良いか次第で決まってしまうマッチでもある。一応、相手がオーラを呪禁以外につけようとする場合は蔦でカウンターできることだけは覚えておこう。

ストンピィミラー

メインのキーカード:
《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
強化全般

有効なサイド:
《はらわた撃ち/Gut Shot》
《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
《散弾の射手/Scattershot Archer》

《勇壮な対決/Epic Confrontation》
《散弾の射手/Scattershot Archer》(相手とスカージの枚数が等しいor少ない場合)

弱いカード:
《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》

圧倒的スカージゲー&先手ゲー。そこのステップをお互いがクリアすれば、一応強化のタイミングや除去の使い方等、プレイを問われるゲーム展開にならないこともない。


エルフ
https://www.mtggoldfish.com/deck/1353874#online

詰みマッチ。2割勝てるかどうかの世界。

メインのキーカード:
《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
スカルガン、《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
強化全般

有効なサイド:
《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》
《はらわた撃ち/Gut Shot》
《勇壮な対決/Epic Confrontation》

弱いカード:
《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》(特に後手時)
種族:エルフのカード達

《幸運を祈る者/Wellwisher》を除去できない、地上が突破できない等、到る所に即敗北に追い込まれる要素がある。しかも《暴走の先導/Lead the Stampede》で安定して強いエルフを引っ張ってこれるようになった。挙句の果てには、主力になっているのが旧枠時代のエルフ達なので、こちらのエルフにも反応して相手がメリットを得る。かといって全てを抜くことなど到底不可能なのでどうにもならない。

飛行を止める手段はほぼないので、メインではスカージに強化を大量に貼り付けると勝てることがある。なおサイド後は相手に《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》を入れられたりするので、必ずしもスカージ一点に頼るべきではないが、とは言っても他に選択肢がないのでお祈りで強化連打することもしばしば。ならば《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》なら、と考えないでもないものの、これは種族エルフなので減らせるなら減らしたいし、後手2ターン目にこれを出していてもまず間に合わない。

実はサイド後の先手に限れば見られるレベルの勝率(60%程度)はあるが、サイド後の後手は本当に厳しい。また、メインで後手を引くと基本的に間に合わない。ダイスロールに勝って、運良くメインを押し切れて、という所が最低条件。

青黒デルバー

https://www.mtggoldfish.com/deck/1308230#online

メインのキーカード:
《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
強化全般

有効なサイド:
特になし、《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》は取っていても入れない方がいい気がする。強いて言うなら《空への斉射/Aerial Volley》、極めて妨害されやすい《勇壮な対決/Epic Confrontation》は多分NG

横並びで押し切るか、空から押し切るかを相手の状況に応じて選ぶ。青黒というカラーの常で、相手にはスカージを除去できるカードが非常に少ないので強化の素体としてかなり信頼が置ける。逆に、《リバー・ボア/River Boa》は再生不可がついた《殺し/Snuff Out》が採用されているので、そのままで渡って殴る分には優秀だが素体としては微妙。スカージを殺せる除去である《見栄え損ない/Disfigure》はこれにも有効なのでどちらかで選ぶなら迷わずスカージ。

特にサイド後は布告ケアで強化対象+数枚のクリーチャーを(相手の《目くらまし/Daze》を消費させつつ)展開する必要があるため、《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》を出している暇も起動している暇も正直ない。後引きでも有効な相手にはそれでもサイドインした方がいいが、この相手はそうではないので、入れずにストンピィ本来の展開に注力した方がいいと思う。

青黒コントロール

https://www.mtggoldfish.com/deck/1332787#online

シラナ、が無理ならスカージを強化して、布告避けのお供の数を維持しつつ殴ってれば勝てる。積極的にサイドインしたいカードは特になし。最近《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》入れてるの忘れてた。まぁなくても勝てる。

プレイのポイント:
《吠え群れの飢え/Hunger of the Howlpack》は無理に+3/3に拘らずに+1/1カウンターを乗せるだけのカードとして使う方が強いことが多い。占い師を倒す、2/2を除去から生存させる等。

後手時のレインジャー+森1キープは極めて高リスク。2マナ目からの動きが余程強力で、レインジャーが残ればor森を引けば勝ち、というのでない限り禁物。そもそもレインジャーがマナ基盤としてカウントできず、キープ基準にできないなら弱いので、レインジャーを射手と入れ替えて-1/-1で壊滅しないようにするという手もある。

黒単コントロール
https://www.mtggoldfish.com/deck/1353845#online

スカージは役割を持てないので全て射手に入れ替えること。他は青黒コンと共通。エンチャントの枚数が人によってかなり違うので、《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》は黒死病を見たら1枚入れてもいいかも?程度。

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